ふたりの生活。

東京の下町で暮らすふたりの生活

父の日⑦。みかん。

2007-06-19 | 

父が目覚めたので

デザートに用意しておいた柑橘類を出した。

(甘夏のようなものを想像してください。正しい名前がわからない。

ちなみに 用意しておいたと言っても 近所の人のおすそわけのそのまたおすそわけである。)

 

柑橘類は 中が袋状に分かれている。

温州ミカンなら皮だけむいて袋のまま食べるけど

それ以外の場合は袋もむくのが 私の好みである。

その方がおいしいからだ。

 

食卓で 私が両親のために袋むき作業に没頭していると

父が口を出してきた。

『カワに栄養があるのに、 もったいないじゃないか。

・・・・もったいないのか?

おいしいものを よりおいしく食べさせたいだけなのに。

 

「だったら 袋だけを食べればいい。と 意地悪な私は言いたくなるのであった。

さすがにそれは言わないが

袋をむいたものと むいていないものを 食べ比べてもらうことにした。

 

袋つきを口に入れてから 父は入れ歯のことを思い出したらしい。

袋なしを食べる前に

『むいてた方がいいなと 小さい声で言うのであった。

 

ついでに 今気づいたが 

<カワに栄養がある>、っていうのは 

外側のかたい皮のことなんじゃないのかなぁと 思わないこともない。

まぁ、どっちでも良いが。

 

 

 

  <つづく>

 

 


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