今日は朝から何とも重々しい映画を偶然YOU TUBEで観ました。東映の『あゝ同期の桜』(1965)です。先ほど観終えましたが、ラストで鶴田浩二演じる大尉に率いられた特攻隊の最後の1機が敵艦に突入するシーンで、この瞬間に彼らは【まだ生きていた】とのテロップが流れました。同時に【わずか4ヶ月後に終戦】とも。またこの出撃シーンで夏八木勲扮する少尉の機が飛び立つことが出来ずに滑走路の先で積んでいた爆弾が爆発して非業の死を遂げるという印象的なシーンがありました。その出発の寸前に後部操縦席の飛曹長をいったん降ろして司令に伝達に行かせました。命を救ったのです。実はこの前日にこの少尉は別の出撃から飛行不能のため帰還しましたが、後部操縦席の下士官を敵機の銃撃により死なせていました。そのことを叱責していたのが、この日の生かした飛曹長だったのです。もしそのまま同乗して出撃していれば、共に爆死していました。東映の大作映画らしく実に感動的なクライマックス・シーンでした。大仰なタイトルから戦争賛美の娯楽作かと思いましたが、とんでもない話で見事な人間ドラマに仕上がっていました。新型コロナ一色の国内外の情勢の中で、先の大戦の数々の【人道に反する罪】の告発と全人類の絶対平和への遠い道のりについて深く考えさせられる名作でした。・・・《続く》
あゝ同期の桜 東映(オールスター出演) 1965