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お抹茶・お食事 長谷路

2021年02月19日 | +奈良

室生寺を訪れた後、次の目的地である長谷寺に向かう途中、どこかでお昼をいただくことに。例によって 車で走りながら Google Maps で探し、長谷寺の参道にあるお食事処「お抹茶・お食事 長谷路」さんに行ってみようということになりました

なんとも趣のある門構えのこちらの建物は、大正時代の建築で、登録有形文化財に指定されています。お隣の山田酒店さんと敷地がつながっていて、どうやら酒屋さんのご主人がご自宅ではじめられたお店のようです。

庭木が茂り、池に飛び石のある立派なお庭です。お昼の時間がとっくに過ぎているせいか、人の気配がなく「すみませ~ん」と声も掛けるも誰も出てきません。

やがて、呼び鈴代わりの銅鑼?のようなものを見つけてたたくと、ご主人が (おそらく酒屋さんの方にいらしたのでしょう) 出迎えて、離れになっている奥のお座敷に案内してくださいました。

お昼の食事のメニューは、お蕎麦のセット4種類の他、地元の三輪そうめんを使ったにゅうめんセットがありました。セットにはどれも、奈良名物の柿の葉ずし2個がつきます。ご主人自らお蕎麦を用意され、席まで運んできてくださいました。

夫と息子は「鴨なんセット」にしました。鴨肉に湯葉。斜め切りにした青ねぎの緑が目に美しいです。

私は山菜そばセットにしました。素朴でひなびた風情があり、なんとも滋味深くおいしかったです。

柿の葉ずしは、帰りの新幹線で必ず買うほどの大好物。柿の葉で包まれることで、おすしがぎゅっと締まり、なおのことおいしく感じられます。お店によっても多少の違いがありますが、こちらのは小ぶりで私好みでした。

***

江戸時代から続く酒屋のご主人からうかがった話では、ここはもともと長谷寺があるから、というより、お伊勢参りに行く途中の街道筋の街として栄えたそうです。街の名前は長谷ではなく初瀬(はせ)、街道の名前は初瀬街道といいます。

もちろん当時はまだこの地に鉄道が通っていませんでしたから、旅人たちは初瀬街道を歩いて三重県松坂市へ、そこから南下して伊勢神宮を目指したのでしょう。

おかげ参りが大流行だった頃、今は静かなこの町も旅人がひっきりなしに歩いていたと想像すると、なんだか愉快な気持ちになってきます。

***

長谷寺に参詣する間、快く車を駐車場に置かせてくださった親切なご主人。旅の出会いが、すてきな思い出となりました。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
グーグル (ノルウェーまだ~む)
2021-02-20 16:57:42
セレンさん☆
いつも旅先で上手に素敵なお店を探されるので、毎度感心してしまいます。
しかもこのクオリティー!!
私こういう趣のある古民家のお食事処大好きなんですぅ~
素敵なお店だと混んでいることも多いですが、時間がずれていてラッキーでしたね☆
湯葉入りのお蕎麦食べいたいな♬
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☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ (セレンディピティ)
2021-02-20 20:36:00
まだ~むさん、こんばんは。
いえいえ、Google Maps 様様でございます。^^

こちらのお店は、この日の気分にぴったりあって
とてもよかったです。
江戸時代から続く酒屋さんの、大正時代の古民家で
歴史を感じながらの楽しい食事となりました。
酒屋のご主人からも貴重なお話がうかがえました。

お昼の時間がずれていたというのもありますが
オフシーズンな上、このコロナ禍でどこも人が少なく
貸し切り状態でした。
ご主人自ら作られた、湯葉入りのお蕎麦もおいしかったです。
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お蕎麦 (ごみつ)
2021-02-23 22:05:53
こんばんは。

わ~、雰囲気があってステキなお店ですね。歴史を感じる佇まいですね。

この時、お客さんはセレンさん達だけだったのですか?お店の人も嬉しかったんじゃないかしら。

お蕎麦もめちゃくちゃ美味しそう!ネギたっぷりで体も温まりそうです。

柿の葉寿司も美味しそう~~。私もサバの押し寿司大好きです!

ところで呼び鈴の銅鑼は、中国風のでっかいのですか?ぐわ~んってやつですか?ちょっと想像して笑ってしまいました。(^^;スミマセン
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☆ ごみつさま ☆ (セレンディピティ)
2021-02-23 23:35:59
ごみつさん、こんばんは。
こちらは趣があって、ほんとうにすてきなお店でした。
お昼の時間が過ぎていたからか、この時は私たちの他にはお客様はいらっしゃいませんでした。

ご主人は、おそらく酒屋さんの方が本業で、
こちらのお食事処は、ついでといってはなんですが
鷹揚な商売をしているように感じられました。
でもお蕎麦も、柿の葉寿司も、とてもおいしかったです。

呼び鈴の銅鑼は、お鍋のふたくらいの大きさでした。
なかなか楽しい経験でした。^^
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