ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

有料老人ホーム経営の難しさ

2009年01月05日 | ケアや介護
 先日、ある有料老人ホームの理事長をお話しする機会があり、有料老人ホーム経営の難しさが分かった。

 有料老人ホームは、介護が必要になってから入居する場合と、元気な時から入居する場合がある。この有料老人ホームは名門で、元気な時から入居し、介護が必要になっても最期まで看てもらえる施設である。一般には、こうした施設では、利用権方式と呼ばれる、入居時の一時金と毎月の賃料とをミックスして入居者が支払っている場合が多く、死亡時点で契約が解消されることが一般的である。この有料老人ホームはそうしたシステムをとっているが、一時金がなかったり、少ないホームもあり、一方、買取のホームもある。

 この有料老人ホームは新築してから、既に20年以上も経ち、建物自体が古くなっているが、入居時の一時金や毎月の賃料を下げることが難しいという問題をもっている。なぜなら、下げれば、今までから入居している人からクレームがくる。一般のマンションの場合は、買取であろうが賃貸であろうが、市場が決定するが、有料老人ホームには、さらに別の要素が入ってくることになる。

 そのため、常にリニューアルしたり、サービス内容を充実することで、付加価値をつけて、同じ価格を堅持することになっているという。しかしながら、こうした対応にも今後は限界がでてくるであろうことを心配している。

 同時に、以上のようなことを予測して、必ずしも価格設定してこなかったであろうし、また、最終的には、後20年程度は持つであろうが、将来は立て替えの話しも起こってくる。こうしたことも予測して作られてはいない。価格設定に減価償却分を含めているかの問題と同時に、有料老人ホームの場合はどのように立て替えをするのであろうか。

 以上、有料老人ホームの将来について、事業者と行政が一緒になり考えなければならないことが多いように思う。