夫の「説教」に苦しめられた母と子 法廷で明らかになった結愛ちゃん虐待死までの日々
鹿児島の4歳女児、暴行後に水死か 母親の交際相手逮捕
児童虐待というと、ニュースでは母親をメインに取り上げている気がするけれども
パートナーからのDVがあれば逆らえないし
自分の意思がない状態にまで陥っていた可能性も多い
もしかしたら加害者男性も、自分の親から同じことをされていた
ケースも多いのではないか
こうした悪循環は綿々と受け継がれていく
せっかくさまざまな支援機関があっても
当人は自分が加害者・被害者意識がなければ声も届かない
●結愛ちゃんの自宅にあった「ルール」
●虐待の加害者を取材
この男性も息子や娘が野球の練習をする際にルールを課していました
加害者男性:
酷ければビンタしたり
守れないとお尻をバットで叩いたり、平手打ちをしたりしていた
長男は今も児童養護施設に入所
男性は専門の機関で虐待を繰り返さないための講習を受けています
子どもにルールを課すことで、子どもが守れなかった際に
暴力を振るう自分を正当化していたといいます
子どものために言っているようで親のエゴ、思い、理想、押し付けが多い
加害者男性:
そこがエスカレートすると虐待になるのかなという気がします
一方、虐待の被害者はこうしたルールについてどう感じているのでしょうか
●『母さんがどんなに僕を嫌いでも』
漫画家で小説家の歌川たいじさん
幼い頃、実の母親から受けた虐待を題材に描いた作品は去年映画化もされました
歌川さん:
物心ついた時には、すごく激しく体罰をされていたと思います
刺身包丁で腕を切られた腕の傷がまだ残っている
母親が上から振り下ろしてきたので腕で避けたんです
避けなかったら顔に当たっていた
結愛ちゃんに課されたルールを見てもらうと
歌川さん:
これを見ると自分の子どもの頃を思い出す気がします
ただただ親に嫌われたくないから
親に「ダメな子どもだ」と思われたくないから
●虐待を受けながらも母親に嫌われたくない一心だったという歌川さん
親の言う通りにできないと、子どもは「自分が悪い」と
思い込んでしまう危うさがあるといいます
歌川さん:
自分の母の場合、包丁を振り上げるとか
階段から蹴り落とすとかもしたけれども
それでもやっぱり自分が悪くて
お母さんに何とか好かれたい
悪いのはあくまでも自分
お母さん、お父さんはいつでも正しい
それに対して、自分はなんてダメなんだろう
虐待というのはDV,いじめなどと同じなんですけど
洗脳に近い行為だと思う
結愛ちゃんの事件で逮捕された男は「しつけの一環で怒った」
璃愛來ちゃんの事件でも父親は「しつけのつもりでやった」と話していた
専門家は「ルール作り」そのものに問題があるわけではなく
守らなかった時に親が感情的に怒ってしまうことに問題があると指摘します
児童虐待防止機関 オレンジCAPO 島田理事長:
しつけとは何ですか?
虐待とは何ですか?ってということを知らないまま
感情表現をしているから
怒る時には怒鳴る、殴る
殴れば相手が言うことを聞くだろうと支配してしまってる
しつけと虐待の違いを知るか知らないかは全然違うんです
編集長:
私にも子どもがいます
そして社会に出るために家庭内でルールを決めることはあります
でもそれがもしかしたら虐待に結びついてしまうかもしれない
可能性があるということはハッとさせられました
それは親の側がきちんとこれが「しつけ」なのか
あるいは心理的に負担を与えているのか
虐待に繋がってしまうのかということをきちんと見極めながら
子どもと接しなくてはいけないということを強く感じました
●親子が話し合って一緒にルールを決める
アナ:
今回いろんな話を聞いていて最も大切だと思ったのは
こういうルールを作ること自体は一般的だと思うんですけれども
ルールを決める際に
親と子どもがしっかりコミュニケーションを取った上で
ルールを決めているのかということです
このルールは本当に必要なのか?
守るためにどういうルールにすればいいのか?
ということを双方が話し合って
納得する形でルールを決めることが大切なのではないかと感じます
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