メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『この国の空』 (2015)

2019-09-08 10:42:56 | 映画
原作:高井有一『この国の空』(新潮社刊)
監督:荒井晴彦

出演:
里子 二階堂ふみ
里子の母 工藤夕貴
里子の伯母 富田靖子
市毛 長谷川博己
滝沢涼子
斉藤とも子
北浦愛
富岡忠文
川瀬陽太
利重剛
上田耕一
石橋蓮司
奥田瑛二
ほか

“芥川賞作家・高井有一の同名小説を、日本を代表する脚本家・荒井晴彦が
 自ら18年ぶりの監督も務めて映画化したドラマ。
 空襲に怯えながら暮す19歳のヒロインが、明日の見えない暗黒の日々の中で、
 妻子ある中年男性との許されぬ恋に身を焦がしていく姿を描く。”(allcinema

trailer


長谷川博己さん出演の戦争映画ということで「GYAO!」で観てみた
いい映画だった

工藤夕貴さんが母親役でいい味を出していた


「長谷川博己さん出演作まとめ」に追加します


雨の描写が印象的で、フシギな間が心にひっかかる

二階堂ふみちゃんの大きな瞳に力がある
薄幸な運命は、大河ドラマ『西郷どん』に通じるものもある

戦争描写がとても詳細で、太平洋戦争末期の町がどんな感じだったかがよく分かる
悲惨な死体や戦闘シーンがなくても、哀しみは伝わる

8月が過ぎてしまうと、ハロウィーンやクリスマスに切り替わる

テレビなどのメディアから「戦争」が消え去るが
戦争は今もどこかで起きている
犠牲者の心の痛みはいつまでも消えない



【内容抜粋メモ】

大雨の晩
防空壕が水浸しになって困っている里子と母
隣りの市毛に言う

イ:妻子は疎開しているからこちらを使えばいい




サ:
昨晩 バイオリンが聴こえました
窓に紙を貼らないと 私がやります





「昨日、支部長が押しかけてきて、天窓が危ないから外せって」

3月10日の空襲を境に人が変わりましたよね」

「桐山さんのニワトリが気になる」

「子どもがいなくなったからでしょう」

「ユウイチとテルコ どうしているかしら・・・」


イチゲ:
いつも弾いてる曲はメンデルスゾーン
才能がないからと諦めて銀行員になった
(サが窓に紙を貼り)なんだか物悲しいね




空襲




サ:
また中島飛行機がヤラれてる
イは戦争に行かなくていいんですってね
イは丙種で羨ましい

イ:
僕らの頃は少しでも体力の劣る者は皆丙種だったんですよ
郷里の静岡でやったから貧弱に見えたんでしょう
まさか僕の歳で引っ張られないでしょう 38ですよ

サ:
父が死んだ年・・・
私が12の時 結核で 土地があるから生活はなんとかなってますけど

イ:病気で死ぬのと、戦争で死ぬのとどっちがいいだろう
サ:どっちもイヤです!


役所 毎晩の空襲で居眠りするサ
明治神宮も焼けた






新宿の弟夫婦が焼け出されて転がりこんできたと愚痴る上司
上司:頭がおかしくなったのかと 当分面倒みなきゃ

叔母の息子のいる軍需工場は景気がいい
トモは結婚するが式ではモンペじゃなきゃダメ


夜中にイチゲを訪ねるサ
秋田から届いた干し餅?を一緒に食べる




イ:
焼け跡に一番あるのは焼けトタン 屋根かな
拾い集めればバラックが簡単に出来る

サ:
師範学校の教師になりたがったが母に猛反対された
両親のいる子と変わらず、お嫁に行かせますって
挺身隊を逃れたけど、ずっと母と2人きりでつまらない と泣き出し突然帰る


トモエの結婚式
マグロのお刺身、ブタの角煮まで出た成金だと言う母






母が寝たのを確認して、窓を開けてゴロゴロするサ
「お嬢様もそろそろですね」と言われたことを思い出す

(親戚って必ず言うよね

イがバイオリンを弾いているのが聴こえる




また空襲 ものすごい数のB29
サ:高円寺かしら 燃えている

母:焼けたっていいわよね 仕方ないわよね
サ:いいわ 生きていられれば





転出許可書を出せと役所で男に怒られるサ

サ:
高齢者なら出せますが、中島さんまだお若いでしょ
防空活動に従事していただかないと

男:
バケツリレーで焼夷弾を消せるとまだ思ってるの?
竹やりで勝てると思ってるの?






叔母(富田靖子):焼け出されたわよ!!
サ:横浜は酷かったから心配して
叔母:横浜は焼け野原(まるで歌うよう

叔母:すごいご馳走ね ご飯は何膳食べていいの?
母:何膳でも 今日は特別たっぷり炊きましたから




サ:お風呂沸かしましょうよ
母:週1度金曜日だけって決めてるの

母はとっておいた最後のパイナップルの缶詰を開けて叔母にあげると
貪るように食べる

母:姉さん 兄さんらはどうなったの?

叔母:
死んだわよ 役所と工場で きっとそう
私は出掛けて、電車がとまって トラックに乗せてもらって
遺体を捜したけど 死んだわよ
直撃弾で粉みじん


翌日 叔母は早朝から洗濯をしている

また空襲警報
叔母は吐いてしまい動けない

叔母:防空壕なんて汚い所で蒸し焼きになるのはイヤ!!





母:姉さん、ずっとウチにいるつもり?
叔母:きょうだいでしょ?

母:
転入届けがないから配給をもらえないの
私たち2人で精一杯なの

叔母:納戸を貸して 毎日買い出しに行く 生命保険の証書などを全部出す

母:部屋代は要らない
叔母:食事も別にする

サ:着物もないのに買出しなんてムリよ 私が行くわ 町会長さんに頼みます
叔母:50円出すわ

サ:仲良くやりましょう いつ死ぬか分からないんだから


叔父(石橋蓮司)を訪ねるサ
疎開の書類を持ってきた




叔父:
疎開は出征と同じだね 何もかも置いて
娘は迷惑がってる 田舎も食糧に困ってるって

帰るサに貴重品のぶどう糖を渡す

サはイに配給のトウモロコシと大豆を渡す
アルミ弁当箱で食べているイ
イ:梅干で穴が開いていて、さすがに献納できなかったよw

サ:あなたは空襲の焼け跡に転がる死体を見ましたか?

イ:
僕は見に行った 死骸見物の連中が大勢いた
真っ黒焦げなのは男女も分からず軍のトラックがひいていく

川に浸かっているのはキレイだ 眠っているようだった
僕はほっとした 僕も死ぬならああいうのがいい

本土決戦になったら、戦車に轢き潰されるか

沖縄では洞窟に逃げると火炎放射器でしらみ潰しに殺したそうですよ
一瞬で燃え上がり骨になるらしい

蚊取り線香は家内が大量に買ってあった 今は貴重品だ
婦人会の世話役をやっていると食い物が手に入りやすいらしい

警報が鳴り、ラジオを聞くとこっちにきそうにないと分かる

サ:東京にはもう行く価値がないっていうのは本当かしら?
イ:人間は焼く価値があるのでは?


叔父の庭の野菜に水をやり、土に種をまくサ




カボチャ3個をどうするか母と話していると叔母が来る
サ:今夜からご飯は一緒よ!

3人で食事
叔母:サメって豚肉より美味しい


出勤時「今晩頼みがあるから来てくれ」とイに言われるサ




イ:
新聞を10日ずつ家内に送っている
興味深い記事に赤い丸をしている 手紙の代わり

心細いのはこっちも同じ 子どもには別に手紙を書きます
一生懸命につながりを絶やさないようにしてるんです

玄関のカギを渡す
しばらく宿直が多くなる ヒマな時、部屋が蒸れないよう風を通して欲しい と頼む


夫妻で疎開 カギを叔父夫婦に渡す
「情勢はますます厳しくなりますがお元気で」




叔父:退場する人にはちょうどいい花道だ
サ:絵を描いて送ってください 田舎の村のスケッチ

叔父:
松本行きはやめにした
麦焦がし?を食べていきなさい お茶もいいのがあった

畑にトマトがなっている

叔父:
上野で半日待つのは大変だ
あんたのところは女3人ちゃんとやってる

サ:上辺だけなんです


母と叔母がケンカしている

母:
たった今出てって!!
豆ご飯を炊いている時に下品にくちゃくちゃつまみ食いしていたのよ
サにも責任がある 間借り人らしく扱えばいいのよ

(みんな心まで貧しくなって・・・


叔父に相談するサ
叔父:憎しみは大事にしないと 空中で飛ばされる時も1人より2人

サは父のズボンを直して履いているのを同僚に褒められる




イの家の空気をかえに来る
柱に子どもの背丈を測った削り跡があり
♪柱のきずはおととしの~ と歌う

寝床を見るとぐちゃぐちゃのままで整える
バイオリンケースを覗いたり、枕カバーを洗う

その後雨が降る

また3人で食事
叔母:サのいなかった時に掃除してくれてありがとうってイが卵を置いていったわよ


買出しのために着物を整理する3人
サ:私は洋服のほうがいい
母:百姓は欲深いから気をつけなさいよ


川にはたくさん子どもがいる
サ:子どもを見るのはしばらくぶりだわ




農家を訪ねるサと母
町会長と満州で一緒だったトミオカ上等兵
着物を見せるとさっさと持っていく
自家製のどぶろくをすすめる



(買い出しって闇市に行くことかと思った


川でおにぎりを食べる母子

母:
姉さんも連れてくればよかった 3人で楽しくピクニック
叔母は2回しか出ていない 元は出掛けるのが好きだった

川の水を飲むサ

暑いからと着物を脱いで川で体を拭く母






母:
姉さんが言ってた サは女の匂いがするようになった
あんたは大人になった 一番感じてるのはイさん

イは見てる 1人でいる時に思い出してる
男の人ってそういうものよ

イに気を許してはダメ
普段なら妻子のいない人の所に出入りなんて止める

でも今はあなたの近くにはイしかいない
あの人がいてくれてありがたい
娘をよろしくって頭を下げたいくらい

気を許したら損するのは女のほうだから
好きだなんて言ったら溺れてしまう 女は溺れやすいの
私も溺れた経験がある

サ:私、知らないほうがいい 昔の話なら


召されていった空の父
召されていった空の兄
翼つらねて飛んでいく


この歌は嫌いだけど気をそそられる
父さんも召されていった

軍歌を大声で歌うサと母




トミオカ上等兵:
もう外地はないだろう 早いか遅いかだけだ
着物は死ぬ前にかかあに着せてやりたいんだ
下のほうに米が5升入ってる ブタは見つかるとうるさいから用心して

町会長:
戦地に行けば、誰とでも戦友になる じゃなきゃ生きていけない
あさって入営する 2度目のお勤め
軍隊は食い物の心配をしないからあり難い


風邪をひいたサ また警報
看病する叔母 母は今月、防空軍長

母:八王子と立川に来るって!

叔母:
私はこの家に焼夷弾が落ちたらいいと思ってる
そしたらあなたたちも私と同じでしょ

家から赤い煙の柱が見える




同僚は八王子の家族が心配で休み、様子を見に行った
上司:あの雲は関東大震災の時も出た きっと大勢死んだね


イ:あさってお休みですか? 米がたくさん届いた
サ:嬉しいわ

2人で出掛ける
サ:キレイ 海って焼けないのね






神社で昼食を食べて、サを熱い目で見るイ




イ:
あなたは若い
女の人は何をしても美しい時期がある あなたはちょどその時なんだ

神社の水を飲むサ イにも汲んでくる
ステキな巨樹




歩み寄るイ あとずさりするサ
サから抱きつく






サ:私、甘やかされたくない 私から甘えるつもりもない

女性:そこで何をしてるんですか? 天皇陛下でさえ頭を下げる場所ですよ!


昼間のことを思い返し、家でもぼうっとするサ
服を脱いで、縁側に横たわる 下着はワンピみたいで可愛い




うわ蚊に食われてる!
「明かりが漏れてるぞ!」と町民?に怒られる

トマトを摘み、井戸水で洗い、イに持っていく
イ:井戸水につけて冷やして明日食べるよ
サ:今食べて
イ:勝手口を開けるから向こうに回りなさい




家の中に連れていかれるサ






イ:
ともかく僕は君が好きだ

君にも知っておいてほしい 戦争はもうじき終わる
友だちに新聞記者がいて教えてくれた
和平交渉も進んでいるらしい

それ以上長引けば九十九里にも来る
知り合いに丙種で34歳で召集された男がいる
この頃怖い 今日は赤紙が来ているのではと足がすくむんだ

九十九里にタコツボを掘るという話だが
海水が入るからせいぜい背中が隠れるほどしか掘れやしない
カエルみたいに殺されるのを待つんだ

戦車に突っ込むしかない
おめおめと生き延びてきた自分にはこんな死に方がふさわしいのかね

サ:死なないって言って! と泣く

イ:
戦争には行かない ずっとここにいるよ
君も離れずにいてくれるね?
トマトをまた持ってきてくれる?

とうとう関係をもってしまう2人
床の血を拭くイ
体を水で洗うサ


ソ連が満州に侵攻




上司:
どっちが先に上陸するか ソ連とアメリカで競争になるだろうよ
たった一発で広島が消えちゃうほどの爆弾だろ?

白いものを着てれば火傷が防げると言われてもねえ
でも軍の通達を我々は率先垂範しなくてはな

(どのみち正義より、戦争は侵略なんだ

ため息ばかりつくサは「具合が悪いなら早引けしなさい」と言われ
イの家を訪ねるといない

夜も帰らないため、会社から電話をかける
イ:泊まりこみが続いている
サ:奥さんのところじゃないのね
イ:しあさってには帰るよ じゃあ


また空襲
母:新型爆弾を積んだのは1機で来るのよ!




昼間もまた空襲
ラジオ:関東北東部・・・ B29本土に侵入しつつあり
母:来た!!

荷物を持って防空壕に入る3人だが南方に過ぎた

母:まだ油断は禁物 広島は解除になってからヤラれたのよ




ゼンゴ叔父が戦死したというしらせがくるが
母:北海道じゃ行きようがない

ジャガイモを煮るサ 手紙も燃やす

叔母:新型爆弾は真下なら平気ってほんとかしら?





イ:
戦争が終わります 全面降伏です
日本は負けたんです 3国共同声明が出された
ソ連が加わり4国になり、丸ごと受け入れざるを得なくなった

ゲートルを脱ぐのを手伝うサ
降伏条件を読むイ

満州も台湾もすべて返さなければならない
 各自の家庭に戻り、平和的な生活をしろ」

本決まりではない 意見の対立がある 一億玉砕と主張しているそうです

共同宣言は基本的人権を尊重すると言ってるが
男は去勢され、女は強姦されるかも

新型爆弾よりいいじゃないですか
まるで予測がつかない

母:うちには男がいなくて心細いので、力になってください

(母親はサとイのことを知ってるんじゃないか
 終戦になったら奥さんが帰ってくるし


雨を浴びて終戦を喜ぶイ




イ:上がらないか? バイオリンを聴いてくれないか?
サ:戦争が終わったら奥さんが戻っていらっしゃるわね いいの 私帰ります
イ:君が好きな気持ちに家内や子どもが入りこむ余地はないよ 信じてくれないか?

母は見ている

サトコは私の戦争がこれから始まるのだと思った




どういう意味だろう?
別れるのか、妻子とやりあうのか?
具合が悪いのは子どもが出来たのでは?
ふみちゃんのアップからエンドロールであの有名な詩が流れる



「わたしが一番きれいだったとき」 茨木のり子

わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした

わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった

わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった

わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり
卑屈な町をのし歩いた

わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった

だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
              ね



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topic~北海道 胆振東部地震から1年 ほか

2019-09-08 10:11:12 | 日記
北海道 胆振東部地震から1年








地震発生の午前3時7分に黙祷が捧げられた






(日本中、毎日がどこかの慰霊式
 この異常な状態を「便利な暮らし」のための森林伐採や
 経済成長を過剰に目指すが故の自然破壊の結果だと
 結びつけて考えるのは私だけなんだろうか?


消費税10%まで1ヶ月 キャッシュレス決済でお得に




NTT データの新技術 レジなし会計
実験店舗にてQR コードをかざして入店
→商品を取り、店を出るだけで自動的に会計








店に備えられたセンサーカメラが、誰が何を手に取ったか認識




退店後スマホで買ったものや領収書を確認できる






最後の大型屋上遊園地が閉園@埼玉県川越市 丸広百貨店 わんぱくランド
1968年に開園 全国で唯一の大型屋上遊園地






こういう所で遊んでみたかったなあ
子どもの頃の記憶にはない 田舎だったからか?


楳図かずおさん誕生日@シャキーン!
ダンサーの中に米米の美奈子ちゃんがいるのがポイント






でも、いつも「ZIP!」を予録していて
時間ごとに区切れないから、この日も見逃してしまった・・・
楳図さん、お誕生日おめでとうございます!祝×∞


星野源が Instagram 開設
3日でフォロワー32万人

源:本日 Instagram を始めました星野源です

及川光博:楽しいですか? 僕やってないんですけど

源:始めたばっかりでまだ何ともなんですけど、楽しいです










『最高の人生の見つけ方』
吉永小百合(74) 人生初のファンサービスに感激

ムロツヨシさん
こういった場所を吉永さんと天海さんと歩けるなんて
貴重な時間を本当にありがとうございます







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