俳句を詠むとは、日常の事象に定義を与え、楽しむようなものである。詠み手が好きなように詠み手の詞で名付ければ良い。そして、詠み手以外の誰かが詠み手の定義を読んで楽しさを共感してもらえるならば、楽しさはいっそう膨らむ。この「定義あそび」が俳句の楽しさであると宮坂氏はいう。俳句の鑑賞とは、俳句の読み手がその人流に共感した道筋を語りながら、さらなる読み手を誘うようなものではないか。楽しさを共有する者が増え . . . 本文を読む
岸本葉子氏の「季語と俳句」を読んでいます。「灯火親しむ」という季語があります。 灯火親しむ四人の食器片付けて 岸本葉子 「四人の食器」は家族とも仲間と考えてもいいと。 すべきことを終えて一日のしまいの方で、やっと本を読んだり 日記を付けたりの時間が持てる。 役割から解放された一人の時間。 雑事に埋もれそうな日々だから束の間の読み書きの時間が かけがえのないものとな . . . 本文を読む
岸本葉子氏の「俳句の学び方」からずっとこの方の本を勉強中です。「俳句で夜遊び覚えました」とか、危ない題の本もあります。句集「つちふる」と言う本も出してます。立派な俳人。元々エッセーの作家の方なので読みやすい本です。正直ちょっと息抜きの面もあります。この本に「二階へと無月の客を通しけり」という句があります。俳人に「あいにくの雨はない」と言う詞があります。花見を考えていたが、あいにく雨が降ってきた時の . . . 本文を読む
兼題「聖夜」を考えています。金魚の時代はクリスマスの思い出と言えば、クリスマスの時だけホールケーキを切り分けて食べた思い出ですね。クリスマス以外には、ホールケーキなんて食べなかったです。兄弟で喧嘩して、食べた思い出。そんなときもあったのです。そこで一句。 喧嘩して取り合うケーキ聖夜かな 夕金魚 そんな思い出もありますが、やっばりデートの思い出です。 金魚には、そんな思い出がないので、妄想句です . . . 本文を読む
NHK俳句の兼題「聖夜」です。季語「聖夜」仲冬で行事です。「聖夜」は25日がキリストの誕生を記念した祝祭日で聖樹(クリスマスツリー)に飾り付けをし、聖菓(ケーキ)を食べる。その前夜を聖夜(クリスマスイブ)と呼ぶ。「聖夜」クリスマスイブの事なのです。この時期、クリスマスの句を詠むのはちょっと大変。「秋風」とかでしたら、今でもなんとかできますけど、流石にクリスマスを詠むのは、気持ちが乗らないというか。 . . . 本文を読む
俳人として名を上げた者同士が結ばれる例は多くないようです。田島和生の俳句有情に二人の事が書かれています。気持ちが句作として残っているところが、参考になるかなと。二人の結婚式は昭和21年11月。綾子は再婚で、前夫は病死している。欽一28歳・綾子40歳の年上女房でした。 鶏頭を三尺離れもの思ふ 綾子 結婚する前年の句。 自注で「鶏頭と自分との距離が三尺だと思ったときに何もかもが 急にはっ . . . 本文を読む
俳句勉強中で、ただ今読んでいる本が「田島和生 俳句有情」です。田島は石川県の俳人です。沢木欽一主宰の「雉」の同人です。9月26日追記 沢木欽一主宰は「風」。 「雉」は林徹の主宰でした。 申し訳ありません。著作出版時は滋賀県在住の方です。この方が、俳句の選句の方針を書かれています。1 句意が明確であること。 句意が読んで分からない句は採用できない。2 写生が即物具象であること。 . . . 本文を読む
「息白」を考えています。 母に嘘ついた朝の息白し 夕金魚 寒い朝、朝帰りの娘が母に嘘ついてるのです。 男からの帰りだけど、女の友達の家に泊まったという嘘。 嘘ついても息は白いのです。 息白く口で息して喉渇く 夕金魚 鼻から息を出さないようにしていると、喉がカラカラに。 息白し夫SLのいつもマネ 機関車のマネしていたね息白し . . . 本文を読む
兼題「息白」三冬です。冬の朝、気温が低く吐く息が白く立ち上ること。息の中の水蒸気が、冷気に触れて水滴となり、白く見えることです。例句として 白息を掌にかけて今日始まりぬ 石田波郷 朝若し馬の鼻息二本白し 西東三鬼 動物でも良いのですけど、動物を詠んだ句は少ないようです。そこで一句 偽りを並べ言い訳息白し 息白の嘘言う男好きになり 胸の前小さく手を振り息白し . . . 本文を読む
「星月夜」を考えています。 高浜虚子や藤田湘子もみんな星になっているのかも。 そこで一句。 見上げれば虚子や湘子の星月夜 夕金魚 星月夜支える大樹我支え 夕金魚 多くの星が光る空を支える大樹があるのです。 その大樹を小さな私が支えているのです。 俳句の世界も私のような素人が支えるから、輝くのです。 気持ちだけちょっといいかも。 雅語や歌語 . . . 本文を読む