森の詞

元ゲームシナリオライター篠森京夜の小説、企画書、制作日記、コラム等

第2章 キャラクター紹介

2009年10月28日 | マリオネット・シンフォニー
 マリオネット・シンフォニー『浮遊島の章』連載開始まで一週間となりました。
 今回は新章に登場するキャラクターの中から二人、デザインつきで紹介したいと思います。


 フェルマータの章には不足していた、貴重な少年成分です。
 スケアは設定年齢17歳の割にオジサ大人びているし、フェイム一人で需要を支えるには無理があるし。
 これで少年大好きな貴女も大喜び! ……だといいな。

 二人の詳しい素性については、来週までの秘密ということで。
 第一話から登場して大活躍しますので、楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。



 続きまして、再登場キャラクターを紹介します。


グッドマン


 正真正銘プライス・ドルーズのNo.10、しかも序盤に登場していながらデザインすらなかった可哀想な男でしたが、晴れて再登場が決定!
 お調子者で頼れる(?)兄貴の活躍にご期待下さい。

 勿論、グッドマン以外にも数多くのキャラクターが再登場します。


 さあ、いよいよ来週です。
 『浮遊島の章』完結までノンストップで約40週間、頑張れK氏!

 ……本当にスミマセンいつもありがとうございます心から感謝していますというかもう愛してます。




 オマケ。



 主人公でありながらデザインをすっ飛ばされていたアイズ・リゲルでした。


リテイクイラスト集 その2

2009年10月21日 | マリオネット・シンフォニー
 次章連載開始まで2週間。
 今週はシーンイラストのリテイク集その2です。
 先週同様、画像をクリックするとリテイク後のイラストが表示されるようにしていますので、見比べて楽しんでいただければ幸いです。



第10話より、舞い降りるフジノ

 フジノの異様さを前面に押し出すため、表情が見えるくらいに寄せて下さい、とお願いしてリテイク。
 構図自体は申し分ない出来だったので、11話のイラストで人物を入れ替えて使わせていただきました。





第15話より、フジノと手合わせをするラトレイア

 ラトレイアはフジノの師匠なので、もう少し余裕のある表情にして欲しい、とお願いしました。





第19話より、狙撃されるヴィナス

 ヴィナスのポーズに動きが感じられなかったためリテイクに。
 服装が服装なので、下半身が見えないように、との配慮も加わりました。





第23話より、フェイムの懐に跳び込むジューヌ

 描いていただくシーンを指定する段階で、ジューヌの髪が乱れていることをK氏に伝え忘れる、というミスをやらかしてリテイクに。
 第9話と顔の角度が同じだったこともあり、髪型だけでなく構図の変更をお願いすることになりました。
 後にシーンそのものが変更になるなど、フェルマータの章で一番K氏に迷惑をかけたイラストです。K氏、改めまして申し訳ありませんでした。





最終話より、旅立つアイズ、トト、フジノ

 旅立ちが夜なので、船内よりは甲板に出ているほうが、星空を背景にできるぶんドラマティックな絵に仕上がるのでは、と考えてリテイクに。
 最初は背景のみ屋外にしていただくつもりでしたが、K氏との話し合いの末、より星空を多くとれる構図へと変更になりました。



 以上、リテイクイラスト集をお届けしました。
 来週も何かしらお届けしようと思います。

リテイクイラスト集 その1

2009年10月14日 | マリオネット・シンフォニー
 次章連載開始まで3週間となりました。
 先週のQ&Aに引き続き、今週はシーンイラストのリテイク集を紹介していきます。
 画像をクリックすると、実際に掲載されたリテイク後のイラストが表示されるようにしていますので、見比べて楽しんでいただければ幸いです。

 自分でやっておいてなんですが、番組入れ替え時期の特番みたいですね。



第3話より、風を操るスケア

 アステルの風が分離を開始し、スケアが墜落する街を救おうとするシーンです。
 ここでスケアの顔出しをする予定でしたが、スケアが扱う風の凄まじさを表現することを優先してリテイクに。
 結果、彼の顔出しは第7話と大幅に遅れてしまいました。




第4話より、浴室でくつろぐアイズとトト

 リテイク後のイラストと大きな差はないのですが、アイズとトトがやや小さかったため、視点を下げて近づけてもらえるようお願いしました。
 



第6話より、買い物から戻ってきたフジノとルルド

 フジノの物腰がやわらかすぎたためリテイクに。
 本来は極めて感情的な女性ですが、スケアと再会するまでは感情の起伏に乏しいため、無機質な雰囲気を優先しました。




第7話より、過去を悔やむスケア

 左右のバランスを統一したくてリテイクに。
 現在のスケアと過去のスケアを左右対称に配置して、身長や表情の差を見比べやすいようにしてもらいたい、とお願いしました。
 寝姿と立ち姿ではありますが、違和感のない綺麗な構図に仕上げていただけたと思っています。



 今週はここまで。
 来週の『その2』に続きます。

フェルマータの章 終了記念イラスト

2009年10月11日 | マリオネット・シンフォニー
 マリオネット・シンフォニーのイラスト担当K氏より、フェルマータの章の終了を記念してカラーイラストをいただきました。



  



 作中とは一風変わった雰囲気の、活動的で現代風の衣服に身を包んだトトです。
 う~ん、かわいいっ。なんだか別作品の登場人物みたいですね。
 この雰囲気なら、マリフォニのキャラクターでパラレル学園もの四コマ漫画とかできそうです。いえ、ただの妄想ですが。

 K氏、素敵なイラストをありがとうございました!

中村文昭氏の講演会について

2009年10月08日 | Weblog
 昨日、中村文昭氏の講演会に行ってきました。
 詳しい内容については他のHPに譲りますが、色々と楽しいお話を聞かせていただきました。
 聞いてみて損はないと思います。仕事に、人生に行き詰っている方は、道を拓く手がかりを得ることができるかもしれません。

 健康で無理がきく人、限定ですが。


 誤解を恐れずに要約するならば、彼の言わんとするところはこうです。
 自分を捨てよ。上司・先輩・お客様の言うことに決して逆らうな。
 できない言い訳をするな。できるかできないかを考える前に「はい」と答えろ。
 相手の予想を上回る成果を上げ続けよ。そうすれば相手に気に入られ、記憶に残り、それが縁となり、新たな仕事や機会を与えてくれる。
 限界を決めつけるな。開き直れば意外と余力はあるものだ。
 何のために仕事をするのかを考えろ。目的がないなら目の前の人を喜ばせろ。目の前の人を喜ばせることもできない人間が、家族や社会に貢献できるはずがない。

 この方は現在、ニートや引きこもりと一緒に農業をする事業も展開しておられます。
 ポジティブの塊のような方ですね。実際に成功しておられるのだから説得力があります。
 講演会には数千人の方が参加していましたが、仮に参加者全員が彼の言葉を忠実に実行したとすれば、数十人から数百人の成功者が生み出されることでしょう。

 数千人の病人の誕生と、引き換えに。


 彼の講演は確かに有益です。
 数多くの優秀な人材を輩出しうる、極めて優れたプログラムと言えるでしょう。
 一万人が実行して百人が成功し、彼自身のように周囲に元気を与え、新しいことに挑戦し、未来を開拓していったならば、社会は活気で満ちることでしょう。

 ですが、その過程で零れ落ちた、残りの九千九百人は。
 無理をして、限界に挑んで、そして壊れていった人達は。
 一体どうすればいいのでしょうか。


 私は、一度壊れた人間です。
 会社に従い、上司に従い、お客様に頭を下げ続けました。
 社長の目に留まるほどの成績を上げ続け、気に入られ、出世しました。
 その間ずっと、無理をして、無理をして。
 そして壊れました。

 働くことはおろか、家事をすることも、幼い息子と遊んでやることもできず。
 長期入院を繰り返し、自宅療養中も、手洗いと布団の間を這って往復することしか出来なかった日々。

 正しく、説得力があり、人間的な魅力にも溢れていて、だからこそ。
 彼の講演は多くの人を、あの地獄に突き落としかねない。
 そう思いました。


 勿論、実際には一万人中九千九百人の病人など生まれはしません。
 そこに至るまでの間に、ほとんどの人は諦め、挫けて歩みを緩めるでしょうから。
 それでも決してゼロではない。
 一度壊れた身としては、到底無視できるものではありませんでした。


 誰かに「進め」と言うならば。
 「退け」と言う責任もまた、あるのではないでしょうか。

マリフォニQ&A、他

2009年10月07日 | マリオネット・シンフォニー
 もう先週のことですが。
 連載コンテンツ【マリオネット・シンフォニー】、フェルマータの章が完結しました。

 加筆修正を手伝ってくれた海藤。
 タイトルを一緒に考えてくれた游。
 一週間に1枚というハードスケジュールをこなし、素敵なイラストを提供して下さったK氏。
 沢山のコメントを入れて下さったD・Wさん。
 そして、この作品に目を向けて下さった読者の皆様。
 本当にありがどうございました。
 この場を借りて、改めて御礼申し上げます。

 アルファポリスのファンタジー小説大賞も終了しましたね。
 本作のスタイルでは、投票していただいた皆様の期待に応えられる可能性は低いと思いますが、ポイントを入れていただけてとても嬉しかったです。


 続く『浮遊島の章』は、11月から連載を開始する予定。
 現在、新キャラのデザインを急ピッチで進めているところです。

 ……K氏、本当にお世話になります。
 足を向けて寝られません。


 さてさて、ここからはQ&Aコーナー。
 メールや電話などでいただいた鋭いツッコミと、それらに対する言い訳を紹介していこうと思います。


Q.ルーカスはもう出てこないの?
A.そのうち出てきます

 彼は『浮遊島の章』を執筆中、ふと『フェルマータの章』を読み返した際、冒頭が余りに味気ないので追加されたキャラクターです。
 現在の第一話に相当する部分は、初稿ではたったの3行でした。

* * * * *

 アイズ・リゲルは旅に出た。故郷のハイム共和国から、密出国列車に乗って。
 旅の途中、アイズはラジオから響いてきた美しい歌声に心惹かれる。
「よし、この歌を歌っている人に会いに行こう!」

* * * * *

 こんな感じです。
 当時はハイム(リードランス)が島国であるという設定もなかったため、密出国の手段は飛行機ではなく列車になっていました。
 ルーカスの影も形もありませんね。

 彼が次に登場するのは、アイズが彼を必要とする時。
 それがいつのことなのかは、皆様の想像にお任せします。


Q.スケアの銃はどこにいったの?
A.壊れました

 実は私も、
「あれ? スケアって銃を持ってなかったっけ?」
 と思い出し、最初から読み返して、
「ああ、そういえばここで壊れたんだった」
 と一人納得した経験があります。
 存在感なかったですね、スケアの銃。


Q.クラウンの扱いがひどすぎませんか?
A.ごめんなさい書ききれませんでした

 スケアをNo.14としたのは勢いです。
 数字が大きいほうが最新型っぽいよね、という勝手な思い込みと、リードランスに対抗するにはそれぐらいの数はいたほうがいいだろう、という適当な理由です。
 その後、「プライス・ドールズだけでも24人もいるのにプラス14人分もキャラ付けできるかー!」と責任放棄しました。すみません。

 とある友人のお気に入りは、腕を斬られたNo.2『レイン』でした。
 ごめんね、君もカレオもコルティナも、もう出番はないんだ……。


Q.フェイムの『コピー』ってどうやってるの?
A.内部構造を変化させています

 ほとんどのドールズの体内には、多かれ少なかれ機械的な構造物が存在します。
 そして、万が一欠損した際には自動修復できるようプログラムされています。
 フェイムにはその自動修復プログラムを模倣し、超高速で発動させるシステムがあり、コピー元の内部機構を体内に再現することができるのです。
 この能力の核となっているのが、あらゆる形状への変形と、あらゆる物質の生成を可能とする可変性鉱体。実はヴィナスを構成しているのも同じ物質です。

 ヴィナスは全身が可変性鉱体で構成されているものの、自動修復プログラムを模倣することはできず、その変身は見様見真似でしかありません。しかし、変身も物質生成も、すべて自身の意思で発動させることができます。
 一方、フェイムの可変性鉱体は体内にのみ存在するため、変身することはできません。23話で体型が変化したのは、暴走・増殖する可変性鉱体に内側から押し広げられた結果です。物質生成能力も自身の意思で制御することはできず、模倣した自動修復プログラムによってのみ発動します。


Q.フジノの右腕が消滅した後、スケアとカシミールの二人が同時に胸を貫かれているのは何故?
A.スケアがカシミールを抱えていたからです

 第18話の終盤です。スケアはカシミールを抱え起こし、寄り添っていたため、背後からの手刀一本で二人同時に貫かれました。
 このシーンはかなり苦労しました。別々に攻撃されたら二人目は避けるだろうから、どうしても同時に攻撃されないといけない。しかし、フジノは片腕を失っている。
 消滅した腕の付け根から魔力の刃でも生やそうか、とも思いましたが、フジノのイメージに合わないので見送ったり。
 結局、詳細に説明すると浮いてしまうと判断し、現在の形となりました。


Q.南方回遊魚を盗まれたロバスミがあまりにも不憫です
A.ちゃんとレンタル料金は支払っています

 これも掲載直前まで書いては消し、書いては消しを繰り返した部分です。
 最終的に、旅立ちのシーンに無粋な話題は不要と思い、あえて語りませんでした。南方回遊魚を借りた際、アイズは倉庫に置手紙と宝石を残しています。
 ちなみにこの宝石は、フジノのピアスから取り外したものです。アイズとトトは無一文なので、フジノが立て替えました。次章で話題にすべきか否か、検討中です。


Q.マリオネット・シンフォニーの世界は、どのくらい科学が進んでいるのでしょうか?
A.最先端技術では我々の世界を上回りますが、普及率は極めて低いです
   ※いただいたコメントからの転載(一部改稿)です

 マリフォニの世界観についてですが、現在の暦が292年となっています。
 この暦が世界標準となった時。つまりは292年前に、技術的な大革命が起きました。それまで世界を支配していた『剣と魔法』が、大量生産可能な銃器に取って代わられたのです。
 我々の世界において銃器が登場したのは、諸説ありますが15世紀初めと言われています。それを考えれば、マリフォニ世界の技術発展は驚異的なスピードだと言えるでしょう。
 その一端を担っているのが、本作のキーパーソンであるプライス博士。彼の誕生は240年であり、精神の海に迷い込んでコープの存在を知ったのが二十歳の頃。彼は精神の海で得た知識を活かし、一気に科学者としての頭角を現しました。
 プライス・ドールズ初の成功例と言われるNo.4『レアード』の誕生は、それから10年後のこと。彼はプライス博士から頭脳の複写を受けており、しかも人間を遥かに上回る効率で稼動できるため、技術革新のスピードを更に引き上げることとなりました。
 しかし、あまりにも飛躍的過ぎる知識・技術の向上についてこられる者の数は極めて少なく、ごく一部の科学者、研究所、国が独占している状態です。

 ちなみにリードランスが敗れたのは、最強の『剣と魔法』を有していたためです。
 13人の円卓騎士や勇者フジノ、アインスといった、生半可な銃器では太刀打ちできないほどの才能に恵まれ過ぎたため銃器の整備を怠り、彼らを失ってしまった際、残された一般兵ではその穴を埋めることができませんでした。



 この他にもご意見、ご感想、ご質問等がありましたらお気軽にお寄せ下さいませ。
 可能な限りお答えしたいと思います。