teeter-totter

志野の映画やTVや本や旅行や美味しいモノに関する与太話。
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映画「オリバー・ツイスト」

2006-02-15 23:57:34 | 映画
ジャンル:ヒューマン
製作年:2005年
製作国:イギリス
配給:東芝エンタテインメント、東宝東和
原作:ディケンズ
監督:ロマン・ポランスキー
出演:バーニー・クラーク
サー・ベン・キングスレー
ハリー・イーデン
ジェイミー・フォアマン


19世紀の英国。救貧院生まれの孤児オリバー・ツイストは満足な食事も与えられない救貧院から葬儀屋に奉公に出されるが、そこでも不当な待遇を受けロンドンを目指して逃げ出す。スリの少年に拾われ彼らを養うフェイギンという男に食事と寝床を与えてもらう。少年達のスリの現場に連れて行かれたオリバーはスリの疑いをかけられて逮捕されるが、疑いは晴れる。法廷で倒れたオリバーを、ハンカチを盗まれた裕福な紳士ブラウンロー氏が自宅へ連れ帰り引き取ることにするのだが、フェイギンと悪党仲間のビルはそんなオリバーを無理矢理連れ帰ってしまう・・・。


天使のような孤独な少年オリバーが苦労の末に幸せを掴むという、英国文豪ディケンズの名作を、「戦場のピアニスト」のロマン・ポランスキー監督が映画化。19世紀の街を丸ごと再現してしまったその映像は細部まで緻密に表現されている。少年達が走り回る路地や活気溢れる市場、馬車が行き交う街路。スリの少年達が住まう古ぼけた部屋も生活している息づかいが聞こえてきそうな程。オリバーを引き取る紳士の家はヴィクトリア様式の洗練された建物で清潔なベッドと美しく飾り付けられた廊下の装飾が、オリバーの貧しい暮らしとのギャップを目の当たりにさせる。
わずか9歳の少年が味わう労苦は現代からは想像もできないが、当時の救貧院の暮らしなど英国の下層階級の貧困ぶりは有名な話。逃げ出したものの流されるように悪い少年達の仲間に加わることになるオリバーだが、その無垢な心は汚されること
はなく、最後にフェイギンを牢獄に見舞った彼が、辛い目に遭わされながらも救ってもらった恩を感謝し「一度で良いから神様に謝って」という。気の狂ったようなフェイギンに「どうか赦してやって」と涙を流すオリバーの優しい心は、どんな環境に居ても挫けない強く美しい魂というものがあるのだということを観客に訴えていると感じた。
原作を読んでいる大人が観るには素直すぎる作品ではあるが、ポランスキーの、子供に訴え掛けられる作品を作りたいという気持ちが伝わってくる上質の映画。
OP・EDの挿画から実写へと映る映像が美しい。
コメント (4)
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映画「単騎、千里を走る。」

2006-02-15 23:38:22 | 映画
ジャンル:ヒューマン
製作年:2005年
製作国:中国
配給:東宝
監督:チャン・イーモウ
日本編監督:降旗康男
出演:高倉健
リー・ジャーミン
ジャン・ウェン
チュー・リン
ヤン・ジェンボー


昔仲違いしたままの民俗学者の息子が末期癌だと知り、息子のために中国奥地の仮面劇を撮りに行く事に決めた父親・高田。息子が何を考え、何をして来たのかを知りたいと思う高田は、投獄されている仮面劇の役者に「単騎、千里を走る」を演じてもらうために彼の息子をさらに奥地の村へと連れに行く。高田の愚直な気持ちに心打たれた人たちが彼の願いを叶えようと高田と共に奔走する。息子に会いたくて泣いた父親、父親を見たこともない小さな男の子と、そんな彼らと接することによって、高田は自分たち親子の関係を見つめ直すのだった。


チャン・イーモウによる高倉健のための映画。とまさに言いたくなるような作品でした。言葉少なで不器用な父親。中国奥地の村に実際に住んでいる住人たちによ
るドキュメンタリーのような素朴で味わいのあるやりとり・風景。チャン・イーモウが高倉健をどのように捉えているのかが深く伝わるしみじみと感動を味わえる作品になっています。古い家並み、二人が迷うやさしい眼差しに満ちあふれている。
奥地の住人さえも「高倉健」の顔も名も知っているそうです。中国で初めて上映されたという「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)を是非見てみたいと思いました。
日本編の撮影は降旗監督。すんなりとイーモウ監督の映像と解け合っています。
佳作な小品といえるでしょう。
コメント (2)
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トリノ・フィギュアスケート男子シングルSP

2006-02-15 22:17:47 | スポーツ
やっぱり王者プルシェンコ(露)は強い!得点は90.66点。2位のジョニー・ウィア(米)とさえも10.66点差。3位はランビール(スイス)、4位はブライアン・ジュベール(仏)、そして5位に高橋大輔。
プルシェンコは最初の4回転-3回転がちょっとミスをしたのみでほぼ完璧な演技でした。フリーでも魅せて欲しいですね。ウィアも美しかった!ジャンプもしっかり決めてきて、流れるような滑りでした。ランビエールは足を痛めているとのことですが、それを全く感じさせない力強い演技でした。高橋は1番手というプレッシャーで最初は緊張してたみたいでトリプル・アクセルをミスしましたが、あと踏ん張った!どんどん波に乗ってきて、華麗なステップで観客を魅了してくれました。ホント精神的に強くなったよね。
プルシェンコの1位は揺らがないのではというのが正直な感想ですが、2,3位はどの選手もフリーで巻き返せる可能性があるような感じです。
楽しみだー☆
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