日本映画「おくりびと」がアカデミー賞の外国語賞を受賞したそうです。
日本映画がこの外国語賞を受賞するのは初めてのことだそうで、大変な快挙です。
私はまだ、この「おくりびと」を見ていないので、テレビで時折流される宣伝用の場面しか見たことがなく、内容はあまり知らないのですが、納棺師が主人公とのこと。
今夕のニュースを見ていると、主演した本木さんに指導をした納棺師とか、それ以外にも納棺師という人がインタビューされていましたが、私自身はこの納棺師という職業があることを知りません。
地元の僧侶の方々が集まる会で「おくりびと」が話題になった時、納棺師という職業があるのかという質問が出ましたが、誰も納棺師という職業があることを知りませんでした。
本当にそういう職業があるのでしょうか。
その集まりに出席した方々は山梨の僧侶ですが、東京をはじめ関東一円、時には関西、あるいは人によってはあちこちの地方の葬儀に出る人もいますから、その誰もが知らないというのは少し不思議な気がします。
山梨では、納棺は御遺体を布団から、棺に移し、これから三途の川を渡って旅をされる故人の旅支度をさせることをさしていて、葬儀社が旅支度の道具を用意し、遺族、葬儀社、僧侶が一緒に行います。
確かに、故人の衣服を整えたり、化粧をしたりということは、葬儀屋さんでも行っていますが、独立した職業となるとどうでしょう。
日本ではどちらかというと、納棺は御遺体を美しく整えることよりも、故人のこれからの行く末を案ずるという宗教的な意味合いが大きいのですが、映画に出てくる納棺師のやっていることは、御遺体を生前の元気な姿に見せるために防腐剤を注入し、化粧・修復などを行う施術のエンバーミングに近いような感じがします。
そんなところがアメリカ人にも受けたのかもしれません。
もちろん故人を思う気持ちという万国共通の感情が通じたのでしょうけれど。
ともかく、いろいろ疑問は残りますが、この映画のヒットをきっかけに、人を思う気持ちが大切にされることを願うばかりです。
それと、ひとつ心配なのは、この納棺師という言葉が独り歩きし、えせ納棺師みたいな人が便乗して出てきて、御遺族を傷つけるようなことが起こらなければいいがと思うのですが、こんなことを思うのは私だけでしょうか。