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「地下鉄(メトロ)に乗って」(5)~不夜城~

実は私は不夜城のロケ地見学ってしたことがありません、ただ一か所を除いては。

メトロの新宿三丁目駅を降りると、そこはすぐ歌舞伎町です。
2004年の暮、東京でただ一か所上映された「ターンレフトターンライと」をみる時、ある友達が「それなら不夜城コースでミラノ座へ行ってみては?」とその詳しい道順を教えてくださって、私はようやく風林会館とかコマ劇場とか見ることができました。もちろんドトールコーヒー(靖国通りの)も。

先日買い損ねてしまった種田陽平さんの「TOWN for the FILMS」をお友達に貸していただき、読むことができました(大感謝!)。

120ページ余りの写真集の2/3は「不夜城」で、もちろん劉 健一も登場します(少ないですけど。でもあきらかに写真集Ryu Kenichiとは違うショットです)

すごーーーーーーく面白いです。
目から鱗とはこのことです。
メイキングのメイキングといったお話が展開されて、なるほどこんな風に「不夜城」ができたんだなぁと納得。

不夜城にはロケーションあり、室内セットあり、そして種田さん渾身の作であるオープンセットの歌舞伎町(この本ではSLEEPLESS TOWNと書かれています)が混然一体となって、どこが本物の歌舞伎町でどこがセットの歌舞伎町なのかぜんぜん映画を見ただけではわかりません。

この本ではすべての写真に「shinjuku」「sleepless town」と注釈が書いてあり、それを見て初めて、あぁあの健一のあのシーンがセットで、あれはロケなんだと納得した次第です。

中でもすごく面白かったのが「カリブ海の部屋」と「カスピ海の部屋」です。

不夜城の原作に出てくる健一の持っている「バー・カリビアン」は監督の最終脚本からは削除されたため、映画の中で健一の住まいはあのビデオ店の屋上の「ペントハウス」です。
でも、種田さんはどうしても「バー・カリビアン」をどこかに作りたくて。。。。。

↑健一のベットの後ろにCARIBBEANと書いたポスターを貼ったのです。

どうしてか、それは健一が「いつか新宿を出て、台湾にも上海にも香港にも行かず、カリブの島へ行くのだ」と夢見ているから。

そこで、私ははたと気づきました
健一の夢って、ダウンタウンシャドーのジャッカルの夢と同じじゃない!!

ブタペストの遊覧船に武とチャーリーが二人きりで乗ったとき、これからどうするのとチャーリーに聞かれた武は「カリブ海」と一言答えます(耳で聞くとカリビ・ハイですね

映画のシーンでもこのポスターはしっかり写っています。


「テラスは広い。くたびれ果てている椰子の鉢を置いた」


この夢にうなされ、夏美からの電話で汗びっしょりになって目を覚まし、テラスで電話を取りシーン、DVDで見ると暗くてよく見えませんが、スクリーンで見るととても明るく健一の表情など見えました。

長くなるので「カスピ海の部屋」についてはまたあとで。

この屋上の部屋についてはゆきんこさんが詳しく書いてくださっています。私も白ネズミさんにはまったく気がつきませんでした
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