神原ワールド稽古場日誌

神原ワールドが繰りひろげる劇の世界・公演のお知らせ・稽古場の模様を皆様にお届けします♡

Mr.nobody

2024-02-06 15:55:08 | 演劇


 夜明け前の3時半。ふと目を覚ます。いつの間にか眠っていたみたいで、睡眠障害は相変わらずのようです。
 以後眠れず、ぼんやりと10年くらい前のことを考えていました。
 あの頃劇団に、力を秘めていた俳優がおり(今は郷里で暮らしております)、何とかひと皮剝けないかと思案しておりました。実力もあり真面目な人でしたが、なぜかセンターフライやレフトフライにおさまってしまう。あと5メートルで大谷翔平みたいなホームランなのに…。もっとはっちゃけたらいいのになぁと常々思っておったのです。しかし、あまりそういう意味で熱心ではないように見受けられ、私の方が段々イライラして来てしまったのです。
 ある時、私がそのことで怒ってしまい、へそを曲げてしまいました。私の怒りの意味がわからない俳優殿は当然のように逆ギレしますよね。しかしながら、私のこの腹立ちは全く意味のないものだとわかります。俳優殿は言います「最近しまさんと話していても特に参考になることはない」と。
「あ、な~る。」その時私は腑に落ちました。自分が全くリスペクトされていないことに気づいたのです。そりゃそうですよ、大したことない奴に怒られたって、自分に原因があるなど思いもしませんよね。その瞬間、私はとても恥ずかしくなりました。私の中に、何か驕りのようなものがあったのかも知れません。もっと謙虚にコミュニケーションを取っていれば、きっとわかってもらえたと思います。私が傲慢だったのです。その日、私の自信とキャリアはぐぁらぐぁらと音を立てて崩れてしまったのでした。
 例え、帝劇で主役を張ろうと(張ってませんが)、トムクルーズと共演しようと(共演してませんが)それは全て過去ではござらんか。何十年芝居をやっていても、評価されるべきは今なのだということを、私は忘れていたのかもしれません。(俳優殿はちっとも悪くないのです)私は猛省しました。(>_<)申し訳ない💦



 長くやっている先達だからというだけで、リスペクトもされないダイコン風情が知ったような口をたたいておったのです。私は何者でもない~nobodyだったのです。例え46年前から芝居を始めたとしても、今日という日は今日だけなのです。これまでの時間で、実力はついたかもしれませんが、重要なのは今なのです(思い出は別)。自分は自分であるだけなのです。誰でもない自分。
Mr.nobody.



 この業界、長くやってりゃいいってもんじゃないのよ。何年やってようと今日がダメならダメなんだって。 肝に銘じます<(_ _)>




 

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