ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

大学間や学部間での熾烈な競争

2008年07月11日 | 社会福祉士
 最近の、駅舎の広告も電車の吊広告も、大学や短期大学のものが目立つ。多くは、オープンキャンパスの案内である。我が大阪市立大学は、8月7日と8日の両日であるが、数年前に、1日から2日に増えた。また、公立大学の「学生を大学が選ぶ」といった意識が依然と残っているのであろう、吊広告なんて考えている人はいない。

しかし、こうした各大学の広告の裏には、大学間での熾烈な競争がある。大学等の入学定員よりも入学したい学生の数が少なくなる時代を迎えているからである。これは、従来、国立や公立と言われてきた大学も例外ではない。既に、国立も独立行政法人となり、多くの公立も、公立大学法人となっている。そのため、すべての大学が一線に並んで、厳しい競争が始まっている。そのため、国立や公立では、自らの努力で広告を出すことは全く問題がない。

最近、驚いたことがある。私の帰る近鉄線の鶴橋の駅に、「国立大学法人奈良女子大学」の大きな広告がでており、時代の変化を感じた。また、朝日新聞で、5月26日に(社)日本社会福祉士養成校協会が「社会福祉士が変わる」で、一面広告を出したとき、30校に1校30万円という多額の協賛広告をだして頂いたが、29校の私学に交じって、唯一「国立大学法人島根大学法文学部社会文化学科福祉社会コース」が協賛いただいた時も、感謝と同時に、新しい時代を予感した。我が大阪市立大学も、自主独立に向けて、うかうかしておれないと思っている。

 こうした大学間の競争に加えて、学部や学科間での競争も進んでいる。社会福祉が他の学部や学科に比べて、高校生から高い人気を得られるかの競争である。これがまた、大変である。そのためには、大学を卒業した時に、就職がよいことや安定した給与が得られることが条件となる。このために、従来の職場だけでなく新しい職場の拡大を図っていくこと、他方、給与等での社会的地位を高めていくことを目的にして現在活動中である。大学でのジェネラリストとしての社会福祉士に追加しての、様々な領域でのスペシャリストの養成を提案しているのも、こうしたことに対応している側面もある。

 そのため、(社)日本社会福祉士養成校協会の会長としての私の責任は大変大きいと思っている。何か、居ても立ってもいられない気持ちである。

 ただ、この社会福祉は、医学系の医学や看護学と同じように、大学の連合組織をもっているが、多くの他の学問領域は、すべての大学を網羅する連合組織をもっていない。社会福祉の場合には、我が(社)日本社会福祉士養成校協会だけでなく、(社)日本社会福祉教育学校連盟もあり、両者が力を合わせて、大学や一般養成施設が生き残っていくために、可能な限りの仕事ができる場をもっている。先輩の先生方が、こうした組織を作っておいてくれたことに感謝し、両組織はその労に報うべき時期にある。