Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

「社保庁・自治労歪んだ関係」・・・夕刊フジは、自身のスタンスに忠実

2007-06-05 | 年金問題
 <何と、社保庁と全日本自治団体労働組合(自治労)が、労働条件向上を優先する覚書などを何度も交わしていたことが4日、分かった。>

って、夕刊フジが今更のように大げさに騒いでるけど、そんなもんとっくの昔からわかってたことではなかったのかしらね。

 <自治労は民主党や社民党の有力支持団体。社保庁労使のゆがんだ体質が、年金加入者軽視につながり、国民の老後を不安に突き落としたのか>

自治労の背後に民主党や社民党がいたのは事実だけど、社保庁の背後には、自民党がいたんですよね。社保庁労使の馴れ合いはそのまま、与野党の馴れ合いでもあるわけなのに、自民党に言及しようとしない夕刊フジは、自身のスタンスに忠実ですなあ。

 「社保庁労組は自分たちの労働環境や条件が最優先で、年金加入者へのサービスは二の次だった。かつて国鉄労使がヤミ協定を結び、労働密度をスカスカにしていたのとそっくりだ。これだから国民の大切な年金記録をいい加減に扱っていたのだろう」

と評論家の屋山太郎氏は憤っていますが、社保庁労組の批判のみをしたところで、トカゲの尻尾きりでしかありませんぞ。行政の怠慢は、内閣の怠慢です。

 屋山氏は「私は以前、『国鉄労使国賊論』を書いたが同じ構図だ。社保庁は幹部も労組も両方悪い。こんな組織を公務員の立場で残してはならない。民営化してダメな職員のクビを切るべきだ」と語っていますが、社保庁がだめな組織であったとしても、その組織を改善させる努力をしなかったのは政府です。政府の不手際を批判することなしに、それを自身の「民営化推進論」の追い風に利用しようとだけするとは、ご都合主義を極めていますなあ。あっぱれです。

 <ちなみに、年金問題を深刻化させた基礎年金番号の実施関連省令改正は96年10月、自民党と社会党(現社民党)、新党さきがけによる自社さ連立政権下で行われた。当時の厚相は現民主党代表代行の菅直人氏>

と、記事は自社さ連立政権と菅直人を批判してますが、基礎年金番号の実施関連省令の改正が悪かったというより、むしろ、実際の導入作業が悪かったことが問題なのだと思いますよ。

 その導入作業を行ったのは、前にも述べましたが、1997年の橋本内閣であり、当時の厚生大臣は、小泉純一郎です。

 小泉純一郎は、首相の地位に5年も居座り続けながら、自らが行った杜撰な導入作業の実態については、口をつぐんでいました。その不誠実な態度を批判するマスコミがほとんどないことにマスコミの偏向振りを感じます。というか、彼らが、小泉純一郎をそれだけ恐れていたということの証であるかもしれません。

 小泉純一郎に睨まれたら、郵政反対派議員のように、あるいは、小泉政権下で、検察に逮捕された一連の政治家たちのように、大きなダメージを受けますからね。

 それはともかくとしても、前首相は、何事につけても、都合の悪いことはほったらかしにして負の遺産を増大させ、安倍政権に尻拭いをさせただけでした。「安倍政権=小泉政権の尻拭いをする政権」と言えるかもしれません。


(参考)
社保庁・自治労歪んだ関係 ふざけた覚書の内容とは

 「消えた年金」問題で、国民の怒りを沸騰させた社会保険庁。政府与党への批判と歴代長官の責任論が浮上しているが、何と、社保庁と全日本自治団体労働組合(自治労)が、労働条件向上を優先する覚書などを何度も交わしていたことが4日、分かった。自治労は民主党や社民党の有力支持団体。社保庁労使のゆがんだ体質が、年金加入者軽視につながり、国民の老後を不安に突き落としたのか。

 「社保庁労組は自分たちの労働環境や条件が最優先で、年金加入者へのサービスは二の次だった。かつて国鉄労使がヤミ協定を結び、労働密度をスカスカにしていたのとそっくりだ。これだから国民の大切な年金記録をいい加減に扱っていたのだろう」
 土光臨調メンバーで「国鉄民営化」などを提言した評論家の屋山太郎氏はこう憤る。

 夕刊フジが入手したのは、1979年から2004年までに、社保庁側と自治労側が結んだ覚書や確認事項の内部資料。102件あるうち、何と35件が自治労側の労働条件を優先したものだった。

 例えば、79年3月13日、社保庁長官と自治労国費評議会議長がオンライン化計画に伴って交わした覚書には、≪労働強化が生ずることのないよう十分配慮する≫≪労働条件の低下をきたすような制度の変更は一切行わない≫とある。

 また、同年5月12日、社保庁総務課長と国費評議会事務局長による確認事項でも、≪端末機の操作にあたり、ノルマを課したり、実績表を作成したりはしない≫とも。

 事務手続きの効率化・簡素化を目指すオンライン化が、どうして労働強化につながるのか理解困難だが、自治労側がこれに徹底抗戦したため、このような覚書や確認事項が交わされたという。

 永田町関係者は「自治労側の徹底抗戦で作業スケジュールが遅れた。このため、(年金記録消失の一因である)大量の入力ミスが発生した面はある」と解説する。

 88年5月31日に総務課長と事務局長が交わした覚書には、≪窓口装置を連続操作する場合の1連続操作時間は45分以内とし、操作時間45分ごとに15分の操作しない時間を設ける≫とある。1時間のうち15分も休憩できるとすれば、かなり楽な仕事というしかない。かつて、国鉄は37兆円もの巨額負債を抱えながら、職員の態度は横柄で、労働条件優先のストライキを繰り返した。今回入手した内部資料とずさんな年金記録の管理を見る限り、屋山氏の「社保庁=第2の国鉄」という指摘はうなずける。

 屋山氏は「私は以前、『国鉄労使国賊論』を書いたが同じ構図だ。社保庁は幹部も労組も両方悪い。こんな組織を公務員の立場で残してはならない。民営化してダメな職員のクビを切るべきだ」と語る。

 ちなみに、年金問題を深刻化させた基礎年金番号の実施関連省令改正は96年10月、自民党と社会党(現社民党)、新党さきがけによる自社さ連立政権下で行われた。当時の厚相は現民主党代表代行の菅直人氏。

 参院選まで2カ月を切り、野党各党は鬼の首を取ったように政府与党を攻撃している。現在の政府与党に責任があることは間違いないが、大切なのは国民の不安を一刻も早く解消し、許し難いミスをした歴代社保庁長官以下、同庁職員らに責任を取らせることだ。

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4 コメント

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フジサンケイグループ (ろろ)
2007-06-05 14:45:19
  パナウェーブと関係があるという時点ですでに怪しさ満点です。朝日が偏っているというのは話題になりますが、ここもアメリカマンセーという点では大いに偏っていますね。
  「宗教」「アメリカ」となると、やはり岸信介や福田赳男と関わりが深いのでしょう。それが安倍をマンセーするのも道理なわけです。

  まあ、社会保険庁が潰れても、年収が高額で厚生年金が充実しているマスコミは痛くもかゆくもないので、こういう記事を書けてしまうわけですが。屋島太郎も、のこのこテレビに出てきてしまう辺り、中西輝政同様、安倍喜び組なんでしょうね。
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Re:フジサンケイグループ (上田真司)
2007-06-06 07:21:24
ろろさん、コメント有難うございます。

>朝日が偏っているというのは話題になりますが、ここもアメリカマンセーという点では大いに偏っていますね。

産経のアメリカ贔屓も、最近鼻についてきました。

>まあ、社会保険庁が潰れても、年収が高額で厚生年金が充実しているマスコミは痛くもかゆくもないので、こういう記事を書けてしまうわけですが。屋島太郎も、のこのこテレビに出てきてしまう辺り、中西輝政同様、安倍喜び組なんでしょうね。

社会保険庁叩きというのも、結局、国の年金制度を壊して、民間の保険会社に年金の運用を委ねようというものです。
民営化推進論者というのは、アメリカの保険会社の狙い通りの行動を行っているのです。
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屋山太郎は本当にムカツク (蒼龍)
2007-06-07 03:39:59
どうも、真司さん。

この「社会保険庁年金データ消失事件」ですが、これは今後数年以内に年金を受給される方々にとっては怒り心頭のニュースですね。ここで取り上げた夕刊フジなどのマスコミの指摘も一理ありますが、しかし最も責められるべきなのはそうしたずさんな状態を放置しておいた社保庁と何ら動かなかった政府与党でしょう。私は数年前から産経新聞を「最も良識的で信頼できる保守系メディア」だと思ってきたのですが、所詮は米国と、そしてかつての小泉政権に尻尾を振る「御用メディア」だったのですね。

さて、またここでその御用学者の代表例というべき屋山太郎が出てきましたね。この男についてさらに述べますが、最近では屋山の『日本の教育ここが問題だ!』という本を見かけた時には「米国に媚び売ってるあんたに教育云々言う資格があるのか?」と内心突っ込んでしまいました。傑作だったのは一昨年、小泉の大馬鹿野郎が不敬にも「皇室も改革しなくてはダメだ」と思い上がって女子にも皇位継承できるようにするために皇室典範改正を企んだ事がありました。これには多くの良識ある保守論客や世論が反対していましたが、そんな中で11月末に改正反対の集会が行われると聞いたので私も出席したのですが、その登壇者の中には何とあの屋山もいたのです。それを見た私は呆れ返ると同時に失笑してしまいました。当時、西尾幹二先生も言っていましたが、郵政民営化も皇室典範改正も根は同じく「古き良きシステムを改悪して将来に取り返しがつかない災いを残す」という事なのです。つまり郵政民営化には賛成で皇室典範改正というのは筋が通らないのであり、卑しいご都合主義者のする事です。

そんな訳で、屋山は今後も米国政府や米系外資から重宝され、すばらしい待遇を受ける事になるのでしょうね(笑)。
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Re: 屋山太郎は本当にムカツク (上田真司)
2007-06-07 07:36:56
蒼龍さん、コメント有難うございます。

>そんな中で11月末に改正反対の集会が行われると聞いたので私も出席したのですが、その登壇者の中には何とあの屋山もいたのです。それを見た私は呆れ返ると同時に失笑してしまいました。当時、西尾幹二先生も言っていましたが、郵政民営化も皇室典範改正も根は同じく「古き良きシステムを改悪して将来に取り返しがつかない災いを残す」という事なのです。つまり郵政民営化には賛成で皇室典範改正というのは筋が通らないのであり、卑しいご都合主義者のする事です。

屋山太郎は、「皇室典範改正」反対論者だったのですか。

「皇室典範改正反対」と小泉純一郎支持は根本的に矛盾していますが、その二つを両立させる屁理屈を述べていた人がいました。いわく、「小泉さんは、郵政以外のことは何も分からないんだ。悪気はないんだ」と。

皇室のことを何も知らずに、「皇室典範改正」に突き進むような人物はそれはそれで危険なんですが、「知らなかったから悪くはない」というような幼稚な弁解をしています。

ところが、この前、週刊誌に旧皇族の方の証言で、「小泉は、皇室を抵抗勢力とみなしている」というような記事が出ました。「皇室のことを知らなかった」というのも言い訳に過ぎなかったのです。何もかも、分かった上で、小泉純一郎は、皇室を圧殺しようとしていたのです。


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