森の詞

元ゲームシナリオライター篠森京夜の小説、企画書、制作日記、コラム等

日々の生物(ナマモノ) 第30回

2008年12月18日 | 日々の生物(ナマモノ)
ダイエット編-2


Q:「通販で売ってるアブトロニックって本当にダイエットできるの?」
A:「ある程度は効果があるとは思うけど、あれだけでは痩せません」

 深夜放送の通販番組で筋肉ムキムキなお兄さんが腹を震わせながら売っているのがアブトロニック……とその類似品です。最初のブーム時には日本だけで100万台を売り上げたとされています。
 これは低周波(電気信号)で筋肉を動かすEMS(Electrical Muscle Stimulation / 電気筋肉刺激)という仕組みを利用した装置で、家庭にある「低周波マッサージ器」や「電気風呂」も同じ原理を用いています。
 電気信号で強制的に腹筋を動かし、脂肪を減らすというのが装置の目的です。

 さて、食べたものは消化され、体を作る材料になったり、活動のためのエネルギーとして利用されます。それらが残った場合は糖分や脂肪として体に貯蔵され、運動する際にエネルギー源として消費されます。脂肪を直接摂取した場合は勿論、糖分も一部は脂肪に変化して貯蔵されます。
 運動で脂肪を燃焼させる方法は以下の二つ。

 ①有酸素運動をする
 ②筋肉を増やす

 ①の有酸素運動は酸素を取り入れながらする運動で、いわゆる「エアロビクス」ですが、ウォーキングやサイクリングなどの軽い運動にも同じ効果があります。この時、脂肪と糖分が半々の割合で消費されるそうです。一方、息が切れるような激しい運動では糖分が優先して消費されるため、逆に脂肪は減りにくいと言われています。
 ②の場合は、筋肉がつく→筋肉を維持するために長時間エネルギーが使われ続ける→消費カロリー増大(有酸素運動と同等)の過程で脂肪が消費されます。エンジンの大きい大型車のほうがガソリンの減りが早いのと同じ理屈です。

 EMSは有酸素運動ではないので、②の経路で効果が現れることになります。まず筋肉がつき、その筋肉が消費することで脂肪が減るということです。
 女性の方で「筋肉がつくのは嫌」という人は有酸素運動を行って下さい。有酸素運動は筋肉量を増やすことには向いていませんが、持久力は向上します。スポーツをしている人は二つの方法を同時に行うのがよいでしょう。
 ただ、アブトロニックには腹筋運動ほどの効果はないようです。普段から腹筋運動を行わない人には効果があるでしょうが、日常的に腹筋運動をしている人には効果が感じられないかもしれません。補助的なものと割り切って使うのが良いでしょう。


★ダイエットのポイント

①有酸素運動は一日20分以上。
 20分以上の運動で脂肪が燃焼され始めるそうです。ただし、連続して行う必要はないそうです(10分の運動を2回繰り返しても可)。息が上がると、逆に効果が薄れます。

②夜寝る前には食べない。
 就寝の2時間前以降に摂取したカロリーは脂肪として蓄えられやすいそうです。逆に朝食はいくら食べても大丈夫です。

③1日3食きっちり食べる。
 中途半端に食事を抜くと、体が「定期的に食料を得るのが困難な状況にある」と判断します。その結果、摂取したカロリーを全力で貯蔵に回そうとするので、逆に太ることになります。


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