第12回は「12月定例会その四 連合審査会」
はじめに。
本定例会から委員会、本会議はYouTubeでご覧になれます。
議会情報番組瀬戸市議会で検索してください。
12月12日午前10時から瀬戸市議会で初の連合審査会が開かれました。
瀬戸市議会会議規則第70条:委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、他の委員会と協議して連合審査会を開くことができる。
この会議規則に基づき、全ての常任委員会委員(全議員)が参集して審査します。
今回は第63号議案「第6次瀬戸市総合計画基本構想の策定について」と第67号議案「瀬戸市事務分掌条例の一部改正について」を連合で審査することになりました。
この二つの議案は総務生活委員会に付託されたものなので、連合審査会に「採決権」はありません。
連合審査会では議案の質疑と意見交換を行い、可否の採決は総務生活委員会で行います。
審査会のやり取りはYouTubeでご覧ください。
5時間30分に及んだ審査会の後、行政側が第67号議案を撤回したいと突然申し出てきました。
連合審査会開催も初めてですが、行政側が議案を撤回するというのも本市議会での記憶にありません。
さてここからが本稿の「視点・観点・論点」です。
行政側からの申し出に対し、議会側の取り扱いについて1時間以上議員間で折衝が行われました。
結果から報告しますと、戸田議長は撤回申し出を受け入れました。
なぜ総務生活委員会を開き、粛々と採決に至らせなかったのか。
採決をせず、撤回を受け入れるのなら、長時間に及ぶ審査会の審査は何だったのでしょう。
議会は議決権、選挙権、監視権、意思表明権、自律権等、種々の権限が認められ、その行使を市民から負託されています。
だから住民の代表機関と位置づけられているのです。
中でも重要なのが議決権です。
これは行政側から上程された議案審査の結果を議決するという単純な権限ではありません。
執行機関の行政執行の事前・事後の統制機能という役割。
そして地方公共団体の最終的な意思決定、自治体の最終的な意思決定を行う権限なのです。
常任委員会での採決を経ないまま、行政側の都合で出された撤回を受け入れたということは、極論すれば議会の議決権放棄です。
なにより採決をしていないのですから、行政側への「議会の意思」は何も表明していないことになりました。
このような議会運営が許されるのなら、審査会など開かずとも、議長が各議員に議案に対する意見を聴取して「どうやら議案反対議員が多数のようですよ、撤回しますかどうされますか?」と執行部に聞いたのとさして変らないでしょう。
案の定、行政側の撤回理由は「さらに熟考すること」です。
「可決いただけないようですから」ではありません。
これからもっと考えたいというのが理由です。
この書類は表記からしておかしなものです。
瀬戸市議会議長 戸田由久殿
瀬戸市長 伊藤保徳
「事件撤回請求書」
理由
瀬戸市議会12月定例会において上程されました、第67号議案 瀬戸市事務分掌条例の一部改正につきまして、本日開催の連合審査会での様々な意見を踏まえ、その内容についてさらに熟考することと判断いたしましたので、本議案につきましては、撤回をさせて頂きたいと存じます。また、それに関連する「第68号議案 行政組織改編に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について」、及び「第85号議案 平成28年度瀬戸市一般会計補正予算(第6号)」につきましても、同様に撤回させて頂きたいと存じます。
と書かれています。
筆者には意味不明です。
提出者が議会に事件の撤回を請求???
「議案撤回承諾依頼書」と書くのが日本語ではないでしょうか。
議会は採決することなく「さらに熟考したい」という要求を認めました。
ならば近日にも「さらに熟考したので、議案上程します。ご審議ください」と行政側が言えば議長はどうするのでしょうか。
今回の議会運営は法的手続きに齟齬はありません。
地方自治法は議案の撤回など想定していないので、自治法に規定はありません。
その取り扱いは各自治体の会議規則によります。
瀬戸市議会会議規則第17条:会議の議題となった事件を撤回し、又は訂正しようとするとき及び会議の議題となった動議を撤回しようとするときは、議会の承認を要する。
この規則に基づきます。
論点は法的根拠ではなく、議会が行うべき役割の意義を議会人がどう捉えているのかという「理念」なのです。
瀬戸市議会は議会基本条例を策定中です。
案文には、議会機能の強化を諮り、市民の負託に的確に応えて・・・公正で民主的な市政の発展に寄与・・。
市長等執行機関に対し、適切な市政運営が行われているか監視し、評価する。
などなど、教科書的な美しいコトバがちりばめられています。
この基本条例の文言に留まらず、具現を示す絶好の機会を逸したと言わざるをえません。
戸田議長は「撤回するなら委員会採決後にしていただきたい」となぜしなかったのでしょう。
本会議場において撤回したいということに15名の議員が賛成、10名の議員が反対しました。
どうして委員会採決をしないまま撤回を承認したのか、市民に対し明確な説明責任があります。
まさか「市長が取り下げたいと言ってるのだから、まぁいいじゃないかぁ」という訳ではありますまい。
当ブログは再三提言してきました。
可でも否でも、その職責を忘れず、いつでも市民に説明できる覚悟で権能を使ってくださいと。
また、伊藤市長はなぜ撤回に至ってしまったのか。
熟考と言われるのなら、なにが未熟であり、原因は何だとお考えなのか。
首長として市民への具体的説明責任があるでしょう。
議会も首長も、無かったことにはできません。
第67号議案、組織改編について
9月定例会一般質問に
「検討中、検討中、検討中です」と理事者答弁。
↓
連合審査会の質疑に
「精査、精査の結果です!」と理事者説明。
↓
審査会後
「熟考したいので撤回する」
議会
「わかりました承諾します」
みなさんご納得いただけますか?
議会は行政執行部のどこが、なにが問題なのか、
首長になにも言わないままに定例会を閉じるおつもりですか。
第67号議案に対し、議会は意思を示していません。
各議員が意見を言っただけです。(座談会だったのですかぁ)
今回も読了いただきありがとうございました。
はじめに。
本定例会から委員会、本会議はYouTubeでご覧になれます。
議会情報番組瀬戸市議会で検索してください。
12月12日午前10時から瀬戸市議会で初の連合審査会が開かれました。
瀬戸市議会会議規則第70条:委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、他の委員会と協議して連合審査会を開くことができる。
この会議規則に基づき、全ての常任委員会委員(全議員)が参集して審査します。
今回は第63号議案「第6次瀬戸市総合計画基本構想の策定について」と第67号議案「瀬戸市事務分掌条例の一部改正について」を連合で審査することになりました。
この二つの議案は総務生活委員会に付託されたものなので、連合審査会に「採決権」はありません。
連合審査会では議案の質疑と意見交換を行い、可否の採決は総務生活委員会で行います。
審査会のやり取りはYouTubeでご覧ください。
5時間30分に及んだ審査会の後、行政側が第67号議案を撤回したいと突然申し出てきました。
連合審査会開催も初めてですが、行政側が議案を撤回するというのも本市議会での記憶にありません。
さてここからが本稿の「視点・観点・論点」です。
行政側からの申し出に対し、議会側の取り扱いについて1時間以上議員間で折衝が行われました。
結果から報告しますと、戸田議長は撤回申し出を受け入れました。
なぜ総務生活委員会を開き、粛々と採決に至らせなかったのか。
採決をせず、撤回を受け入れるのなら、長時間に及ぶ審査会の審査は何だったのでしょう。
議会は議決権、選挙権、監視権、意思表明権、自律権等、種々の権限が認められ、その行使を市民から負託されています。
だから住民の代表機関と位置づけられているのです。
中でも重要なのが議決権です。
これは行政側から上程された議案審査の結果を議決するという単純な権限ではありません。
執行機関の行政執行の事前・事後の統制機能という役割。
そして地方公共団体の最終的な意思決定、自治体の最終的な意思決定を行う権限なのです。
常任委員会での採決を経ないまま、行政側の都合で出された撤回を受け入れたということは、極論すれば議会の議決権放棄です。
なにより採決をしていないのですから、行政側への「議会の意思」は何も表明していないことになりました。
このような議会運営が許されるのなら、審査会など開かずとも、議長が各議員に議案に対する意見を聴取して「どうやら議案反対議員が多数のようですよ、撤回しますかどうされますか?」と執行部に聞いたのとさして変らないでしょう。
案の定、行政側の撤回理由は「さらに熟考すること」です。
「可決いただけないようですから」ではありません。
これからもっと考えたいというのが理由です。
この書類は表記からしておかしなものです。
瀬戸市議会議長 戸田由久殿
瀬戸市長 伊藤保徳
「事件撤回請求書」
理由
瀬戸市議会12月定例会において上程されました、第67号議案 瀬戸市事務分掌条例の一部改正につきまして、本日開催の連合審査会での様々な意見を踏まえ、その内容についてさらに熟考することと判断いたしましたので、本議案につきましては、撤回をさせて頂きたいと存じます。また、それに関連する「第68号議案 行政組織改編に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について」、及び「第85号議案 平成28年度瀬戸市一般会計補正予算(第6号)」につきましても、同様に撤回させて頂きたいと存じます。
と書かれています。
筆者には意味不明です。
提出者が議会に事件の撤回を請求???
「議案撤回承諾依頼書」と書くのが日本語ではないでしょうか。
議会は採決することなく「さらに熟考したい」という要求を認めました。
ならば近日にも「さらに熟考したので、議案上程します。ご審議ください」と行政側が言えば議長はどうするのでしょうか。
今回の議会運営は法的手続きに齟齬はありません。
地方自治法は議案の撤回など想定していないので、自治法に規定はありません。
その取り扱いは各自治体の会議規則によります。
瀬戸市議会会議規則第17条:会議の議題となった事件を撤回し、又は訂正しようとするとき及び会議の議題となった動議を撤回しようとするときは、議会の承認を要する。
この規則に基づきます。
論点は法的根拠ではなく、議会が行うべき役割の意義を議会人がどう捉えているのかという「理念」なのです。
瀬戸市議会は議会基本条例を策定中です。
案文には、議会機能の強化を諮り、市民の負託に的確に応えて・・・公正で民主的な市政の発展に寄与・・。
市長等執行機関に対し、適切な市政運営が行われているか監視し、評価する。
などなど、教科書的な美しいコトバがちりばめられています。
この基本条例の文言に留まらず、具現を示す絶好の機会を逸したと言わざるをえません。
戸田議長は「撤回するなら委員会採決後にしていただきたい」となぜしなかったのでしょう。
本会議場において撤回したいということに15名の議員が賛成、10名の議員が反対しました。
どうして委員会採決をしないまま撤回を承認したのか、市民に対し明確な説明責任があります。
まさか「市長が取り下げたいと言ってるのだから、まぁいいじゃないかぁ」という訳ではありますまい。
当ブログは再三提言してきました。
可でも否でも、その職責を忘れず、いつでも市民に説明できる覚悟で権能を使ってくださいと。
また、伊藤市長はなぜ撤回に至ってしまったのか。
熟考と言われるのなら、なにが未熟であり、原因は何だとお考えなのか。
首長として市民への具体的説明責任があるでしょう。
議会も首長も、無かったことにはできません。
第67号議案、組織改編について
9月定例会一般質問に
「検討中、検討中、検討中です」と理事者答弁。
↓
連合審査会の質疑に
「精査、精査の結果です!」と理事者説明。
↓
審査会後
「熟考したいので撤回する」
議会
「わかりました承諾します」
みなさんご納得いただけますか?
議会は行政執行部のどこが、なにが問題なのか、
首長になにも言わないままに定例会を閉じるおつもりですか。
第67号議案に対し、議会は意思を示していません。
各議員が意見を言っただけです。(座談会だったのですかぁ)
今回も読了いただきありがとうございました。