
たしか内田樹氏もどこかで言っていたが、『もやしもん』は大学漫画の傑作である。(
この漫画からも分かるように、迫害されたものたち(笑)がルサンチマンに満ちているという偏見は間違いである。ちゃんと生きてゆく場所があれば、愉しくやっているのである。むしろ、ルサンチマンが意識できないほどルサンチマンに満ちているのは、常に迫害する方なのではないか。昨日から黙示録のことを考えていたが、あれが、迫害された使徒が洞窟で怨恨で気もおかしくならんばかりに復讐を妄想したものだとは限らない。人間、勝ち組にいる時だからこそルサンチマンが生じることだってあるのである。安冨歩氏などに言わせれば、それはハラスメントの連鎖なので、勝ち組は元負け組と言うことになろうが、本当にそうであろうか。聖書学については何も知らないから何とも言えないし、まったくの妄想であるが……。ああ、それにしても黙示録はニーチェやらロレンスに題材にしてくださいと言わんばかりの極端さだ。これはちょっと扱おうとする者が感情的になってしまう。それが狙いかもしれない。『もやしもん』にはそれがない。いい漫画だ。いつのまにか社会もこんな大学みたいな世界がいいなと思ってくれりゃいいのかもしれない。天使がラッパ吹いて世界が何回も破滅しているようでは……。