メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

映画『宗方姉妹』(1961)

2024-06-29 11:55:21 | 映画
監督:小津安二郎 原作:大佛次郎

出演
宗方忠親(父):笠智衆
三村節子(姉):田中絹代
三村亮助(節子の夫):山村聡
宗方満里子(妹):高峰秀子

田代宏(神戸の家具屋):上原謙
真下頼子(田代宏の友人 未亡人):高杉早苗

三銀の女中(キヨちゃん):千石規子
三銀の客:河村黎吉
飲み屋三銀の亭主:藤原釜足

教授・内田譲:斎藤達雄
前島五郎七 (バーの店員):堀雄二
藤代美惠子:坪内美子
箱根の宿女中:一の宮あつ子
東京の宿女中:堀越節子



TSUTAYAのカードを更新するともらえる無料ハガキで
迷った末に小津作品を借りて観た

田中絹代、高峰秀子の姉妹ほか、豪華キャスト

家のDVDプレイヤーを使うのも久しぶり

昔ながらの日本女性を体現している姉の絹代さんと
現代風で奔放な妹役の秀子さんの対比が素晴らしい


【内容抜粋メモ】
食生活や日常生活の不摂生でがんになると説明する大学教授







姪のセツコが手紙を見て訪ねる

教授:
父さんは長くて1年
妹のマリコにも知らせないほうがいい
あんないい奴はめったにいないよ



神戸で家具をつくっている田代宏が来る
舌を出すのがクセなのをからかわれるマリコ














京都の寺巡りをしている姉妹
マリコは仏像なんて退屈だという

神戸
ヒロシを訪ねたマリコ
ステキな洋間に感激する









妻も愛人もいないというが、姉の日記を見て
2人のデートについて書かれた文章を勝手にアレンジして読誦して見せるマリコ
歌も入れていいシーン

未亡人の真下頼子が立ち寄ってクラシックのチケットを渡す
マリコ:あんな気取った人キライだな









父:父さん、もう長くもなさそうだよ

セツコは泣いてしまう



バー アカシア
セツコが経営していて、マリコはウェートレスをしている
マリコは義兄リョウスケと不仲
バーの経営は傾いている









マリコ:
お義兄さんがあんな風に意地悪になったのは
去年5月頃、酔っぱらって帰ってきた時から
お姉さんの昔の日記を読んだから

勝手に日記を見たことを怒るセツコ

マリコ:どうしてヒロシさんと結婚しなかったの?
セツコ:気づいた時には三村との結婚が決まっていて、ヒロシさんはフランスに発った後だった



リョウスケは猫好き
リョウスケ:猫は不人情なところがいいんだ








姉妹がキレイだと褒める酒場のキヨちゃん
キヨちゃん:先生にはもったいないよ









夜中にヒロシがバーに来る
少しも変わらないと褒め合う

セツコ:いつの間にか亡くなった母の歳を越えました
ヒロシ:店のお金のことは心配いらない



マリコ:マリコ、今ヒマなの 遊んでくれる?

箱根にいるマシタから電話があった
マシタとヒロシの仲を怪しむマリコ

またマシタから電話がきて、ヒロシは軽井沢へ行ったとウソをつく











箱根の宿にいるマシタは急行で帰る









家の中、ネコだらけ!
夜中に帰ったマリコに怒るセツコ

マリコ:ウチにいると陰気臭くてくさくさする 義兄さんの顔を見たくないのよ
セツコ:夫婦はお互いにガマンしあってやっていけるのよ

マリコ:そんな古い考え方キライ!

セツコ:
あんたの新しいってどういうこと?
あんたの新しいは去年長いスカートが今年短くなることじゃない

マリコ:
私、遅れたくないの
私はこういう風に育てられてきたの
私、お父さんに相談してくる










父:
姉さんは姉さん、お前はお前さ
人がやるから自分もやるのはつまらない
自分を大事にするんだね

セツコとリョウスケがうまくいってないのを心配する父

ウグイスの鳴きマネをする父と娘 いいなあ、こんな親子関係



神戸

マリコ:
もしお姉さんから好きだって言ったら結婚した?
きっとお姉さんから言い出すのを待ってたんだ
二人はよく似ているのである

ヒロシ:セツコさんを幸せにする自信がなかったんだよ

マリコ:
もしヨリコさんが結婚を申し込んだらどうする?
お姉さんが好きなのはいいの、でもヨリコさんはダイキライ
ねえ、マリコと結婚しない?
マリコ、ヒロシさん大好き!









ヒロシ:よく考えてごらん、それは本心じゃないんだ

マリコ:ウソだと思ってんのね マリコ、泣いちゃうから!



ヨリコの家を訪ねるマリコ

マリコ:
今、ヒロシさんに結婚を申し込んだんです
私がお姉さんの代わりになろうと思って
おばさまからヒロシさんに頼んで

ヨリコ:ヒロシさんのどんなところが好き?

マリコ:
優しくて、清潔でお金持ち
でも、とってもイヤな奴がいるんです ダイキライ










セツコ:
店は田代さんがお金を出してくれたため続けられる
月々少しずつお金を返す約束をした

リョウスケ:
どうしてオレに言わなかったんだ?
オレに知られちゃ困ることがあるのか?
お前に金を貸さなきゃならない弱みがあるのか?

セツコ:
なにか間違いでもあったと思ってるんですか?
誤解です 私、そんな女じゃありません
セツコを信じていただきたいんです

聞く耳持たず 嫉妬は愛されてる裏返しじゃん 面倒な男だな・・・

セツコ:
私、お店辞めようと思います
洋裁でもなんでもして働きます
この家も売ってもいいとお父さんが言ってました
田代さんにお断りします



マリコがヒロシの家に来る

マリコ:
マリコ、ヒロシさんのこともうなんとも思ってないのよ
フラれちゃったw
マリコの芝居全然受け付けないんだもの
お姉さん、お店のことで困ってるの 会ってあげて
日比谷公園、音楽堂の前

歌上手いなあ!

野音、昔はこんなだったのか!
湖も今より広いような?
大きなビルもこの頃からずっと建ってるのかもな












前島:明日、ここ閉めちゃうのもったいないな

マリコ:
飲め、飲め、特攻隊 プロペラ!
マージャンばっかりして
新しいってことは、いつまでたっても古くならないってことなんだ(セツコの受け売り

バーにリョウスケがふらっと来る

マリコ:
どうしてお姉さんが辞めなきゃいけないの?
お姉さんの苦労何も知らないのね
お姉さん可哀想だわ
自分でももっとお仕事を探せばいいのよ!

リョウスケ:
別れろっていうのか
酒を飲んでブラブラするのも捨てがたいもんだ

マリコがコップを投げて割ると、笑うリョウスケ









リョウスケ:
オレたちのこと、別れたほうがいいか?
オレはお前が喜ぶと思って言ってやってるんだ

セツコ:
私の身にもなってください
私、そんなこと一度だって考えたことありません
ただあなたを信じて生きてきたんです
いつかきっと分かってくださると思ってた!

頬を何度もビンタする

リョウスケ:貴様のそんなところがイヤなんだ!

マリコ:どうしてぶたれたの?
セツコ:私、別れます
マリコ:当たり前だあんな奴と お姉さん、もったいないわ!









ヒロシ:
ずいぶんと苦労されて
でもセツコさんがセツコさんらしく大変立派になった
いらっしゃい、ボクのところへ
話そう、おじさんに









キスしようとして、リョウスケが入ってくる

リョウスケ:
長いこと探してた仕事がやっと見つかった
やりがいのある大きい仕事ですよ
仕事がないとどうもひがみっぽくなる
ここでも祝杯をあげようと思ってね

酒をもらってくると席を立つ

女中が酒を持ってきたが、リョウスケは帰った
外は急な雨・・・イヤな予感









また行きつけの酒場に来て泥酔してるリョウスケ

リョウスケ:今日は実に愉快なんだ
キヨちゃん:キレイな奥さんが心配してるよ もう帰んなよ
リョウスケ:女房なんて重宝な道具にすぎん



家で寝ないで待ってた姉妹
リョウスケが倒れて、マリコが様子を見に行くと死んでる?!



セツコ:
人間てあんなに急に死ぬものかしら?
あんなに急にお仕事が見つかるなんて信じられない

マリコ:
医者は心臓麻痺だと言っていた
もう思った通りやればいいのよ
ヒロシさん、きっと待ってる



ヨリコ:
私にも覚えのあること 慣れっこになったけど
セツコさんはきっとあなたを頼りにしてらっしゃる
私もとても寂しかったんだもの
もうあなたにはお目にかかるまいと思ってた
気まぐれが本心だったかもしれないの
さよなら ごきげんよう



ヒロシとセツコで京都の寺をまわり、昔話をする








セツコ:
私、いろいろ考えて、三村が普通に死んだとは思えない
暗い影が広がって私から離れない
どこかで見ていると感じられる
とてもあなたのとろこへ行けない
あなたまで暗くしてしまう
私の気の済むようにさせてください
でも自分を不幸だとは思わない
これきりお目にかかれなくても幸せでした

(死んでもとりつくほうがコワイな

ヒロシ:ボクはいつまでも待ってます









セツコ:
お別れします
長い間いろいろよくしていただいて



喫茶店でマリコと会う

セツコ:
私、ヒロシさんとお別れしてきたの
自分にウソをつかないのが一番大事だと思ったの











マリコ:お姉さんって昔からそんな人ね

セツコ:歩かない? 御所を抜けて帰りましょう

2人で散歩する

セツコ:京都の山ってどうして紫に見えるのかしら?
マリコ:おしるこの色みたい
セツコ:キレイな色

誰かの奥さんでなくても幸せになれるものね




■DVD特典 パンフレット














■DVD特典 スチール・コレクション















































コメント