昆虫編-1
私は農学部出身なんですが、実は昆虫の研究は農学の範疇です。実際には「害虫防除」のほうから研究している場合が多いですが(このテーマだと実用性が高い)、やっている人には虫好きが多いですね。虫への愛ゆえに防除できるのです。
Q:「蚊はどれくらいの量の血が吸えるんですか?」
A:「自分の体重とほぼ同じだけ吸えるらしいです」
どこを探せばいいんだ、こんな情報………と思いましたが、「キンチョー」のHPにありました。さすがは大正時代から日本の害虫を殺しまくっている会社です。やはり害虫防除と虫への愛情は表裏一体ですね。蚊の体重は2~3mgだそうなので、1匹で約2~3mℓの血が吸えることになります。血を吸った蚊の動きが鈍くなるのも当然ですね。
蚊は基本的に花の蜜や植物の汁を吸いますが、メスの蚊だけは卵を産むのに必要なタンパク質を摂取するために血を吸います。オスの蚊は一生、血を吸いません。
ちなみに成人は約60%が水分です。私は体重が約60kgなので36ℓの水分があります。ですから12000~18000匹の蚊に一度に血を吸われると、体中の水分が全てなくなる計算になります。
……まあ、1万匹以上の蚊に襲われることを考えただけで死にそうですが。
Q:「以前、この紙(A4の1/4)より大きなガガンボを見ましたが、そんなことありうるの?
A:「ありえます。自分の目を信じてください」
蚊によく似た足の長~い虫を見かけると思いますが、名前を「ガガンボ」と言います。「蚊の母」という意味だったのが、変化したらしいです。「カノハハ」→「ガノボ(母)」→「ガガンボ」ですかね?
言っておきますが、本当に母ではありませんよ。よく似た別の種です。
ガガンボには色々な種類がいますが、その中で最大クラスの「ミカドガガンボ(帝ガガンボ?)」と言う種は全長35~45mm(と言っても、ほとんど足ですが)らしいので、恐らくこれを見たのでしょう。ちなみに便所とか木の陰とかによくいます。
ちなみにガガンボは蚊と違って血は吸いませんし、悪さもしないのですが、姿が気持ち悪いので害虫扱いされている可哀相な存在です。
Q:「昆虫の呼吸はどうやっているんですか?」
A:「体に開いている<気門>という穴から空気を取り込んでいます」
昆虫は口から空気を吸っているのではなく、腹部に開いている小さな気門という穴から空気を取り入れています。この気門は腹部に体節ごとに存在しますので、昆虫を窒息させようと思ったら、口ではなく、お腹の部分をふさぐ必要があります。気門をふさぐ方法としては「合成洗剤を浴びせる」というものがあり、粘着性の液体が気門をふさいで窒息させるそうです。
ちなみに、ゴキブリで実際に試してみたのですが、かなり効率的に何匹も退治できました。
おまえの部屋はそんなにゴキブリがいるのか
……という疑問はナシの方向で。
今はもう少し多数の蚊の攻撃にも持ちこたえられます。
ちなみに、この生徒が見たガガンボの大きさは更に大きくて30cmくらいらしいです。
そんな巨大ガガンボを知っている人は是非、教えてください。