先日、私は愛する夫のために 野菜炒めを作ろうとしていた。
鍋と油を加熱しすぎて
野菜を入れた瞬間、
何かが とんできた。
「ぎゃっっ!!!!」
熱いしぶきが 目のあたりを直撃したのだ。
(この時点では 目だかそのそばなのか分かっていなかった。)
とにかく 熱かった。で、痛い。
私は夫に助けを求めた。
「ちょっと手伝って~~~」
とにかく、この鍋を振ってもらわないと
時間をかけて準備したお野菜ちゃんたちが 真っ黒焦げだ・・・・という一心だった。
しかし、
私のピンチに駆けつけるはずの夫は
ソファーで ZOOKEEPERの 真っ最中であった。
『ちょっと待ってて~~~~』と やたらに呑気なのである。
それが 野菜炒めの行く末を 自分の顔の火傷より心配した立派な嫁に対する言葉であろうか?
私はボー然とした。
しかし、
刻一刻と野菜ちゃんたちは加熱されているのである。
冷たい夫のことを非難している場合ではない。
痛みに耐えて
片目で 私は野菜炒めを完成させた。
完成させてすぐ 鍋を食卓に運び
自分で冷凍室から保冷剤を出して 患部に押し当てた。
鏡で確認すると 小さく赤くなっていた。
こーゆー場合
「手伝って~~」という援護の要請の前に
「ぎゃっっ!!」と叫び声をあげた時点で
『どうしたのっ!?!?!?』と すっ飛んでくるのが
いつもの「ま」さんである(・・・と、私は 能天気にも信じていた)。
なんだか がっかりなのである。 痛みと失望で くらくらした。
火傷は小さいが やたらに痛い。
目の横の小さい火傷が痛いのか 心が痛いのかがよく分からない。
ZOOKEEPERがひと段落ついたところで 「ま」さんはやっと 私の顔を見た。
保冷剤を目に当てた私は たぶん ひどい表情をしていたのに違いない。
『ごめんな~~』と言いながら 野菜炒めを鍋から皿に移した。
顔を冷やしながら 野菜炒めを食べた。
不味かった。
たぶん、
このことは かさぶたが取れても しばらく忘れないと思う。