公園の自転車競走夏に入る
嘆きの壁ぐらりと揺れて夏に入る
渋谷徐々に空の領域夏に入る(コロナ禍より立ち直る)
ジョギングの背の真っ直ぐに夏に入る
蓮池の異次元の青濃くなりぬ
まう会へぬ友五人ほど菖蒲園
蚊の声に耳そば立ててハチ公前
菖蒲田に夕日傾きゐたりけり
かきつばた会うとかならず倒れてゐる
*
修司忌の古びし時計古びしまま
万太郎忌の隔世の感といふ言葉
透谷忌いく時代かがありまして
晴子忌のバウムクーヘンひとつまみ
時彦忌時追ふごとに青つのる
井泉水忌のたった一度のシャッター音
晶子の忌誰もが死ぬが生きてゐる
カフェ・ミュージック
https://youtu.be/kEfkA-bWBT4