2012-02-23 10:50:52 | 移動いけばな

今年は思いのほか冬が寒くて、庭景色も白におおわれていた。
餌が見つけられないのかわが庭には常連の鳥たちが毎日家主の餌やりを待っている。
そんなもったりとした時間を過ごしていると外の光が少しづつ柔らかさを増していることに気が付く。
花のお稽古も草物が多い昨今、この時期だけは木のものが多く扱える。
お正月の花が終わると、梅、レンギョウ、桃、万作、山茱萸、桜と続くのです。
どの木も年月を過ごした枝の様子に反して、ふっくらと膨らみかけているつぼみを持っていていとおしさを感じる。
私は木のものを生けるのが好きだ。
何年も費やしてきた枝にはその木、その木の特性が見えて、どんな所で育ったのだろうか、
この木はどんな色を隠しているのだろうかなどと一人考えながらそっと木をためていきます。
「木の折れる寸前で止めるのよ」なんて冗談を言いながら、木の声をききます。
時折「あぁぁぁ~~~だめだよ」と聞こえると、潔い音が響き渡ってポキッと折れてしまうのです。
春の花 山茱萸、春の花は黄色い花が多くて、山が靄をかぶったようになるのはこの一番に咲く山山茱萸、アブラチャンかな
それともみじや木々の芽吹きの色が山全体をうすピンク色のような薄紫のような色に変わってくる。
そんな景色を想像しながら生けてみました。
私はかつて、舞台に立てる花はいいが、残りの木がもったいなくて、集めて家に帰り「木々の隠し持つ宝物」と題で
「この木は何色をかくしているのだろうか」という副題の元、木々を染めてみたことがあります。
とても楽しい時間と発見の日々でした。