先週、今年の司法試験トップ合格者と予備試験トップ合格者の方と対談をさせて頂きました(辰己東京本校(アネックス校舎)にて1時間30分くらい)。実に、有意義な時間でした(いい話が聴けました)。後日、何らかの形で辰己よりその模様が公開されるかと思うのですが、速報的にいくつか書いておきます。
<司法試験トップ合格者の方>
・私大法学部に入学し、司法試験の勉強を開始。
・まずしたことは、ノウハウの収集。司法試験の関連書籍などを買って読み、法律の具体的な内容を勉強するよりも先に、法的三段論法について学んだ。
・勉強には、インプット用教材として、いわゆる予備校本を使用。勉強開始時より、インプットと並行して、辰己の「えんしゅう本」を利用してアウトプットをした。「えんしゅう本」を自分なりに分析した。既に学んだ法的三段論法を意識しながら、答案の形を体得していった。
・学部3年次、4年次に旧司法試験を受験。ただ、択一は通過したものの、論文で敗退。非常に悔しかった。この時、「(新)司法試験では、絶対に1位で合格してやる」と決意。
・大学4年次にロースクールを受験していなかったため、いわゆる1浪して、私大ロースクール既修に入学。
・ロースクール入学後は、旧司法試験の受験経験から判例の重要性を知り、判例を深く学ぶという勉強方針を立てる。判決文の原文にあたり、また、調査官解説も積極的に読んだ。
・ロースクール在学中は、いわゆる自主ゼミをやって、学者執筆の演習書でアウトプットのトレーニングを重ねた。
・本番前日、自信はあったが、やはり、寝付けなかった。短答は、280点は超えたかなという印象があった(実際は300点オーバー)。論文は、選択科目から好調な滑り出し(選択科目は一発目なので試験の流れを決める重要な科目と認識しており、十分な対策をしていた)。後続科目もまぁうまくいったと思ったが、振り返ってみると、「もっと、ああすれば、こうすれば」という反省点が多い。
・試験終了後、反省は残ったものの、合格するかとは思えた。ただ、1位は厳しいと思った(蓋を開けてみたら、1位だった)。
・試験対策上、短答プロパーは、試験直前に間に合わせればよい。それよりも、細部にこだわらず、基本的事項をしっかりと学ぶことが重要。それができれば、ゼロから初めて、1年半か2年あれば司法試験合格の実力は付く。
・なぜ1位になれたか、それは、1位を目指したからである。
<予備試験トップ合格者の方>
・私大法学部入学後、司法試験の勉強を開始。
・学部1年次より、学内講座を受講。そこでは、いきなり旧試験の過去問の起案をさせられた。基礎知識に乏しく、何が何だかわからなかったが、必死に答案を作成した。答案を作成する中で、必要な知識を吸収し、また、答案の形を把握していった。学内講座はリタイアする人が大半だったが、喰らいついていった。
・学部4年次は、既に予備試験が始まっていたが、制度が始まったばかりであり、ロースクール専願を選択。私大ロースクール既修を受験し、合格して入学(もし、自分が今、学部3年生くらいであれば、予備とロースクールを併願する)。
・適性試験対策は、過去問含め実戦演習中心。3か月くらい前から、問題を解いたら、スコア的には安定した。そんなに時間はかけていない。
・ロースクール3年次(既修入学から2年目、今年)に予備試験受験。ロースクールの勉強もあったので、試験対策にはそんなに時間は割けなかった。一般教養については、特に時間を割けなかった。ただ、「法律科目で8割解ければ問題ない」と思い、その戦略でいった(もっとも、一般教養も平均点を少し超えた)。短答は、合格者の中では抜きんでてはいないが、論文で1位となった。
・法律を勉強する上で大事なのは、とにかく基礎・基本・原理原則。ここがわかっていれば、応用的問題にも対応できる。枝葉にこだわらず、基礎力をしっかりと養うべき。
<対談を終えて、原の感想>
お二人とも、非常に好青年で、去年のトップ合格者もそうでしたが、やはりトップ合格者は、人格的にもトップなのだなと思いました。これも、去年のトップ合格者と共通ですが、やはり早い段階からアウトプットを意識して勉強をしています。また、細かい事よりも基本的事項をきっちり習得しようとする姿勢も共通。「トップを目指したからトップになれた」というのは、トップ合格者だからこそ言えることですが、ただ、試験というのはそういうもので、志高い人は結果を出すものですね。大学受験予備校で教えていたころから、それは感じておりました。いずれにせよ、お二人とも、これからの法曹界をリードする人材になるのだと思います。
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