森の詞

元ゲームシナリオライター篠森京夜の小説、企画書、制作日記、コラム等

2003年4月16日~4月30日

2008年04月30日 | あるシナリオライターの日常

2003年4月16日

 午前6時、起床。朝風呂。

 イメージトレーニング。
 一枚の写真から引き出せる情報を駆使し、400字のストーリーを構築。そのストーリーから、第三者に元となった写真をイメージさせる。文章で何処まで正確なイメージを抱かせることができるか。注意点は、作中において写真そのものの解説をしないこと。
 一時間半をかけて、写真から引き出しうる情報を羅列。あとはこれをどう使うかだ。

 ネットオセロで初の完勝。相手の白石を全滅させる。

 午前10時30分、出社。

 先輩が書き直した不採用通知を確認。
 私の最終稿より余程偉そうで直接的な表現。失笑。

 プログラム関連作業。立ち絵の比率調節。
 HP更新準備作業。システム説明ページ新規作成。
 NScripterの研究。標準装備のパラメータ表示システムでは難があるデザイン性を高めるべく、パラメータ表示システムを自力構築。サブルーチンをうまく使えば、いける。
 エイブル氏にメール。

 午後8時5分、帰宅。
 午後11時、就寝。


2003年4月17日

 午前7時、起床。朝風呂。
 エイブル氏からメール。最後の一曲が完成。見事。
 お疲れ様でした。

 イメージトレーニング。
 昨日引き出した情報を元に、それらを一切表記することなく400字のストーリーを構築。妻の死から立ち直ろうと思い出の詰まった部屋を引き払う中年男性が、最後まで処分できずにいた妻の化粧台から若い頃の二人が写った写真を見つけ、その写真だけを胸に新たな一歩を踏み出す物語。

 午前10時30分、出社。

 プログラム関連業務。回想モード仮構築。
 NScripterの研究。ステータスバーの表示機能と画像による演出を組み合わせる試み。表示優先順位の壁に阻まれ、失敗。
 エイブル氏にメール。
 資料作成業務。
 カジマ氏にメール。

 HP更新作業。
 システム解説ページの説明文を先輩が改悪。あなたが手を出せば出すほどに、文章の表示バランスが、文法が崩れてゆくことに何故気づかない。

 たとえ書き手が三十路も後半にさしかかった壮年男性であろうとも、ことゲームシナリオにおいては、キャラクターの可愛らしさや茶目っ気を表現するために♪や☆を用いるのは決しておかしなことではないだろう。
 プライベートなメールや友人同士のチャット、あるいは自身の管理するHP上の文章や掲示板において、親しみを込めて顔文字や(笑)(汗)等の簡易表記を用いることにも不服は唱えまい。私も師へのメール以外では時折使用している。
 しかし、だ。
 仕事上の公的な文書においてそれらの表現を用いるとなると話は違う。同じ文章・同じ表現でも、場とタイミングと相手によって伝達される情報は大きく異なる。それに気づいていないということはすなわち、物書きの基本中の基本、基礎の基礎たるシチュエーションの把握ができていないということだ。

 午後8時15分、帰宅。
 レンに頼まれ吉野家へ。並盛りと大盛り。160円分の差があるとは思えず。

 ドラマ『動物のお医者さん』を観つつ食事。
 レンとふたり、爆笑。
 凄まじく似ている。チョビもミケも漆原教授もタカさんも、原作そのまま。
 しばらく『どっちの料理ショー』とは疎遠になりそうだ。

 午後10時、就寝。


2003年4月18日

 午前6時、起床。朝風呂。
 以前電脳友人がはまっていた『伺か』なるものをダウンロード。なかなかに興味深い。
 組織的にプロデュースすれば充分に商品価値を生み出せる媒体だ。

 兄弟子にメール。バースデーメッセージ。

 午前10時30分、出社。

 HP更新作業。
 エイブル氏にメール。
 ゲームデザイナー学院卒業生からスタッフ募集応募。不採用通知作成。
 雑誌掲載用コメント再々編。
 エイブル氏からメール。

 モチベーションまったく上がらず。
 今週は仕事をした気がしない。

 午後8時15分、帰宅。

 『はじめの一歩』テレビスペシャル「チャンピオンロード」を観つつ食事。
 声優の配役にやや難があるが、アニメーションの質は上々。原作のスピード感を見事に表現している。深夜帯番組のためTVアニメは観ていなかったが、これはビデオレンタルする価値がありそうだ。

 午後11時30分、就寝。


2003年4月19日

 午前8時30分、起床。炊事。

 午前11時、出発。
 午後1時、京都着。

 高校同窓会。毎年開かれる、創立以来50期の卒業生が一同に会する特別な集い。
 が、天候のため出席者数はいまいち。
 京都市長秘書から名刺をいただく。

 毎年同窓会でのみ逢う友人から意外な告白。
 自分も物語が書きたい。
 私を見ていて、ずっと隠していた気持ちが抑えきれなくなったという。
 師を紹介。

 午後11時45分、帰宅。
 師にレポート提出。友人を紹介。


2003年4月20日

 午前2時、就寝。
 午前6時40分、起床。寝不足。

 午前8時~午後8時就業。
 今日の製本は映画情報誌。『ターミネーター3』の存在を知る。今夏公開。もう、12年もたつのか。

 午後8時30分、帰宅。
 録画しておいたアニメを観つつ食事。
 『ゲットバッカーズ』/邪眼によるマクベスの心の動きが、原作よりも格段にうまく表現されていた。稀にこういうことがあるからアニメは侮れない。
 『ガンダムSEED』/キラとカガリは双子の兄妹と見て間違いないだろう。そうするとやはり、フラガとクルーゼも兄弟か。それはそうと、新オープニングアニメーションにトールとニコルが出てこないのだが……まさか。
 『ワンピース』/おつるさんの名台詞がカットされていた……。

 午後11時30分、就寝。


2003年4月21日 不真面目

 午前7時30分、起床。
 アレンジトレーニング。短編小説から物語の要素を抜き出し、最重要ポイントを検証。アレンジの広がりの可能性を模索する。
 私が見た限り、アレンジの可能性は三通り。

 午前10時30分、出社。

 先輩の執筆が追いついてきたため、第4話の執筆を終了しエンディングを執筆することに。
 結局書き直されるのだから、何処を書こうと同じことだが。

 声優事務所からオーディションCD到着。
 複数の声優に各キャラクターの指定台詞を音読していただいたもの。
 音質最悪。本番録りでないことを考えれば、感心しないまでもリップノイズ程度は許容しもするが。これが本当にプロの仕事かと疑いたくなる。
 先輩に求められ、二時間かけて候補を選出。直後、私の判断に散々難癖をつけられた挙句にCDを突き返される。

「もっと真面目に選んでくれないかな」

 真面目に、と来たか。
 意見の相違は仕方あるまい。それは感性の問題だからだ。作品としての統一性を保つ為には異なる感性の介入は避けたほうが賢明な場合もあるし、最終決定権が私にない以上、結果として私の意見が取り入れられなくとも文句を言う筋合いはない。
 だが、他人の判断を不真面目の産物と断じるのはどうか。本当に不真面目だったかどうかはともかく(勿論私は真面目に選んだが)、それはつまり、暗に

「真面目に考えれば、当然僕と同じ結論に辿りつくはずだろう?」

 と言っているということだ。自分の感性こそが標準だと、信じて疑っていないということだ。
 貴方は結局、自分こそが正しいのだと思い込みたいだけ。自分と異なる意見があるという事実が恐ろしいだけ。ユーザーから不評を買ったとき、自分一人の判断ではなかったという逃げ場が欲しいだけだ。

 頭痛悪化。早退。
 午後7時30分、帰宅。炊事。
 レンの顔を見ただけで頭痛軽減。単純なものだ。

 『ジカダンパン』を観つつ食事。
 ヤミ金融。違法には違いないが借りるほうが悪い。
 しかし違法金利は契約そのものが無効であることを逆手に取り、借りるだけ借りて踏み倒すことも法的にはできるのだが、実践した者はいないのだろうか。

 久々に『アンリミテッドサガ』をプレイ。ヴェント編クリア。
 オールクリア。


2003年4月22日 決別

 午前0時45分、就寝。
 午前8時、起床。朝風呂。

 アレンジトレーニング。

 午前10時30分、出社。

 先輩にメール。以後意見交換はすべて文章で行うことを提言。
 仮にも文章を扱う者なのだ。刹那的で感情に流されやすい話し言葉よりは、まだしも冷静な意見交換ができるだろう。
 それも希望的観測に過ぎないが。

 午後0時30分、先輩出社。
 メールでの意見交換案は聞き入れられず。先輩の下にいる私は、上に何かを提言できる立場にはないらしい。
 直接対話。

 君は僕の下にいるのだから、僕の言うことを聞いていればいい。
 僕が何を考えているのかを察し、僕と同じイメージを抱き、僕と同じ考えを持たなければならない。
 シナリオはすべて僕の文体を模写し、僕の好みにあったシーンを描写すること。そこに君の個性や感性は必要ない。君の書いた第3話を、どうして僕が全部書き直しているかわかるか? 僕のシナリオになっていないからだ。
 シナリオに限らず、僕に時間がなくて一つの仕事を任せたとき、例え何も説明しなくても僕が求める結果を出さなければならない。僕がその仕事をしたのと、同じ状態にしなければならない。
 僕は君のクライアントだ。
 クライアントの要求を満たす、それがプロというものだ。


 新たなノルマ設定。
 5月1日午後2時までにイベントシーンを230KB、先輩の望む状態に仕上げること。
 それができなければ給料を月給七万円にまで引き下げるか、クビにする。
 月給七万円では生活できない。事実上のクビ勧告だ。

 日曜日は使えないから、8日で230KB。1日およそ30KB。
 ペースそのものは絶対に不可能というわけではないが、『何も説明されなくても』『先輩が書いたのと同じ状態に』というのはかなり無理がある。
 しかし何事も経験だ。やれるだけのことはやってみよう。

 それにしても、第3話は最初に提示されたプロットに則って書いたのだが。
 先輩が書き直した現在の第3話、最初に提示されたプロットとは台詞も展開も異なる。
 より適した展開を思いついたならば、それを伝えてくれなければこちらとしてはどうしようもない。私はエンパスではないのだ。
 連絡不行き届きによる展開の相違を指して「自分のシナリオになっていない」と言われても困ってしまう。勿論、それだけを指しているのではないだろうけれど。

 イベントシーン9KB。残り7日。221KB。やはり無茶か。

 午後8時15分、帰宅。
 『プロジェクトX』を観つつ食事。

 レンと相談。
 先輩の要求に応えるには、気力・体力・時間のすべてを傾けねばならない。一時的に配分を変え、仮に今回のノルマをクリアしても、その後も同じ働きを求められることになる。それでは家庭生活が成り立たない。
 何よりも優先すべきはレンとの生活。そして、明日葉が健やかに育てる環境を整えること。その前では他人からの評価やプライドなど塵にも等しい存在だ。
 製本工場に連絡。いつでも週五日勤務のシフトを組んでいただけるよう手配。
 次回給料の振込みを待ち、退職。再就職先を探す。

 師にメール。現状報告。

 午後11時30分、就寝。


2003年4月23日

 午前6時、起床。朝風呂。
 師からメール。
 壊れていたカウンターを別のものに置換。

 骨格物語構築訓練。
 光明が見えた。
 【完全なるプロット】の提出期日は明後日。

 望月女史にメール。

 午前10時30分、出社。

 昨日執筆分のイベントシーンについて、先輩から「よく書けている」との評価。
 状況に応じ、先輩がこれまでに書いたイベントシーンテキストから適当な台詞と地の文をコピー&ペーストしただけのものだから、先輩の好みに合うのは当然と言えば当然。
 しかし、そんな編集によって形作られた文章を「よく書けている」とは恐れ入る。

 パソコン内のデータ整理。
 業務引き継ぎのための文書作成。

 望月女史から電話。明日の密談について。
 エイブル氏にメール。

 午後5時30分、社長が渡米しているため給料が既に振り込まれていることを知る。
 急ぎ確認。予定が一日早まった。

 イベントシーン編集。あまり意味はないが、わざわざさぼることもない。

 午後8時15分、帰宅。

 望月女史からメール。返信。

 午後11時、就寝。


2003年4月24日

 午前7時、起床。朝風呂。
 骨格物語構築訓練。
 【完全なるプロット】の提出期日は明日。

 午前10時30分、出社。

 パソコン内のデータ整理。
 業務引き継ぎのための文書作成。

 午後0時30分、先輩が出社。
 退職を宣告。
 明日をもって退職することに決定。

 グラフィッカーY氏のモチベーションが大幅低下。
 申し訳ない。

 OHP更新作業。
 事務所の掃除。
 イベントシーン編集。
 エイブル氏からメール。

 午後8時、望月女史と密談。

 午後10時30分、帰宅。
 録画しておいた『動物のお医者さん』を観つつ食事。
 菅原教授だけ原作と随分印象が異なる。もっとも、すべてを忠実にトレースしていてはドラマにする意義が却って損なわれてしまうけれど。

 午後11時30分、就寝。


2003年4月25日

 午前6時、起床。朝風呂。
 骨格物語構築訓練。

 午前10時30分、出社。

 事務所の掃除。
 業務引き継ぎのための文書作成。
 プログラム関連業務。私にしかわからない命令文の解説表を作成。
 HP更新準備作業。
 パソコン内の個人データ削除。

 グラフィッカーY氏と談笑。
 先輩は私が辞めるとは思っていなかったらしい。
 いや、普通は辞めるだろう。私には夫として、親としての責任がある。
 実家暮らしで自分のしたいことだけに熱中し、家事のすべてを親に任せきりの独身中年男性にはわからないということか。

 午後7時30分、退職。
 午後8時15分、帰宅。

 望月女史からメール。

 骨格物語構築訓練。
 午後9時30分、(多分)完全なるプロット完成。師に提出。

 午後11時30分、就寝。


2003年4月26日

 午前7時、起床。朝風呂。
 師からメール。いまだ不完全。二週間後までに再度推敲せよ。
 新たな課題。弟子全員のイメージトレーニング課題作品の中から、もっとも優れたものを選出し講評。そして、自らの作品が何番目に位置するかを論理的に回答せよ。

 望月女史にメール。

 午前10時30分、レンと病院へ。
 体長4センチ。一週間でおよそ二倍。元気に手足を動かしていた。
 3キロ歩いて帰宅。

 頭痛、目眩。
 食後意識放棄。

 夢見最悪。出産当日に視力を失う夢。見えぬ目で必死に這い進み、気づくと居間に倒れていた。夢と現実の区別がつかぬまま寝室からここまで這ってきたらしい。

 午後6時、『ガンダムSEED』。
 予想通りニコルが死亡。トールも近いうちに逝くだろう。

 中学時代の友人からメール。返信。
 骨格物語構築訓練。

 午後11時30分、退職した会社のHPを見たみぞれちゃんから電話。
「新作のタイトルって誰が考えたの? 感覚が古いね」
 レンと二人、爆笑。

 午後12時、就寝。


2003年4月27日

 午前6時40分、起床。

 午前8時~午後8時就業。
 休憩時間中、タイトル指定課題。今月のお題は「東京ラブコメディ」。またしても東京。
 東京で義兄と出会い結婚した姉の実体験を改変。地方から出てきた【都会の恋】に憧れる女性が、やることなすことことごとく裏目に出てしまい、同郷の同僚と地味婚に行き着いてしまう物語。

 午後8時30分、帰宅。
 両親から電話。

 録画しておいた『ワンピース』と『新日曜美術館』を観つつ食事。
 剣豪として名を馳せながら、画人としての一面を持ち合わせていた宮本武蔵。一度筆を下ろせば描ききるほかない水墨画に、剣に通じるものを見ていたようだ。

 和泉氏にメール。

 午前0時、就寝。


2003年4月28日

 午前8時、起床。
 和泉氏からメール。

 骨格物語構築訓練。
 骨格物語培養訓練。

 取材。
 自殺の心理とマスコミの誘発効果。及び数ある自殺法の致死率と苦痛について。

 『ハンター×ハンター』グリードアイランド編第4巻。
 たったの8話、序盤も序盤で終了。こんな中途半端なところで終了するくらいなら、最初から作らぬほうがいい。

 月例課題作品完成。師に提出。

 TV版『はじめの一歩』第一巻を観つつ夕食。

 午前0時、就寝。


2003年4月29日

 午前6時、起床。朝風呂。
 望月女史からメール。

 午前8時~午後8時就業。
 休憩時間中、タイトル指定課題。
 午後8時30分、帰宅。

 タイトル指定課題。


2003年4月30日

 午前0時20分、就寝。
 午前6時40分、起床。

 みぞれちゃんからメール。奇怪なサイトへのリンクつき。
 日本の文化は激しく誤解されている。もっとも、日本における海外文化を扱った作品の多くも、現地の人々から見れば似たようなものだろう。

 午前8時~午後8時就業。
 休憩時間中、タイトル指定課題。
 午後8時30分、帰宅。

 タイトル指定課題完成。師に提出。

 『聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編』第一巻観賞。
 ものすごい説明口調。

 午後11時45分、就寝。

2003年4月30日

2008年04月30日 | あるシナリオライターの日常

 午前0時20分、就寝。
 午前6時40分、起床。

 みぞれちゃんからメール。奇怪なサイトへのリンクつき。
 日本の文化は激しく誤解されている。もっとも、日本における海外文化を扱った作品の多くも、現地の人々から見れば似たようなものだろう。

 午前8時~午後8時就業。
 休憩時間中、タイトル指定課題。
 午後8時30分、帰宅。

 タイトル指定課題完成。師に提出。

 『聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編』第一巻観賞。
 ものすごい説明口調。

 午後11時45分、就寝。

2003年4月28日

2008年04月28日 | あるシナリオライターの日常

 午前8時、起床。
 和泉氏からメール。

 骨格物語構築訓練。
 骨格物語培養訓練。

 取材。
 自殺の心理とマスコミの誘発効果。及び数ある自殺法の致死率と苦痛について。

 『ハンター×ハンター』グリードアイランド編第4巻。
 たったの8話、序盤も序盤で終了。こんな中途半端なところで終了するくらいなら、最初から作らぬほうがいい。

 月例課題作品完成。師に提出。

 TV版『はじめの一歩』第一巻を観つつ夕食。

 午前0時、就寝。

2003年4月27日

2008年04月27日 | あるシナリオライターの日常

 午前6時40分、起床。

 午前8時~午後8時就業。
 休憩時間中、タイトル指定課題。今月のお題は「東京ラブコメディ」。またしても東京。
 東京で義兄と出会い結婚した姉の実体験を改変。地方から出てきた【都会の恋】に憧れる女性が、やることなすことことごとく裏目に出てしまい、同郷の同僚と地味婚に行き着いてしまう物語。

 午後8時30分、帰宅。
 両親から電話。

 録画しておいた『ワンピース』と『新日曜美術館』を観つつ食事。
 剣豪として名を馳せながら、画人としての一面を持ち合わせていた宮本武蔵。一度筆を下ろせば描ききるほかない水墨画に、剣に通じるものを見ていたようだ。

 和泉氏にメール。

 午前0時、就寝。

2003年4月26日

2008年04月26日 | あるシナリオライターの日常

 午前7時、起床。朝風呂。
 師からメール。いまだ不完全。二週間後までに再度推敲せよ。
 新たな課題。弟子全員のイメージトレーニング課題作品の中から、もっとも優れたものを選出し講評。そして、自らの作品が何番目に位置するかを論理的に回答せよ。

 望月女史にメール。

 午前10時30分、レンと病院へ。
 体長4センチ。一週間でおよそ二倍。元気に手足を動かしていた。
 3キロ歩いて帰宅。

 頭痛、目眩。
 食後意識放棄。

 夢見最悪。出産当日に視力を失う夢。見えぬ目で必死に這い進み、気づくと居間に倒れていた。夢と現実の区別がつかぬまま寝室からここまで這ってきたらしい。

 午後6時、『ガンダムSEED』。
 予想通りニコルが死亡。トールも近いうちに逝くだろう。

 中学時代の友人からメール。返信。
 骨格物語構築訓練。

 午後11時30分、退職した会社のHPを見たみぞれちゃんから電話。
「新作のタイトルって誰が考えたの? 感覚が古いね」
 レンと二人、爆笑。

 午後12時、就寝。

2003年4月25日

2008年04月25日 | あるシナリオライターの日常

 午前6時、起床。朝風呂。
 骨格物語構築訓練。

 午前10時30分、出社。

 事務所の掃除。
 業務引き継ぎのための文書作成。
 プログラム関連業務。私にしかわからない命令文の解説表を作成。
 HP更新準備作業。
 パソコン内の個人データ削除。

 グラフィッカーY氏と談笑。
 先輩は私が辞めるとは思っていなかったらしい。
 いや、普通は辞めるだろう。私には夫として、親としての責任がある。
 実家暮らしで自分のしたいことだけに熱中し、家事のすべてを親に任せきりの独身中年男性にはわからないということか。

 午後7時30分、退職。
 午後8時15分、帰宅。

 望月女史からメール。

 骨格物語構築訓練。
 午後9時30分、(多分)完全なるプロット完成。師に提出。

 午後11時30分、就寝。

2003年4月24日

2008年04月24日 | あるシナリオライターの日常

 午前7時、起床。朝風呂。
 骨格物語構築訓練。
 【完全なるプロット】の提出期日は明日。

 午前10時30分、出社。

 パソコン内のデータ整理。
 業務引き継ぎのための文書作成。

 午後0時30分、先輩が出社。
 退職を宣告。
 明日をもって退職することに決定。

 グラフィッカーY氏のモチベーションが大幅低下。
 申し訳ない。

 OHP更新作業。
 事務所の掃除。
 イベントシーン編集。
 エイブル氏からメール。

 午後8時、望月女史と密談。

 午後10時30分、帰宅。
 録画しておいた『動物のお医者さん』を観つつ食事。
 菅原教授だけ原作と随分印象が異なる。もっとも、すべてを忠実にトレースしていてはドラマにする意義が却って損なわれてしまうけれど。

 午後11時30分、就寝。

2003年4月23日

2008年04月23日 | あるシナリオライターの日常

 午前6時、起床。朝風呂。
 師からメール。
 壊れていたカウンターを別のものに置換。

 骨格物語構築訓練。
 光明が見えた。
 【完全なるプロット】の提出期日は明後日。

 望月女史にメール。

 午前10時30分、出社。

 昨日執筆分のイベントシーンについて、先輩から「よく書けている」との評価。
 状況に応じ、先輩がこれまでに書いたイベントシーンテキストから適当な台詞と地の文をコピー&ペーストしただけのものだから、先輩の好みに合うのは当然と言えば当然。
 しかし、そんな編集によって形作られた文章を「よく書けている」とは恐れ入る。

 パソコン内のデータ整理。
 業務引き継ぎのための文書作成。

 望月女史から電話。明日の密談について。
 エイブル氏にメール。

 午後5時30分、社長が渡米しているため給料が既に振り込まれていることを知る。
 急ぎ確認。予定が一日早まった。

 イベントシーン編集。あまり意味はないが、わざわざさぼることもない。

 午後8時15分、帰宅。

 望月女史からメール。返信。

 午後11時、就寝。

2003年4月22日 決別

2008年04月22日 | あるシナリオライターの日常

 午前0時45分、就寝。
 午前8時、起床。朝風呂。

 アレンジトレーニング。

 午前10時30分、出社。

 先輩にメール。以後意見交換はすべて文章で行うことを提言。
 仮にも文章を扱う者なのだ。刹那的で感情に流されやすい話し言葉よりは、まだしも冷静な意見交換ができるだろう。
 それも希望的観測に過ぎないが。

 午後0時30分、先輩出社。
 メールでの意見交換案は聞き入れられず。先輩の下にいる私は、上に何かを提言できる立場にはないらしい。
 直接対話。

 君は僕の下にいるのだから、僕の言うことを聞いていればいい。
 僕が何を考えているのかを察し、僕と同じイメージを抱き、僕と同じ考えを持たなければならない。
 シナリオはすべて僕の文体を模写し、僕の好みにあったシーンを描写すること。そこに君の個性や感性は必要ない。君の書いた第3話を、どうして僕が全部書き直しているかわかるか? 僕のシナリオになっていないからだ。
 シナリオに限らず、僕に時間がなくて一つの仕事を任せたとき、例え何も説明しなくても僕が求める結果を出さなければならない。僕がその仕事をしたのと、同じ状態にしなければならない。
 僕は君のクライアントだ。
 クライアントの要求を満たす、それがプロというものだ。


 新たなノルマ設定。
 5月1日午後2時までにイベントシーンを230KB、先輩の望む状態に仕上げること。
 それができなければ給料を月給七万円にまで引き下げるか、クビにする。
 月給七万円では生活できない。事実上のクビ勧告だ。

 日曜日は使えないから、8日で230KB。1日およそ30KB。
 ペースそのものは絶対に不可能というわけではないが、『何も説明されなくても』『先輩が書いたのと同じ状態に』というのはかなり無理がある。
 しかし何事も経験だ。やれるだけのことはやってみよう。

 それにしても、第3話は最初に提示されたプロットに則って書いたのだが。
 先輩が書き直した現在の第3話、最初に提示されたプロットとは台詞も展開も異なる。
 より適した展開を思いついたならば、それを伝えてくれなければこちらとしてはどうしようもない。私はエンパスではないのだ。
 連絡不行き届きによる展開の相違を指して「自分のシナリオになっていない」と言われても困ってしまう。勿論、それだけを指しているのではないだろうけれど。

 イベントシーン9KB。残り7日。221KB。やはり無茶か。

 午後8時15分、帰宅。
 『プロジェクトX』を観つつ食事。

 レンと相談。
 先輩の要求に応えるには、気力・体力・時間のすべてを傾けねばならない。一時的に配分を変え、仮に今回のノルマをクリアしても、その後も同じ働きを求められることになる。それでは家庭生活が成り立たない。
 何よりも優先すべきはレンとの生活。そして、明日葉が健やかに育てる環境を整えること。その前では他人からの評価やプライドなど塵にも等しい存在だ。
 製本工場に連絡。いつでも週五日勤務のシフトを組んでいただけるよう手配。
 次回給料の振込みを待ち、退職。再就職先を探す。

 師にメール。現状報告。

 午後11時30分、就寝。