清運寺だより

ようこそいらっしゃいました。甲府市にある日蓮宗寺院の住職のブログです。日々の出来事、感想、行事などをご紹介します。

一一文文(いちいちもんもん)箸とは

2009-07-02 23:59:22 | 用語

以前ご紹介した妙法蓮華経、このお経の読み方の練習として昔から行われているやり方に、師匠が木鉦でリズムを刻みながら、お経のワンフレーズを独唱し、それを今度は弟子が同じように師匠が刻む木鉦のリズムに合わせて、師匠が独唱したお経のワンフレーズを真似して唱えていくというものがあります。

この方法を俗に一一文文(いちいちもんもん)と呼んでいます。(正式な名前かどうかはわかりませんが)

今でこそ、お経を録音したCDやお経の文字にルビが振ってあるものなどがありますから、自分で独学するということもできるようになったのですが、昔はこの一一文文といういわゆる口から口へ伝えていく口伝の方法がとられていたようです。

この方法ですと、お経の読み癖、音を延ばしたり、節をつけたり、息継ぎの場所とかいろいろな情報も合わせて学習することができるすぐれた方法です。

しかし、欠点としては非常に手間がかかること、習う方も大変ですが、教える方はもっと大変です。

そんなこともあってか、最近ではだんだんこの一一文文というやり方は少なくなっているような気がします。

一方、CDやルビ付きの経本などで学習する場合は手軽で取っ付きやすいですが、それだけで学習していると、文字はちゃんと読めているのですが、何か聞いていておかしいんですね。

やはり、息を合わせるという言葉がありますが、息が合わないんですね。

お経の場合、多くの人と一緒に唱えるということが多いですから、人の呼吸の微妙な間やリズムが独学だと習得できないのでしょう。

 その一一文文という学習方法で使われるのが一一文文箸と呼ばれるものです。

師匠の唱えたお経の文字をその一一文文箸で一文字一文字指しながら自分で唱えるのです。

この箸はそういう特別な道具があるわけではなく、別に何でもよいのですが、現在では一般的に割りばしが使われているようです。

ただの割りばしが一一文文箸という特殊なものに変身するのです。

法華経全部を一一文文で習うとなると、相当な時間がかかります。

二十八ある章節の中でも特に三番目にある比喩品などはもうほとんど読めない漢字だらけで(漢字検定一級か!)しかも長いと来ていますから、覚えるのも大変で、一一文文箸と聞くとその大変だったことが思い出されるくらいです。

 一般的には知られていないこの一一文文、あるいは一一文文箸という言葉、お坊さんの間では「ああ、あの時は大変だったな」と思いだす青春のほろ苦い記憶を呼び覚ます言葉かも知れません。

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法華経の構成とは。

2009-06-25 16:31:28 | 用語

最近NHK教育テレビでひろさちやさんによるいろいろなお経を紹介する番組をやっていましたが、その中でも法華経は取り上げられていましたね。

 この法華経というお経は日蓮宗の経典であり、結構長いお経です。

その構成は一部八巻二十八品と言われ、二十八の章節に分かれたお経が八巻の経本にまとめらているのが一般的です。

そして、その二十八品(章節)のうち、重要なお経で、よく読まれるものを抜粋したものが法華経の要品と言われるものです。

 葬儀や法事などで耳にすることの多いお経はほとんどが要品の中におさまっています。

 お坊さんになるための修行として始めるのは要品の中に入っている方便品第二、自我偈(如来寿量品第十六)などからはじめ、要品をマスターし、そのあと要品に入っていないお経を覚えていくというやり方が多いように思います。

一般の方でも、自我偈なら読めるという方も多いのではないでしょうか。

 法華経の各品(各章節)は真読で読むと漢字の羅列のように聞こえますが、内容はみなストーリー仕立ての物語形式になっています。

 その中にはたとえ話も多く、そのたとえ話を使ってわかりやすく教えを説くというという形が多いのも特徴でしょう。

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素材常充満とは。

2008-06-24 22:33:57 | 用語

日蓮宗新聞の広告に面白いものを発見しました。

日蓮宗限定CD-ROM素材集「素材常充満」です。

いわゆる、WEBに使う写真、イラスト、筆文字など日蓮宗関係のアイテムが入ったCD-ROMです。

鬼子母神のイラストなども入っているそうです。

やはり、一般の素材集では、仏像のイラストなど特殊なものは入っていないですからね。

でも、私が面白いと思ったのはCD-ROMの内容ではなく、「素材常充満」というネーミングです。

妙法蓮華経に詳しい方なら、「ほほー」と気付かれることでしょう。

というのは、妙法蓮華経の中の如来壽量品に、いわゆる自我偈といわれているお経があります。

日蓮宗では最もよく読まれるお経です。

この自我偈の中に「我此土安穏 天人常充満(我がこの土は安穏にして 天人常に充満せり)」というフレーズがあります。

お釈迦さまの治めるこの地はおだやかで、天人が常にたくさんいるすばらしい世界であるといったような意味です。

そうです、この天人常充満をもじって、使える素晴らしい素材がたくさん入っているということをこの「素材常充満」というネーミングで表しているわけです。

日蓮宗の僧侶なら誰でも、この天人常充満というフレーズは知っていますから、文字を見ただけで、内容がすぐわかる素晴らしいネーミングです。

これを思い付いた方はすごいですね。

ちょっと間違えると、ダジャレになってしまいかねないのですから。

恐れ入谷の鬼子母神です。

※これは「恐れ入りました」ということのシャレです。

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