■アッキー&ヤナギー もっと知りたい沖縄 石垣島の旅@あさイチ
リポーター:篠山輝信さん、柳澤秀夫さん
ゲスト:光浦靖子さん、坂下千里子さん
専門家ゲスト:西川龍一(NHK解説委員)
ヤナギーが変わらず元気でいることが とっても嬉しい!
大吉:どうですか 新生あさイチ
ヤ:
緊張します
なんか家出して しばらくして帰ってきたら、家の中が変わっていた感じw
最後の日に皆さんとご一緒して もう1年以上なんですけれども
このスタジオで朝ドラを見るのは格別ですね
アッキー:
僕もまさかまたあさイチで柳沢さんと一緒に旅に行って取材ができるなんて
本当に夢にも思っていなかった
ものすごい嬉しかったんですけど ただこういう形で
またご一緒できるんだったら 卒業の時の僕の涙返してください
僕は5年前から毎年 沖縄を旅しているんですけれども
今年は沖縄の離島に行ってきました
●南の海に浮かぶ離島 石垣島
今、アジアを中心に多くの人が訪れ 昨年度の観光客数は 約140万人
過去最高を記録しました
ア:
石垣島は、沖縄本島から南西におよそ400 km のところにあります
台湾からだと およそ200 km ということで
アジアの国々から大変近いところにあるんですね
外国が近くにあるということを感じました
石垣島といえば 観光でも有名な川平湾
抜群の透明度を誇る海が人気です
山側ではフルーツの栽培も盛んで 大変自然豊かな島なんです
2日間かけて この山、川、海沿い 両方を旅しました
●公設市場 ユーグレナモール
目指したのは島の南側にある街の中心部
日本最南端と言われるアーケード商店街
ここは多くの観光客が訪れる 島の玄関口になっています
市場には 石垣牛、天然のもずくなど、島の特産品が並んでいました
市場では多くの外国人観光客を見かけました
Q:どこから来たんですか?
香港
Q:香港では石垣島は有名ですか?
有名だと思います 近いですもんね たったの一時間半で来られる
●大型クルーズ船
実は今、石垣島には 香港や台湾など
海外からの 大型クルーズ船が毎週のように来ているんです
そんな外国人観光客のお目当ての一つがとれたての海の幸
鮮魚店では新鮮な刺身を求めて 行列ができるほどなんです
●石垣漁港
ちょうど競りの最中で 沖縄ならではの 魚がたくさん並んでいました
この時期、島の人々が一番楽しみにしているのがカツオ
島の周辺で豊富にとれるそうです
●港に並ぶ海上保安庁の巡視船
ヤ:石垣海上保安部の巡視艇ですね これは「みずき」
島在住ドライバー:中国船の衝突の事件で あの時にぶつけられた
2010年9月 尖閣諸島沖
日本の領海に入った中国の漁船に 海上保安庁の巡視船が退去を命じたところ
中国船は逃走し 巡視船に衝突してきました
巡視船の前では 釣りを楽しむ人もいました
ヤ:レーダーを回し始めていますね
釣りの男性:ご苦労さんだよね 休みなしで大変だよね
島の漁師たちは どんなことを感じているのか 聞いてみました
(おじさんの他二人は外国人男性
ヤ:今日はこの近くまで漁に出てるんですか?
漁師:この船は たぶん西に行く 尖閣の手前ぐらい
●尖閣諸島 石垣島の北西およそ170 km
高級魚やマグロがとれる漁場で
かつては島の漁師たちが頻繁に訪れていたそうですが 今は違うようです
漁師:
尖閣諸島は国が管理しているから、少しでも近づくと臨検(船舶の検査)で大変だよ
日本の海上保安庁の船に調べられる
あんまり近づくと「何をするのか」ということで
7年前に日本が尖閣諸島を国有化して以来
警備上のトラブルを避けるために 漁船は近づけなくなったといいます
さらに尖閣諸島以外でも 困ったことがあると言います
漁師:
台湾の船とかも近くに来るから 巡視してもらわないと大変なことになる
近くまで寄ってくるから
こちらの漁師が見せてくれたのは、今年4月に撮影したという台湾船の写真です
石垣島の南にある日本の漁場で漁をしていたところ
台湾の漁船が近づいてきたと言います
漁師:
この時は通りかかっただけで あまりにも近くに入ってきたので 写真を撮った
実際近頃多くなってる
あまりこっちを邪魔しなければ いいかなと思っているんですけど
敵対みたいな形はあまり好きじゃないから
ヤ:
正直驚いたんですけど、石垣島って言うと尖閣諸島の話で
中国とのトラブルはよくありますよね
ところが行ってみたら、台湾の船とのトラブルがあって
色々と漁民の人たちが困っているのは意外でした
漁具が絡まったりとか、石垣の皆さんにしてみると
生業がなかなか思うようにいかない現実が起きている
NHK 解説委員・西川さん:
きっかけは7年前に日本政府がこの尖閣諸島を国有化したことなんですね
それに対して 中国だけではなくて、台湾も 激しく反発をしたんです
その 台湾の反発を和らげるために、日本政府が行ったとされるのは
石垣島の漁場の一部を 台湾も共同で使っていい という取り決めなんです
その前は 青いラインのところまで日本の漁場だったんですが
それが黄色い部分まで台湾と 共同で使っていいことになった
国有化の翌年に 取り決めがあった
それを境に台湾の漁船が 日本と同じ漁場に入ってくるようになって
いろいろ混乱も生じている という状況です
ヤ:
国有化するまでは 台湾の漁船も石垣島の周辺に来ることはあったが
そんなに数は多くなかった
非常にのどかなやり取りがあって、挨拶したり 困った時は物々交換をしたり
「あっちでたくさんとれるところがあるよ」ということができてたらしい
ところが国有化という国の判断を下したがゆえに
状況の変化が起きて、石垣の人たちの日常にも影響が出てきた
国の決定が島の生活に直接影響を及ぼしているのが見えてきた
近江:
あまり国境って意識する機会がないですよね
国境に近いところにあるんだなって
今回改めて感じました
それは海沿いだけではないんです
山側でも 同じことを感じました
●フルーツの産地
島の中心部は、温暖な気候と 肥沃な土地に恵まれたフルーツの一大産地
畑の真ん中にちょっとおしゃれなカフェを見つけたので 立ち寄ってみました
ア:果物がたくさんあります パイナップル、スターフルーツ、ドラゴンフルーツ・・・
店に並んでいたのは 全て石垣島で育ったフルーツ
店のイチオシメニューは、島のフルーツの盛り合わせ
全部で18種類あります
店長:
ピーチパイがお勧めです
沖縄で生まれた パイナップルの品種です
産地でしか味わえない貴重な味
ヤ:甘い 桃の甘み 濃厚で溶けていくような
●石垣島はパイナップル日本発祥の地
Q:沖縄の中でも石垣島が パイナップルの産地として生産量が多いんですか?
店長:
多いと思います
黒い網がかかっているところは全部 パイナップルが今実をつけている
実は石垣島は日本で一番最初にパイナップルを育てた場所だそうです
●「ミサイル基地配備に反対いたします」という看板
道路沿いに「ミサイル基地は絶対許さん」「みんなの豊かな命を守りたい」などの看板を目にしました
ヤ:向こうは推進ですね 自衛隊配備推進
奥へと進むと警備員が二人 ここは自衛隊の配備予定地の入り口でした
その前に車が止まっている パイプ椅子に座る2人
ヤ:今ここに集まっているのは地元の方ですか?
地元の方:そうです
●陸上自衛隊の配備予定地
林の奥にわずかに見えるブルーシート
その奥に陸上自衛隊の配備予定地があります
(知らない間にこうして着々と戦争の準備を進めてるんだな
日本政府は、2015年 陸上自衛隊配備を計画
中国との国境沿いの防衛を強化するため
4年前から石垣島への自衛隊配備を計画してきました
予定地では、配備に向けた 工事が今年3月から造成工事始まる
この男性は 近くに畑を持っているため
工事の様子が気になって、毎日足を運んでいるといいます
ヤ:
あちこちにミサイル基地反対とありますけれども
ミサイル部隊もここに配置するということですか?
男性:そうですね 移動式のやつ
ヤ:ミサイルっていうのは何のためですか?
男性:北朝鮮とか中国からの脅威があった場合それを迎え撃つ
ヤ:
迎撃するということですか?
こういうことがあると 僕は初めて知りましたし
知られてないのも大きいんですかね
自衛隊配備予定地の周辺には多くのパイナップル畑があります
その内の一つを訪ねてみました
収穫したてのパイ収穫したてのパイナップルがトラックにいっぱい載っている
パイナップル農家の岡崎さん(70)
ちょうど収穫中ということで少し体験させてもらいました
ア:葉っぱが固い 肌に当たると痛い
岡崎さん:鎌を下に押したら切れる
この土地で50年間パイナップルを育ててきた岡崎さん
自衛隊の配備について聞いてみました
配備予定地になっている山の麓には、集落や学校もあるため
岡崎さんは基地ができることに不安を感じているといいます
岡崎さん:
基地を作ったら、やっぱりミサイルがいつ飛んでくるかわからないという怖さがある
基地があれば狙われるのは間違いないじゃないですか
どうしても必要だと思ったら、私の考えでは、石垣島のど真ん中ではなくて
どっか別のところに作ってくれないかなと思うんですけど
(「軍備は必要だ」って言うけれども
こちらが持てば、向こうも持つという関係
こちらが持たなければいいだけ
呉などが狙われた『この世界の片隅に』があれほど大ヒットしたのに
推進派はそれとこれとは違うという考えなのだろうか?
自衛隊の基地の配備予定地は 島のど真ん中(わざとだな
ア:
石垣島行くととても楽しいんです パイナップルもものすごく美味しいですし
でもすぐその真横に 陸上自衛隊の 配備予定地があったり
旅をしてても気持ちの振り幅というのがすごくて 自分でも当惑してしまう
(でもよく考えてみたら、日本中に陸上自衛隊の基地は無数にある
こんなに小さい島なのに
大吉:
勉強不足もあって どうしても石垣島と言うと観光のイメージがあって
基地問題は沖縄本島のをよく耳にしますけれども
石垣島でどうこうというのは知らなかった
ヤ:
沖縄本島って言うと、アメリカ軍基地問題っていうのがありますけれども
そこからちょっと離れたところで、どういう現実があるかっていうのを
僕らあんまり目を向けていないなという感じがします
●どうして ここに基地ができるようになったのか?
解説員:
ここ数年、中国軍の艦艇ですとか、軍用機が沖縄周辺での活動を活発化している
自衛隊機の緊急発進も非常に増えているという状況です
そうした安全保障環境の変化に伴って
国が沖縄離島への 自衛隊の配備を 進めている
(なんで税金使って 誰も知らないところでこんなに基地を作ってるんだろう?
3年前に与那国島、今年の3月に宮古島と奄美大島に
自衛隊を新たに配備しました
石垣島は 去年の4月に、市長が配備の受け入れを表明した
5、600人の規模で複数のミサイルが配備される予定になっています
ア:
国の防衛の方針で、いろんな島に自衛隊を配備しているそうなんです
島の皆さんに話を伺うといろんな意見がありまして
例えば、自衛隊が来ることで 有事の時だけではなくて
何か島で災害が起きた時に守ってもらえるのではないかと
感じている方 もいらっしゃったり
一方で、基地ができることで有事の時に 攻撃の対象にされて
リスクが高まるのではないか という不安を感じる 声も聞こえたり
いろんな意見がありました
ヤ:
推進ていう幟がありました
港で話を聞いた時に、海で仕事をしている方は
いろいろトラブルもあることで、配備については
「自衛隊が島に来てくれれば 周囲の国に睨みを利かせてくれるのではないか」
ということで、配備については受け入れる気持ちの方が強いとおっしゃっていた
だから簡単に反対、賛成だと色分けできる状態ではない
両方の気持ちの人たちがたくさんいるのが実感だった
ア:地元で暮らしている人にとっては切実
ヤ:
直接的にではないですけれども、ここのところ韓国との問題で
北朝鮮がミサイルを 発射した時にどうするんだ なんて話がありますけれども
日本全体の話の一部なんですよね でもなかなか そういうところに目が向かない
驚くのは、昔から「那覇から来ました」と言うと
石垣の人から「沖縄から来たんですか」て言う
同じ沖縄なのに、それぐらい沖縄本島と離島との間に
我々は沖縄ってひとくくりにしてますけれども
違う現実があるんだな ということがわかりました
●自衛隊基地の配備予定地周辺は水源地
岡崎さんはもう一つ不安なことがあるとおっしゃっていました
案内してもらったのは自衛隊の配備予定地から 1.5 km ほどの場所にある小さな川です
配備予定地周辺は水源地
石垣島の水道水の およそ8割を賄っています
ヤ:この花は?
岡崎さん:お祈りしたのではないですか 私らは水の神様と言っている
島の暮らしにとって貴重な水
この辺りは古くから神聖な場所として大切にされてきました
正月などの節目には地域の住民が祈りを捧げています
岡崎さんは、近くに基地ができることで
この水に影響が出るのではないか と不安を感じています
岡崎さん:
すぐ隣ですよ基地予定地は
どうしても必要なら なんで みんなにとって大事な場所に作るかな
よくみんなに考えてほしいね
解説員:
防衛省は 一定の土地の面積があって、島のほぼ中央の高台に位置するために
災害時の救援活動の基盤になり得るなどの理由で選んだ と言っています
ヤ:
自衛隊でも 周辺に環境汚染することがないように配慮するのは当然だと思うんですが
ただ一方で 沖縄本島の話ですが アメリカ軍基地の中から
汚染物質が周辺に流れ出して、川を汚染して、水道水に問題が出た
今まさに沖縄で問題になっている
そういうことがあると、石垣の人達にとっても
そんなことになりはしないかなと不安が起きてくる気持ちがわかる
近江:住民の方に対してちゃんと説明会とかは開かれているんでしょうか?
解説員:
配備計画そのものについての 説明会というのは複数回開かれています
ただ、水源地の近くに基地を作ることで、水にどう影響するか
専門的な調査などは行われていない
(本土にいる私たちには、ほとんど話題にされないな
毎日毎日、どこかの殺人事件、交通事故、火事の話ばかり
その辺りが 地元の方にすれば 不安だと
それに十分応えていないのではないかという思いにもつながっているのではないか
大吉:いずれは専門的な調査が入るんですかね?
ヤ:
一応段取りは 踏みますということになってるんですが
ただ住民側から 不安になるようなことだけはしてほしくない
不安を解消しながら 進めなければいけない と思います
もし水に何かあったら、そこで作っている作物は売れなくなってしまいますよね
その影響を考えると 不安になるのも無理はない
そういうふうにきちっと 答えないと いけないなと思います
●農家の若者たちの取り組み 「ハルサーズ」
配備計画について、島のみんなで話して考えようと
呼びかけている 島の若者たちに出会いました
大浜公民館で島の人たちを集めたイベントが開かれて いました
♪僕らのまち/ハルサーズ
だけどこの島に 大嵐が来る 今までもそうだった きっと乗り越えられる
主催しているのは 3人組バンド「ハルサーズ」
「ハルサー」とは農家のこと
3人とも20代の農家
ライブを通して 自衛隊配備について 一緒に考えようと
島の人たちに呼びかけてきました
ハルサーズ:
今、自衛隊配備問題があるけれども
賛成の方も反対の方もいると思う
でも、多分共通しているのは、皆平和を願っている
平和にしたいというのは、どの立場も一緒かなと思っているんですけど
(拍手が起きる
翌日バンドのメンバーに会いに行きました
迎えてくれたのは、バンドのリーダー 龍太郎さん(29)
マンゴーを育てていて、農園は 配備予定地から 300m ほどの場所にあります
自宅にお邪魔すると 他のメンバー2人も 待っていました
ボーカルの宮野さんは石垣牛を育てる畜産農家
パーカッション担当の伊良皆さんは
ウコンやハーブを育てて ブレンドティーを作っています
3人がライブを始めたのは3年前
きっかけは自衛隊配備について島の人同士で
自由に話せない空気があったことだと言います
伊良部さん:
友だち同士の飲み会ですら こういった突っ込んだ話は シーンとなる
自分の島のことなのに、酒を飲んでいても話しづらい そういう世の中はキツいな
●住民投票の実現
2018年 自衛隊の配備について、今の予定地でいいのか
島の人たちが意見表明する住民投票の実現
実現に向けては、石垣市の有権者1/50の署名が必要でした
去年から島内各地で 呼びかけを行ってきた結果
1万4000票 4割近い署名が集まって
実際に配備賛成・反対 どちらの人も署名してくれた
メンバー:
「自分は賛成だけど、みんなで決めたほうがいい」と言って
署名を書いてくれたりしたのが一番嬉しかった
賛成の人も、反対の人も、島のことを考えている
だからみんな署名してくれた
ア:
若い世代の人がこういう風に 実際に行動とれるのは
すごく島にとっても大きな力じゃないかな
ヤ:財産だよ
龍太郎さん:マンゴー入ります
島の恵みをご馳走してくれました 甘くて濃厚
大吉:
島のことを喋ることができない空気っていうのはちょっと身につまされますね
あの署名はどうなったんですか?
ア:
署名を市議会に提出しました
市議会では有権者の1/50の署名が集まると
議会で住民投票を行うかどうか 審議しなければいけない
審議が行われて結果的には「否決」されました
解説者:
意見の採決の結果は賛成と反対が同数だったんです
最終的に議長が採決に加わる形で否決をした状況だった
賛否が同数だったということは、ある意味、
島の住民の方の心情を非常に表しているのではないかと思います
議員の中の方には 賛否はともかく
住民投票の時期を逸してしまったのではないか
というふうなことをおっしゃってる方もいます
大吉:もうちょっと早かったら、やれたかもしれない
ア:
ハルサーズの皆さんは、これからも住民投票実現の道を
探っていくとおっしゃってたんですけど
ハルサーズの皆さんがおっしゃったことで、一番印象に残ったのは
住民投票の結果の数字で 何か白黒はっきりさせたいという思いではない
自分たちの島の 大切なことなのに なかなか話ができない もどかしさがある
いろんな意見を聞いて、お互いに言って、尊重し合える
そういうプロセスの一つになればいい という思いで 呼び掛けていらっしゃる
ヤ:
こういう問題が出てくると 刺々しいやり取りになってしまう
それよりも どういうことなのか 話し合うことが大切ではないか
思いを自由にぶつけることが大切じゃないか
というのがハルサーズの 思いだった
島のことは島の人達で考えようということなんですけど
よく考えてみると、今、石垣で起きている問題っていうのは
日本全体の問題なんですよね
それを石垣に住んでる人達だけに押し付けるような形にしてていいのかな
本土に住んでる我々も、そういう問題にもっと踏み込んで
僕らの想いをぶつけたり、一緒に考えていくのが筋じゃないかな
と個人的には思いました
メール 沖縄県50代:
於茂登岳 水源のところ 魂の命の水の源です
沖縄に 本土の防衛を押し付けるのは もうやめてください
近隣諸国やアジアの人々に 敬意と友愛を持って 関係を築いて欲しい
石垣島はその中心的役割を 果たす可能性があると思います
京都府 50代:
石垣が中国や北朝鮮、台湾に占領されても良いのですか?
実際に尖閣が 中国に不法侵入されていることや
北朝鮮から ミサイルが飛んでくることの 危険をちゃんと言ってください
(その北朝鮮の話題を毎日毎日 ニュースで流して
恐怖心を煽っているのは 日本のトップのほうじゃないかな
アメリカ、もしくは北朝鮮とも結託している可能性は?
軍備をもっと増やす必要性があると国民に信じさせるために
●白保地区
最後は南側の海沿いの街 白保地区に行ってきました
北半球最大のアオサンゴの群生地として有名です
海も綺麗ですし 観光客に人気の市場があるということで行ってきました
訪れたのは6月23日 忘れてはいけない 特別な日です
毎週日曜日に市場が開かれています(とても賑わっている
市場の売りは、手作りの品々
琉球藍染の織物 月桃の葉で包んだおにぎり・・・
母親:いい日に来ましたね 今日はちょうど慰霊の日じゃないですか
ア:慰霊の日って何の日?
子ども:沖縄戦が終わった時
ア:今何歳?
子ども:9歳
ア:そういうのはどこで習うの?
子ども:授業で
●沖縄戦
74年前 太平洋戦争の際に、アメリカ軍が沖縄本島に上陸
日本軍との間で 激しい地上戦が起きました
当時 石垣島にアメリカ軍は上陸せず 地上戦はなかったものの
多くの犠牲者が出たといいます
石碑の森
●八重山戦争マラリア犠牲者追悼式
慰霊の日 島では戦没者を弔う 慰霊祭が行われていました
会場では 石垣島とその周辺の人島々の犠牲者 およそ3600人を弔い
祈りが捧げられていました
「戦争マラリア」
多くの人々の命を奪った原因は、石垣島で戦争マラリアと呼ばれている出来事です
死に至る感染症が沖縄戦をきっかけに 大流行したというのです
当時マラリアにかかったという人に話を聞くことができました
潮平さん(86):
戦争体制に入って 住民は軍隊の足手まといになるから
邪魔にならない山奥へ避難させられた
●1945年の6月 日本軍が住民に疎開を命令 疎開先は山間部
島にもアメリカ軍が上陸すると考え、強制的に住民を疎開させた
行き先として日本軍が指定したのは、市街地から遠く離れた山の中
古くからマラリアを媒介する 蚊のすみかとして恐れられた場所でした
当時、潮平さんが疎開していた場所へと案内してくれました
ア:ジャングルですね ちなみに今はマラリアは大丈夫なんですか?
潮平さん(86):マラリアはもうありません
(下はドロドロ どうやってなくなったんだろう?
潮平さんがこのジャングルに来たのは12歳の時
家族4人で家を離れ この川のそばで暮らすことになりました
当時橋がありました 橋を渡ってずっと北へ行くと避難地がある さらに奥
(ロープが張ってある
潮平さんは当時の体験を伝えるために
20年ほど前から 絵を描いてきたと言います
潮平さん:奥へ行くと、こういう避難小屋がある
潮平さんが住んでいた小屋の様子
草木で建てたもので、複数の家族が一緒に暮らしていました
食料もなく虫やカエルを探して食べる過酷な生活でした
20日程経つと、住民たちは次々とマラリアに感染していきました
疎開から2か月後 潮平さんもマラリアに感染 連日高熱でうなされたと言います
潮平さん:
私は40.8°まで熱が出ました
天井がぐるぐる まわった 死ぬってこうやって死ぬんだ と思った
島の人口の半分以上が マラリアにかかり 多くの命が奪われます
生き残った人たちは、毎日のように 家族や友人の遺体を
燃やさなければなりませんでした
しかし、どんなにマラリア患者が増えても
日本軍は住民たちが元の家に戻ることを 許さなかったといいます
潮平さん:
集落をウロウロしていると捕まって
「何でこんなところにウロウロしてるんだ」とスパイ扱いされる
軍隊は、住民を守るためにあるのではなく、いかにアメリカ、敵と戦うか
住民は逆に、保留になったらこっちの情報が敵に漏れるから それが一番怖い
ア:最終的に軍は自分たちを守ってくれなかったということなんですか?
潮平さん:そうです
ヤ:
かつて私は沖縄で5年間勤務していましたけれども
恥ずかしい話ですが詳しいことは知らなかった
今回行って色々と教えてもらって初めてわかった
それぐらいなかなか石垣に行ってもこういう話は耳にしない
(こうした記録って大切だな
有名な画家でなくても こうしてスケッチしておくと
後々 こうしたことがあると言う 具体的な イメージになる
戦後 疎開先から出て、集落に帰った後の様子
マラリアにかかった潮平さんの叔母と甥っ子を描いたもの
大変な高熱が出るので このような装置をこしらえて
常に水をかけ続けながら看病をしたということなんです
集落に帰った後も、疎開先でかかったマラリアに苦しんだという
被害者の方が大変 多くいらっしゃって
その被害は終戦後1年以上続いたということです
最終的には石垣島と、その周辺の島々で3600人の方が犠牲になった
ア:
実際に体験された方に話を聞くと
地上戦がなかったけれども、これだけ多くの残酷な悲惨なことが起きた
戦争の恐ろしさだからこそ、平和を求めるんだっていうすごい強い気持ちを
言葉から感じました
それを聞いた時、今を生きる私たちが こういう悲劇を二度と繰り返さないためには
何ができるんだろうということ
ヤ:
こういう現実を二度と繰り返さないためにはどうすればいいかっていうことを
我々は問われていると思う
沖縄の慰霊の日も 毎年ニュースになりますよね
でも糸満市 平和之礎からの中継で、黙祷の映像で、式典があって
全国のニュースで見ますけれども
実は沖縄っていうのは、それぞれの地域で6月23日慰霊の日があるんだっていうこと
どこか自分の意識の中から欠落していたなっていう感じがしました
メール 静岡県40代:
のんびりとした ロケの合間の隣国諸国との関係や過去の戦争の暗い影
普段の生活の中に こんなにも戦争などを感じてしまう現実があるのかと
何とも言えない気持ちになりました
こういう放送がなければ知る機会さえない 日本全体の問題
普段からもっとしっかりと 報道してもらいたいと思うのは私だけでしょうか
静岡県60代:
国境に近い島ならではの 自衛隊配備問題
島の青年たちの想いは、本土の私たちも 一緒に考えないといけませんね
そしてそこに住んでいる 島民の方の意識が一番大事にされるべきです
ヤ:
沖縄で起きているものっていうのは、我々「沖縄問題」と括ってしまう
私もそう思っていた時代があった でもそうくくってしまったら現実が見えない
日本の問題、自分の問題なんだ というのが背景にあるということは
丁寧に意識するべきなのかなと思います
今回も美しい海、美味しいパイナップルがありましたけれども
観光はそれでいいと思うんですが、その観光の島から
意識の問題もあると思うんですけど、一歩ちょっと踏み出してみる
半歩でいいから 観光で回るところから
自分の足を踏み出すことによって
こういう現実があるということが見えてくる
我々一人一人の心がけで、地域の問題を自分の問題として考える
きっかけがあるんじゃないかな
意外とこういう旅の中からそういうことを意識できるもんだな と感じました
ア:
いろんな現実の振り幅 というのが大きかったんですけれども
それでも石垣島を旅していてめちゃめちゃ楽しかったです
景色もいいですし、食べ物も美味しいし
何より、出会う島の方々が 自分の島を愛しているという思いが
すごい伝わってきました
観光じゃない部分も、遠くの南の島の他人事ということじゃなくて
一人一人の僕たちのことでもありますので
素直に知ることができて良かったな と思いました
大吉:僕らが何ができるかと言ったら浮かばないんですけど
ヤ:とにかく足を向けてみる ことから始まるような気がします
<メール&FAXコーナー>
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ゲスト:光浦靖子さん、坂下千里子さん
専門家ゲスト:西川龍一(NHK解説委員)
ヤナギーが変わらず元気でいることが とっても嬉しい!
大吉:どうですか 新生あさイチ
ヤ:
緊張します
なんか家出して しばらくして帰ってきたら、家の中が変わっていた感じw
最後の日に皆さんとご一緒して もう1年以上なんですけれども
このスタジオで朝ドラを見るのは格別ですね
アッキー:
僕もまさかまたあさイチで柳沢さんと一緒に旅に行って取材ができるなんて
本当に夢にも思っていなかった
ものすごい嬉しかったんですけど ただこういう形で
またご一緒できるんだったら 卒業の時の僕の涙返してください
僕は5年前から毎年 沖縄を旅しているんですけれども
今年は沖縄の離島に行ってきました
●南の海に浮かぶ離島 石垣島
今、アジアを中心に多くの人が訪れ 昨年度の観光客数は 約140万人
過去最高を記録しました
ア:
石垣島は、沖縄本島から南西におよそ400 km のところにあります
台湾からだと およそ200 km ということで
アジアの国々から大変近いところにあるんですね
外国が近くにあるということを感じました
石垣島といえば 観光でも有名な川平湾
抜群の透明度を誇る海が人気です
山側ではフルーツの栽培も盛んで 大変自然豊かな島なんです
2日間かけて この山、川、海沿い 両方を旅しました
●公設市場 ユーグレナモール
目指したのは島の南側にある街の中心部
日本最南端と言われるアーケード商店街
ここは多くの観光客が訪れる 島の玄関口になっています
市場には 石垣牛、天然のもずくなど、島の特産品が並んでいました
市場では多くの外国人観光客を見かけました
Q:どこから来たんですか?
香港
Q:香港では石垣島は有名ですか?
有名だと思います 近いですもんね たったの一時間半で来られる
●大型クルーズ船
実は今、石垣島には 香港や台湾など
海外からの 大型クルーズ船が毎週のように来ているんです
そんな外国人観光客のお目当ての一つがとれたての海の幸
鮮魚店では新鮮な刺身を求めて 行列ができるほどなんです
●石垣漁港
ちょうど競りの最中で 沖縄ならではの 魚がたくさん並んでいました
この時期、島の人々が一番楽しみにしているのがカツオ
島の周辺で豊富にとれるそうです
●港に並ぶ海上保安庁の巡視船
ヤ:石垣海上保安部の巡視艇ですね これは「みずき」
島在住ドライバー:中国船の衝突の事件で あの時にぶつけられた
2010年9月 尖閣諸島沖
日本の領海に入った中国の漁船に 海上保安庁の巡視船が退去を命じたところ
中国船は逃走し 巡視船に衝突してきました
巡視船の前では 釣りを楽しむ人もいました
ヤ:レーダーを回し始めていますね
釣りの男性:ご苦労さんだよね 休みなしで大変だよね
島の漁師たちは どんなことを感じているのか 聞いてみました
(おじさんの他二人は外国人男性
ヤ:今日はこの近くまで漁に出てるんですか?
漁師:この船は たぶん西に行く 尖閣の手前ぐらい
●尖閣諸島 石垣島の北西およそ170 km
高級魚やマグロがとれる漁場で
かつては島の漁師たちが頻繁に訪れていたそうですが 今は違うようです
漁師:
尖閣諸島は国が管理しているから、少しでも近づくと臨検(船舶の検査)で大変だよ
日本の海上保安庁の船に調べられる
あんまり近づくと「何をするのか」ということで
7年前に日本が尖閣諸島を国有化して以来
警備上のトラブルを避けるために 漁船は近づけなくなったといいます
さらに尖閣諸島以外でも 困ったことがあると言います
漁師:
台湾の船とかも近くに来るから 巡視してもらわないと大変なことになる
近くまで寄ってくるから
こちらの漁師が見せてくれたのは、今年4月に撮影したという台湾船の写真です
石垣島の南にある日本の漁場で漁をしていたところ
台湾の漁船が近づいてきたと言います
漁師:
この時は通りかかっただけで あまりにも近くに入ってきたので 写真を撮った
実際近頃多くなってる
あまりこっちを邪魔しなければ いいかなと思っているんですけど
敵対みたいな形はあまり好きじゃないから
ヤ:
正直驚いたんですけど、石垣島って言うと尖閣諸島の話で
中国とのトラブルはよくありますよね
ところが行ってみたら、台湾の船とのトラブルがあって
色々と漁民の人たちが困っているのは意外でした
漁具が絡まったりとか、石垣の皆さんにしてみると
生業がなかなか思うようにいかない現実が起きている
NHK 解説委員・西川さん:
きっかけは7年前に日本政府がこの尖閣諸島を国有化したことなんですね
それに対して 中国だけではなくて、台湾も 激しく反発をしたんです
その 台湾の反発を和らげるために、日本政府が行ったとされるのは
石垣島の漁場の一部を 台湾も共同で使っていい という取り決めなんです
その前は 青いラインのところまで日本の漁場だったんですが
それが黄色い部分まで台湾と 共同で使っていいことになった
国有化の翌年に 取り決めがあった
それを境に台湾の漁船が 日本と同じ漁場に入ってくるようになって
いろいろ混乱も生じている という状況です
ヤ:
国有化するまでは 台湾の漁船も石垣島の周辺に来ることはあったが
そんなに数は多くなかった
非常にのどかなやり取りがあって、挨拶したり 困った時は物々交換をしたり
「あっちでたくさんとれるところがあるよ」ということができてたらしい
ところが国有化という国の判断を下したがゆえに
状況の変化が起きて、石垣の人たちの日常にも影響が出てきた
国の決定が島の生活に直接影響を及ぼしているのが見えてきた
近江:
あまり国境って意識する機会がないですよね
国境に近いところにあるんだなって
今回改めて感じました
それは海沿いだけではないんです
山側でも 同じことを感じました
●フルーツの産地
島の中心部は、温暖な気候と 肥沃な土地に恵まれたフルーツの一大産地
畑の真ん中にちょっとおしゃれなカフェを見つけたので 立ち寄ってみました
ア:果物がたくさんあります パイナップル、スターフルーツ、ドラゴンフルーツ・・・
店に並んでいたのは 全て石垣島で育ったフルーツ
店のイチオシメニューは、島のフルーツの盛り合わせ
全部で18種類あります
店長:
ピーチパイがお勧めです
沖縄で生まれた パイナップルの品種です
産地でしか味わえない貴重な味
ヤ:甘い 桃の甘み 濃厚で溶けていくような
●石垣島はパイナップル日本発祥の地
Q:沖縄の中でも石垣島が パイナップルの産地として生産量が多いんですか?
店長:
多いと思います
黒い網がかかっているところは全部 パイナップルが今実をつけている
実は石垣島は日本で一番最初にパイナップルを育てた場所だそうです
●「ミサイル基地配備に反対いたします」という看板
道路沿いに「ミサイル基地は絶対許さん」「みんなの豊かな命を守りたい」などの看板を目にしました
ヤ:向こうは推進ですね 自衛隊配備推進
奥へと進むと警備員が二人 ここは自衛隊の配備予定地の入り口でした
その前に車が止まっている パイプ椅子に座る2人
ヤ:今ここに集まっているのは地元の方ですか?
地元の方:そうです
●陸上自衛隊の配備予定地
林の奥にわずかに見えるブルーシート
その奥に陸上自衛隊の配備予定地があります
(知らない間にこうして着々と戦争の準備を進めてるんだな
日本政府は、2015年 陸上自衛隊配備を計画
中国との国境沿いの防衛を強化するため
4年前から石垣島への自衛隊配備を計画してきました
予定地では、配備に向けた 工事が今年3月から造成工事始まる
この男性は 近くに畑を持っているため
工事の様子が気になって、毎日足を運んでいるといいます
ヤ:
あちこちにミサイル基地反対とありますけれども
ミサイル部隊もここに配置するということですか?
男性:そうですね 移動式のやつ
ヤ:ミサイルっていうのは何のためですか?
男性:北朝鮮とか中国からの脅威があった場合それを迎え撃つ
ヤ:
迎撃するということですか?
こういうことがあると 僕は初めて知りましたし
知られてないのも大きいんですかね
自衛隊配備予定地の周辺には多くのパイナップル畑があります
その内の一つを訪ねてみました
収穫したてのパイ収穫したてのパイナップルがトラックにいっぱい載っている
パイナップル農家の岡崎さん(70)
ちょうど収穫中ということで少し体験させてもらいました
ア:葉っぱが固い 肌に当たると痛い
岡崎さん:鎌を下に押したら切れる
この土地で50年間パイナップルを育ててきた岡崎さん
自衛隊の配備について聞いてみました
配備予定地になっている山の麓には、集落や学校もあるため
岡崎さんは基地ができることに不安を感じているといいます
岡崎さん:
基地を作ったら、やっぱりミサイルがいつ飛んでくるかわからないという怖さがある
基地があれば狙われるのは間違いないじゃないですか
どうしても必要だと思ったら、私の考えでは、石垣島のど真ん中ではなくて
どっか別のところに作ってくれないかなと思うんですけど
(「軍備は必要だ」って言うけれども
こちらが持てば、向こうも持つという関係
こちらが持たなければいいだけ
呉などが狙われた『この世界の片隅に』があれほど大ヒットしたのに
推進派はそれとこれとは違うという考えなのだろうか?
自衛隊の基地の配備予定地は 島のど真ん中(わざとだな
ア:
石垣島行くととても楽しいんです パイナップルもものすごく美味しいですし
でもすぐその真横に 陸上自衛隊の 配備予定地があったり
旅をしてても気持ちの振り幅というのがすごくて 自分でも当惑してしまう
(でもよく考えてみたら、日本中に陸上自衛隊の基地は無数にある
こんなに小さい島なのに
大吉:
勉強不足もあって どうしても石垣島と言うと観光のイメージがあって
基地問題は沖縄本島のをよく耳にしますけれども
石垣島でどうこうというのは知らなかった
ヤ:
沖縄本島って言うと、アメリカ軍基地問題っていうのがありますけれども
そこからちょっと離れたところで、どういう現実があるかっていうのを
僕らあんまり目を向けていないなという感じがします
●どうして ここに基地ができるようになったのか?
解説員:
ここ数年、中国軍の艦艇ですとか、軍用機が沖縄周辺での活動を活発化している
自衛隊機の緊急発進も非常に増えているという状況です
そうした安全保障環境の変化に伴って
国が沖縄離島への 自衛隊の配備を 進めている
(なんで税金使って 誰も知らないところでこんなに基地を作ってるんだろう?
3年前に与那国島、今年の3月に宮古島と奄美大島に
自衛隊を新たに配備しました
石垣島は 去年の4月に、市長が配備の受け入れを表明した
5、600人の規模で複数のミサイルが配備される予定になっています
ア:
国の防衛の方針で、いろんな島に自衛隊を配備しているそうなんです
島の皆さんに話を伺うといろんな意見がありまして
例えば、自衛隊が来ることで 有事の時だけではなくて
何か島で災害が起きた時に守ってもらえるのではないかと
感じている方 もいらっしゃったり
一方で、基地ができることで有事の時に 攻撃の対象にされて
リスクが高まるのではないか という不安を感じる 声も聞こえたり
いろんな意見がありました
ヤ:
推進ていう幟がありました
港で話を聞いた時に、海で仕事をしている方は
いろいろトラブルもあることで、配備については
「自衛隊が島に来てくれれば 周囲の国に睨みを利かせてくれるのではないか」
ということで、配備については受け入れる気持ちの方が強いとおっしゃっていた
だから簡単に反対、賛成だと色分けできる状態ではない
両方の気持ちの人たちがたくさんいるのが実感だった
ア:地元で暮らしている人にとっては切実
ヤ:
直接的にではないですけれども、ここのところ韓国との問題で
北朝鮮がミサイルを 発射した時にどうするんだ なんて話がありますけれども
日本全体の話の一部なんですよね でもなかなか そういうところに目が向かない
驚くのは、昔から「那覇から来ました」と言うと
石垣の人から「沖縄から来たんですか」て言う
同じ沖縄なのに、それぐらい沖縄本島と離島との間に
我々は沖縄ってひとくくりにしてますけれども
違う現実があるんだな ということがわかりました
●自衛隊基地の配備予定地周辺は水源地
岡崎さんはもう一つ不安なことがあるとおっしゃっていました
案内してもらったのは自衛隊の配備予定地から 1.5 km ほどの場所にある小さな川です
配備予定地周辺は水源地
石垣島の水道水の およそ8割を賄っています
ヤ:この花は?
岡崎さん:お祈りしたのではないですか 私らは水の神様と言っている
島の暮らしにとって貴重な水
この辺りは古くから神聖な場所として大切にされてきました
正月などの節目には地域の住民が祈りを捧げています
岡崎さんは、近くに基地ができることで
この水に影響が出るのではないか と不安を感じています
岡崎さん:
すぐ隣ですよ基地予定地は
どうしても必要なら なんで みんなにとって大事な場所に作るかな
よくみんなに考えてほしいね
解説員:
防衛省は 一定の土地の面積があって、島のほぼ中央の高台に位置するために
災害時の救援活動の基盤になり得るなどの理由で選んだ と言っています
ヤ:
自衛隊でも 周辺に環境汚染することがないように配慮するのは当然だと思うんですが
ただ一方で 沖縄本島の話ですが アメリカ軍基地の中から
汚染物質が周辺に流れ出して、川を汚染して、水道水に問題が出た
今まさに沖縄で問題になっている
そういうことがあると、石垣の人達にとっても
そんなことになりはしないかなと不安が起きてくる気持ちがわかる
近江:住民の方に対してちゃんと説明会とかは開かれているんでしょうか?
解説員:
配備計画そのものについての 説明会というのは複数回開かれています
ただ、水源地の近くに基地を作ることで、水にどう影響するか
専門的な調査などは行われていない
(本土にいる私たちには、ほとんど話題にされないな
毎日毎日、どこかの殺人事件、交通事故、火事の話ばかり
その辺りが 地元の方にすれば 不安だと
それに十分応えていないのではないかという思いにもつながっているのではないか
大吉:いずれは専門的な調査が入るんですかね?
ヤ:
一応段取りは 踏みますということになってるんですが
ただ住民側から 不安になるようなことだけはしてほしくない
不安を解消しながら 進めなければいけない と思います
もし水に何かあったら、そこで作っている作物は売れなくなってしまいますよね
その影響を考えると 不安になるのも無理はない
そういうふうにきちっと 答えないと いけないなと思います
●農家の若者たちの取り組み 「ハルサーズ」
配備計画について、島のみんなで話して考えようと
呼びかけている 島の若者たちに出会いました
大浜公民館で島の人たちを集めたイベントが開かれて いました
♪僕らのまち/ハルサーズ
だけどこの島に 大嵐が来る 今までもそうだった きっと乗り越えられる
主催しているのは 3人組バンド「ハルサーズ」
「ハルサー」とは農家のこと
3人とも20代の農家
ライブを通して 自衛隊配備について 一緒に考えようと
島の人たちに呼びかけてきました
ハルサーズ:
今、自衛隊配備問題があるけれども
賛成の方も反対の方もいると思う
でも、多分共通しているのは、皆平和を願っている
平和にしたいというのは、どの立場も一緒かなと思っているんですけど
(拍手が起きる
翌日バンドのメンバーに会いに行きました
迎えてくれたのは、バンドのリーダー 龍太郎さん(29)
マンゴーを育てていて、農園は 配備予定地から 300m ほどの場所にあります
自宅にお邪魔すると 他のメンバー2人も 待っていました
ボーカルの宮野さんは石垣牛を育てる畜産農家
パーカッション担当の伊良皆さんは
ウコンやハーブを育てて ブレンドティーを作っています
3人がライブを始めたのは3年前
きっかけは自衛隊配備について島の人同士で
自由に話せない空気があったことだと言います
伊良部さん:
友だち同士の飲み会ですら こういった突っ込んだ話は シーンとなる
自分の島のことなのに、酒を飲んでいても話しづらい そういう世の中はキツいな
●住民投票の実現
2018年 自衛隊の配備について、今の予定地でいいのか
島の人たちが意見表明する住民投票の実現
実現に向けては、石垣市の有権者1/50の署名が必要でした
去年から島内各地で 呼びかけを行ってきた結果
1万4000票 4割近い署名が集まって
実際に配備賛成・反対 どちらの人も署名してくれた
メンバー:
「自分は賛成だけど、みんなで決めたほうがいい」と言って
署名を書いてくれたりしたのが一番嬉しかった
賛成の人も、反対の人も、島のことを考えている
だからみんな署名してくれた
ア:
若い世代の人がこういう風に 実際に行動とれるのは
すごく島にとっても大きな力じゃないかな
ヤ:財産だよ
龍太郎さん:マンゴー入ります
島の恵みをご馳走してくれました 甘くて濃厚
大吉:
島のことを喋ることができない空気っていうのはちょっと身につまされますね
あの署名はどうなったんですか?
ア:
署名を市議会に提出しました
市議会では有権者の1/50の署名が集まると
議会で住民投票を行うかどうか 審議しなければいけない
審議が行われて結果的には「否決」されました
解説者:
意見の採決の結果は賛成と反対が同数だったんです
最終的に議長が採決に加わる形で否決をした状況だった
賛否が同数だったということは、ある意味、
島の住民の方の心情を非常に表しているのではないかと思います
議員の中の方には 賛否はともかく
住民投票の時期を逸してしまったのではないか
というふうなことをおっしゃってる方もいます
大吉:もうちょっと早かったら、やれたかもしれない
ア:
ハルサーズの皆さんは、これからも住民投票実現の道を
探っていくとおっしゃってたんですけど
ハルサーズの皆さんがおっしゃったことで、一番印象に残ったのは
住民投票の結果の数字で 何か白黒はっきりさせたいという思いではない
自分たちの島の 大切なことなのに なかなか話ができない もどかしさがある
いろんな意見を聞いて、お互いに言って、尊重し合える
そういうプロセスの一つになればいい という思いで 呼び掛けていらっしゃる
ヤ:
こういう問題が出てくると 刺々しいやり取りになってしまう
それよりも どういうことなのか 話し合うことが大切ではないか
思いを自由にぶつけることが大切じゃないか
というのがハルサーズの 思いだった
島のことは島の人達で考えようということなんですけど
よく考えてみると、今、石垣で起きている問題っていうのは
日本全体の問題なんですよね
それを石垣に住んでる人達だけに押し付けるような形にしてていいのかな
本土に住んでる我々も、そういう問題にもっと踏み込んで
僕らの想いをぶつけたり、一緒に考えていくのが筋じゃないかな
と個人的には思いました
メール 沖縄県50代:
於茂登岳 水源のところ 魂の命の水の源です
沖縄に 本土の防衛を押し付けるのは もうやめてください
近隣諸国やアジアの人々に 敬意と友愛を持って 関係を築いて欲しい
石垣島はその中心的役割を 果たす可能性があると思います
京都府 50代:
石垣が中国や北朝鮮、台湾に占領されても良いのですか?
実際に尖閣が 中国に不法侵入されていることや
北朝鮮から ミサイルが飛んでくることの 危険をちゃんと言ってください
(その北朝鮮の話題を毎日毎日 ニュースで流して
恐怖心を煽っているのは 日本のトップのほうじゃないかな
アメリカ、もしくは北朝鮮とも結託している可能性は?
軍備をもっと増やす必要性があると国民に信じさせるために
●白保地区
最後は南側の海沿いの街 白保地区に行ってきました
北半球最大のアオサンゴの群生地として有名です
海も綺麗ですし 観光客に人気の市場があるということで行ってきました
訪れたのは6月23日 忘れてはいけない 特別な日です
毎週日曜日に市場が開かれています(とても賑わっている
市場の売りは、手作りの品々
琉球藍染の織物 月桃の葉で包んだおにぎり・・・
母親:いい日に来ましたね 今日はちょうど慰霊の日じゃないですか
ア:慰霊の日って何の日?
子ども:沖縄戦が終わった時
ア:今何歳?
子ども:9歳
ア:そういうのはどこで習うの?
子ども:授業で
●沖縄戦
74年前 太平洋戦争の際に、アメリカ軍が沖縄本島に上陸
日本軍との間で 激しい地上戦が起きました
当時 石垣島にアメリカ軍は上陸せず 地上戦はなかったものの
多くの犠牲者が出たといいます
石碑の森
●八重山戦争マラリア犠牲者追悼式
慰霊の日 島では戦没者を弔う 慰霊祭が行われていました
会場では 石垣島とその周辺の人島々の犠牲者 およそ3600人を弔い
祈りが捧げられていました
「戦争マラリア」
多くの人々の命を奪った原因は、石垣島で戦争マラリアと呼ばれている出来事です
死に至る感染症が沖縄戦をきっかけに 大流行したというのです
当時マラリアにかかったという人に話を聞くことができました
潮平さん(86):
戦争体制に入って 住民は軍隊の足手まといになるから
邪魔にならない山奥へ避難させられた
●1945年の6月 日本軍が住民に疎開を命令 疎開先は山間部
島にもアメリカ軍が上陸すると考え、強制的に住民を疎開させた
行き先として日本軍が指定したのは、市街地から遠く離れた山の中
古くからマラリアを媒介する 蚊のすみかとして恐れられた場所でした
当時、潮平さんが疎開していた場所へと案内してくれました
ア:ジャングルですね ちなみに今はマラリアは大丈夫なんですか?
潮平さん(86):マラリアはもうありません
(下はドロドロ どうやってなくなったんだろう?
潮平さんがこのジャングルに来たのは12歳の時
家族4人で家を離れ この川のそばで暮らすことになりました
当時橋がありました 橋を渡ってずっと北へ行くと避難地がある さらに奥
(ロープが張ってある
潮平さんは当時の体験を伝えるために
20年ほど前から 絵を描いてきたと言います
潮平さん:奥へ行くと、こういう避難小屋がある
潮平さんが住んでいた小屋の様子
草木で建てたもので、複数の家族が一緒に暮らしていました
食料もなく虫やカエルを探して食べる過酷な生活でした
20日程経つと、住民たちは次々とマラリアに感染していきました
疎開から2か月後 潮平さんもマラリアに感染 連日高熱でうなされたと言います
潮平さん:
私は40.8°まで熱が出ました
天井がぐるぐる まわった 死ぬってこうやって死ぬんだ と思った
島の人口の半分以上が マラリアにかかり 多くの命が奪われます
生き残った人たちは、毎日のように 家族や友人の遺体を
燃やさなければなりませんでした
しかし、どんなにマラリア患者が増えても
日本軍は住民たちが元の家に戻ることを 許さなかったといいます
潮平さん:
集落をウロウロしていると捕まって
「何でこんなところにウロウロしてるんだ」とスパイ扱いされる
軍隊は、住民を守るためにあるのではなく、いかにアメリカ、敵と戦うか
住民は逆に、保留になったらこっちの情報が敵に漏れるから それが一番怖い
ア:最終的に軍は自分たちを守ってくれなかったということなんですか?
潮平さん:そうです
ヤ:
かつて私は沖縄で5年間勤務していましたけれども
恥ずかしい話ですが詳しいことは知らなかった
今回行って色々と教えてもらって初めてわかった
それぐらいなかなか石垣に行ってもこういう話は耳にしない
(こうした記録って大切だな
有名な画家でなくても こうしてスケッチしておくと
後々 こうしたことがあると言う 具体的な イメージになる
戦後 疎開先から出て、集落に帰った後の様子
マラリアにかかった潮平さんの叔母と甥っ子を描いたもの
大変な高熱が出るので このような装置をこしらえて
常に水をかけ続けながら看病をしたということなんです
集落に帰った後も、疎開先でかかったマラリアに苦しんだという
被害者の方が大変 多くいらっしゃって
その被害は終戦後1年以上続いたということです
最終的には石垣島と、その周辺の島々で3600人の方が犠牲になった
ア:
実際に体験された方に話を聞くと
地上戦がなかったけれども、これだけ多くの残酷な悲惨なことが起きた
戦争の恐ろしさだからこそ、平和を求めるんだっていうすごい強い気持ちを
言葉から感じました
それを聞いた時、今を生きる私たちが こういう悲劇を二度と繰り返さないためには
何ができるんだろうということ
ヤ:
こういう現実を二度と繰り返さないためにはどうすればいいかっていうことを
我々は問われていると思う
沖縄の慰霊の日も 毎年ニュースになりますよね
でも糸満市 平和之礎からの中継で、黙祷の映像で、式典があって
全国のニュースで見ますけれども
実は沖縄っていうのは、それぞれの地域で6月23日慰霊の日があるんだっていうこと
どこか自分の意識の中から欠落していたなっていう感じがしました
メール 静岡県40代:
のんびりとした ロケの合間の隣国諸国との関係や過去の戦争の暗い影
普段の生活の中に こんなにも戦争などを感じてしまう現実があるのかと
何とも言えない気持ちになりました
こういう放送がなければ知る機会さえない 日本全体の問題
普段からもっとしっかりと 報道してもらいたいと思うのは私だけでしょうか
静岡県60代:
国境に近い島ならではの 自衛隊配備問題
島の青年たちの想いは、本土の私たちも 一緒に考えないといけませんね
そしてそこに住んでいる 島民の方の意識が一番大事にされるべきです
ヤ:
沖縄で起きているものっていうのは、我々「沖縄問題」と括ってしまう
私もそう思っていた時代があった でもそうくくってしまったら現実が見えない
日本の問題、自分の問題なんだ というのが背景にあるということは
丁寧に意識するべきなのかなと思います
今回も美しい海、美味しいパイナップルがありましたけれども
観光はそれでいいと思うんですが、その観光の島から
意識の問題もあると思うんですけど、一歩ちょっと踏み出してみる
半歩でいいから 観光で回るところから
自分の足を踏み出すことによって
こういう現実があるということが見えてくる
我々一人一人の心がけで、地域の問題を自分の問題として考える
きっかけがあるんじゃないかな
意外とこういう旅の中からそういうことを意識できるもんだな と感じました
ア:
いろんな現実の振り幅 というのが大きかったんですけれども
それでも石垣島を旅していてめちゃめちゃ楽しかったです
景色もいいですし、食べ物も美味しいし
何より、出会う島の方々が 自分の島を愛しているという思いが
すごい伝わってきました
観光じゃない部分も、遠くの南の島の他人事ということじゃなくて
一人一人の僕たちのことでもありますので
素直に知ることができて良かったな と思いました
大吉:僕らが何ができるかと言ったら浮かばないんですけど
ヤ:とにかく足を向けてみる ことから始まるような気がします
<メール&FAXコーナー>
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