教育基本法や共謀罪などをめぐる与野党攻防の陰に隠れて、
防衛庁の省昇格法案が先月30日、衆院を通過しました。
発足当時からの悲願、と言われてましたが、それにしてもなぜ
この時期に昇格させなければならないのか、具体的な説明は
なされないままです。
「国民の安全を守るために」というのなら、警察庁だって海上
保安庁だって昇格させなければいけないはずです。
「他国はみな省だから」というのも、憲法との整合性や歴史的
経緯を全く無視した稚拙な主張ですね。
「自衛権までは放棄していない」というのは後からこじつけた
解釈であって、現在の憲法が制定された時に将来の再武装
化は想定されていなかったことは、当時の政府答弁などから
も明らかです。
最初に創設された警察予備隊は、朝鮮戦争のために日本を
離れた米軍に代わる「治安警察」でした。それがいつの間に
か恒久化され、現在に至っているわけです。
仮に「現にあるものは仕方が無い」という「現実的対応」をした
としても、それを「理想」に近づける努力が求められこそすれ、
なし崩し的な増強・拡大は許されるべきではありません。
私がこう申し上げるのは、これまでにも何度か書きましたが、
憲法九条は天皇制維持のために必要不可欠だったという
歴史的経緯があるからです。
ムッソリーニは抵抗運動家らに処刑され、ヒトラーは自殺しま
したが、もし生きていれば間違いなく、国際軍事法廷で死刑
になっていたでしょう。サダム=フセインはイラク国内の法廷
で裁かれた形(しかも戦争責任や大量破壊兵器とは無関係
の国内問題で)にはなっていますが、東京裁判を否定する
人たちが槍玉に挙げる「人道に対する罪」で死刑判決を受け
たことに対し、この国の為政者も多くの国民も全く異を唱え
ていません。
つまり、憲法九条無しに昭和天皇は無事でいられなかった
し、天皇制存続も危うかったのです。それが当時も今も世界
の「常識」です。
だとすれば、憲法九条を改悪もしくは骨抜きにすることは、
「戦争責任」問題をもう一度蒸し返し、天皇制を含めたこの
国のあり方を根本から問い直すこと抜きにはありえない、
というか、あってはならない筈です。
少なくとも、自民党の改憲案のようなものは、「戦前回帰」
としか受け止められなくて当然で、認められません。
さらにもう一つ、無視できない歴史上の問題として「統帥
権の独立」が絡んできますが、少し長くなりましたので、
続きは次回に。
防衛庁の省昇格法案が先月30日、衆院を通過しました。
発足当時からの悲願、と言われてましたが、それにしてもなぜ
この時期に昇格させなければならないのか、具体的な説明は
なされないままです。
「国民の安全を守るために」というのなら、警察庁だって海上
保安庁だって昇格させなければいけないはずです。
「他国はみな省だから」というのも、憲法との整合性や歴史的
経緯を全く無視した稚拙な主張ですね。
「自衛権までは放棄していない」というのは後からこじつけた
解釈であって、現在の憲法が制定された時に将来の再武装
化は想定されていなかったことは、当時の政府答弁などから
も明らかです。
最初に創設された警察予備隊は、朝鮮戦争のために日本を
離れた米軍に代わる「治安警察」でした。それがいつの間に
か恒久化され、現在に至っているわけです。
仮に「現にあるものは仕方が無い」という「現実的対応」をした
としても、それを「理想」に近づける努力が求められこそすれ、
なし崩し的な増強・拡大は許されるべきではありません。
私がこう申し上げるのは、これまでにも何度か書きましたが、
憲法九条は天皇制維持のために必要不可欠だったという
歴史的経緯があるからです。
ムッソリーニは抵抗運動家らに処刑され、ヒトラーは自殺しま
したが、もし生きていれば間違いなく、国際軍事法廷で死刑
になっていたでしょう。サダム=フセインはイラク国内の法廷
で裁かれた形(しかも戦争責任や大量破壊兵器とは無関係
の国内問題で)にはなっていますが、東京裁判を否定する
人たちが槍玉に挙げる「人道に対する罪」で死刑判決を受け
たことに対し、この国の為政者も多くの国民も全く異を唱え
ていません。
つまり、憲法九条無しに昭和天皇は無事でいられなかった
し、天皇制存続も危うかったのです。それが当時も今も世界
の「常識」です。
だとすれば、憲法九条を改悪もしくは骨抜きにすることは、
「戦争責任」問題をもう一度蒸し返し、天皇制を含めたこの
国のあり方を根本から問い直すこと抜きにはありえない、
というか、あってはならない筈です。
少なくとも、自民党の改憲案のようなものは、「戦前回帰」
としか受け止められなくて当然で、認められません。
さらにもう一つ、無視できない歴史上の問題として「統帥
権の独立」が絡んできますが、少し長くなりましたので、
続きは次回に。
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