石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

錦糸町はディープな町

2007-11-20 08:51:01 | 雑談
 昨夜はハロー宅に泊まり、目覚めて午前中の錦糸町駅あたりを散歩。ここは、実にディープな、エキゾチックな町だ。

 ちょっと裏通りを歩くと、韓国、フィリピン、中国、インド、などの飲食店がひしめく。公衆電話には、世界中の国々への発信番号がリストアップされている。

 夜には、ロシアや東欧圏の女性たちも出没して「アジア・ユーラシア官能空間」が出現するはずだ。

 昼食はハローからお寿司をごちそうになる。ここは小粋な江戸前が生きている。近くには相撲部屋がたくさんある。お相撲さんたちは、いまは九州で本場所をやっている。

 この町は、鎌倉と直結した、興味尽きない「横須賀線コネクション」だ。

ディズニー・シーでオナラを出来るか?

2007-11-19 08:28:26 | 雑談
 「ディズニー・シー」に妻と出かける。結婚以来の懸案だ。鎌倉から、ボックスシートでおにぎりを頬ばる。気分は早くも旅気分だ。

 現地でハローと、その長女・次女と合流。オラは美女軍団に引率される「オッサン」ひとり。

 ハローは妻の叔母で、赤ん坊だった頃「ハロー」と言って可愛がってくれたので妻が命名した。

 アフター・シックスのチケットを買うところから、気分は「外国旅行」。セキュリティ・チェックまであるから、空港にいるみたい。ゲートを抜ければ、ヨーロッパの夕景に紛れ込んでゆく気分。

 気分、気分と書いたが、まったくもって騙し騙される巨大装置だ。しかし、そう感じさせずにグイグイと、誰もが心の奥にもっている「懐かしさ」に引き込んでゆく。

 水辺のヨーロッパ、1920年代のニューヨーク港、イスラム・モスクの鐘楼・・・ストレートに連れて行ってくれる、「ごちそう空間」。

 「インディー・ジョーンズ」のトンネル内で絶叫マシーンに乗って、オラはおたけびをまき散らしたのであった。3000円代で、こんな気分転換ができるところは少ないかも。

 話にきいていたが、どこもかしこもゴミがない。トイレもきれいで匂いさえしない。夢を壊さず、現実を思い出させない。おならをしたら連れてゆかれそう。徹底した清潔管理に脱帽!

 今や世界から絶滅した「エキゾチズム」が、ここだけには管理・保存されています。

日本的叙情とは何だろうか

2007-11-18 21:48:53 | 雑談
浜離宮ホールでの、男声合唱団「PaPas」のコンサートに行った。以下は団員のひとりへ送ったお礼文。


 すばらしいコンサートにお招き頂き、ありがとうございました 。

 PaPas は、日本の叙情を歌わせたら最も優れた男声合唱団ではないか。この日のステージは、今や枯れ果てた日本の叙情が、最も熱く息づく現場となりました。

「波のよう」というのが妻の最初の感想でした。引いては寄せてくる、高みで果てる、崩れてゆく。声のうねりが、確かに水や波を思わせました。

そう言えば、いくつも「水」を描写した歌詞が心地よかったです。

千曲川いざよう波の/浪間に沈むるひとも舟も/海は荒海、向うは佐渡よ/きよらかにひびく水よ・・・

ひょっとすると水は、叙情という海を漂うために欠かせないものかも知れません。プログラムの変更は、はからずも日本の叙情について、考えるよすがとなりました。

あはれ、さびし、みじめ、くやし・・・それを自己陶酔に昇華する日本の叙情は、子供には歌えません。少年合唱団の無垢や、ミッチミラーのフラットな明るさにはなじみません。

それを歌うには、年輪を重ねた、大人の男たちがふさわしい。

日本語の子音が作る美と緊張感が、合唱という「呼吸する楽器」に響きあう。それを歌わせるには、小山和彦氏のような一流の編曲者が不可欠です。

「花」ある指揮者と、「粋」を心得たピアニストも加えて、さながら、波寄せるアンサンブルを聞かせて頂きました。ありがとうございました。

ゲイに言い寄られた夜

2007-11-17 17:43:54 | 雑談
逗子在住の「ベリーダンサー」のお宅に妻と行く。今年のボージョレー・ヌーポーを楽しむ会。ダンスの生徒である美女たちや、ご主人の仕事柄、広告関連のご友人が集い、午後2時から、深夜までワイン、ワイン、ワインの乾杯つづき。

 湘南の日暮れが赤く染まる夕暮れ時、庭で炭火をおこして鴨の肉を焼く。肉汁がしたたり落ちる宴に、アラビアン・ドラム響いて、女たちのベリーダンスが始まった。

 ここは千夜一夜のバグダッドか、それとも月の砂漠、テントの中? ミッドナイトの濃密な空気のなかで、オラはゲイの男に言い寄られた。「今世紀、一番のひとよ、あなたは」

 ゲイで気付いたことは、手振りや身もだえなど、言葉とともに実に自然にアクションが伴う。その率直さに、改めて感銘を受けた。彼のプロポーズを受け入れるかどうかは、別のモンダイだが・・・

読売新聞の未来

2007-11-16 00:52:49 | メディア
「ナベツネ論」原稿を編集部に送る。すぐに「面白かった」という返信あり。櫻井よしこさんの稿と並べて掲載の由。最近の彼女の、歴史認識・国家論・中国叩き、いずれも目に余る粗製濫造ぶりを思うと、並べて欲しくない。
 
 しかし、ニュースキャスターという安逸なるポジションから身を引いて、「筆」にライフ・シフトし、持続していることは高く評価したい。内容は別にして。

 ナベツネについては、書き終わった後、あれこれ疑問や思いが沸いてきた。

 読売新聞を1000万部超のスーパー・ペーパーにした彼のパワーには、政界・スポーツ・文化・芸能・各ジャンル、もの皆が「ハハーッ」と拝跪する。しかし、スポーツひとつ取っても、サッカー、野球をすっかりかき回してくれたが、彼の口から何のビジョンが語られたであろうか?

 今の読売新聞にいかなるビジョンありや? ナベツネなきあと、誰も操縦できないまま、みにくい「でくのぼう」として放置されるのではないか。

毎日がフィナーレ

2007-11-15 10:44:00 | 雑談
 ナベツネを「老害」の典型とみる向きがある。オラは「影響力」という観点から考えてみた。

 ナベツネの行動を「メディアとして行き過ぎ」と批判する声が多数だが、オラには「影響力なき者」の怨嗟と嫉妬に聞こえる。

 いま、老若男女に蔓延している気分は「自分には影響力がない」という自信喪失だ。だからこそ「影響力の星」として天高く輝くナベツネがまぶしいのだ。

 かくも「老いる」ことに希望がもてない時勢にあって、ナベツネ81歳の老人ぶりは桁外れである。

 読売グループの人事・財務を我がものにし、巨人軍と相撲協会を叱り、きのうは赤坂「福田屋」、今夜はホテル・オークラ「山里」で閣僚や元首相を呼びつけて指図する現役ぶり。

 パイプくゆらせ、老妻との散歩でゆとりもアピールしつつ、主筆として社説を書きつづけ、若き日に入社を夢見たあこがれの「中央公論社」を子会社として手に入れた、書生としての満足。

 もう、いつ死んでもいい、「毎日がフィナーレ」な暮らしぶりではないか。

現役男子でございます

2007-11-14 23:07:07 | 雑談
「しなければならないこと」が一杯あるようで、それが強迫観念を作る。

 出来れば「したいことだけ」で思いを一杯にしたいなー。

 義務や、使命や、依頼されることがが全くないのも寂しいだろうか。

 そればかりだと、「何をしたかったか」を、忘れてしまうようで焦る。

 焦る老後はイヤですね。

 色っぽい、艶っぽい「現役男子」でいたいものです。

 「男児」じゃありませんよ。

きょう、「宝島」編集部から緊急連絡。ナベツネについて巻頭エッセーを2000字で書いてほしいとのこと。明後日までに。

 それはしなければならない。したいことである。

回転寿司屋は劇場

2007-11-13 22:31:04 | 雑談
夕食は鎌倉の海岸近くの回転寿司へ。以前より味が良くなった。ネタの新鮮さもあるが、「声の鮮度も大事だよ」と妻が指摘する。

 若い板前が、率先して声を挙げていた。店のスタッフが、彼の声に呼応して、店内全体に活気を作っていた。

 回転寿司屋がシーンと静かだったら、あんまり食が進まないだろうな。拡声器でガンガンやられたら、もっとイヤだ。音楽も寿司に似合わない。なるほど、適度なナマの声がいいね。

 一種の劇場空間だから、歌舞伎の掛け声のように、粋のいいタイミングが大事です。 

ブッシュの急降下

2007-11-12 22:21:41 | 政治
ブッシュ大統領の親父、「パパ・ブッシュ」が83歳の誕生記念に、飛行機からパラシュート降下をした。

 海外ネタが欲しいテレビ各局は、早速この映像に飛びついて放送した。

 それを見ながら、妻が一言「これでブッシュ・ファミリーの株価も、急落の一途だね」

いつでも敵が必要なアメリカ

2007-11-11 23:17:22 | 雑談
 海岸の「スカイラーク」で朝食。ドイツ人のライナーさんと一緒になる。昨日のハドリーさんとの会話を再現して伝えたら、いたく感動していた。次のような話題になった。

 アメリカは常に外部の敵を必要としている。"USA always needs external devil."
1920年代はアナキスト、30, 40年代はナチスとジャップ、50年代はスターリンと共産主義、その後キューバやベトナムを敵にして、冷戦が終わったら「テロリスト」。

 アメリカは、それによって国内統制と「産軍複合」を維持してきた。敵はリアルだろうか、フィクションではないか。

 午後、妻のお母さんが風邪を押して来訪。オラの誕生祝いに、ワインをプレゼントしたいと言う。一緒に海岸の「湘南ワインセラー」に出向き、普段は滅多に買えない代物を買って頂く。2本で軽く1万円。

 赤ワイン Bourgogne Pinot Noir 1989 Nicolas Potel
 白ワイン Chablis Premier Cru 2005 Jean-Marc-Brocard