しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「柳生忍法帖」 山田風太郎  

2006年07月24日 | 読書
寛永19年の春。
会津藩主、加藤明成は荒淫と残虐の主。それを諌めた家老の堀主水だったが聞き入れられず、堀一党は加藤明成を見限り会津を出る。しかしそれを謀反とされ、会津藩は公儀の許しを得て、堀一党を高野山で捕らえる。
会津へ堀一党を連れ帰る途中、会津七本槍と呼ばれる、芦名衆の精鋭7名は、堀一党の女人が逃げ込んだ鎌倉の男子禁制の東慶寺を訪れる。
堀一党の女人30人を最後に父や夫、兄弟に合わせると騙して外に呼び出し斬り始める。
そこに東慶寺にゆかりのある、徳川千姫がやって来て、惨殺を止めさせるが、助かったのは7名だった。
千姫は、男子禁制を破り惨い仕打ちをする会津七本槍を憎み、7人の女人に敵討ちをさせる事にする。
その指南役として相応しい人物を沢庵に相談し、沢庵が連れて来たのが、柳生十兵衛だった。
十兵衛は自らは手を出さず、女人の手で七本槍を討ち取るべく、修行を開始する。

七本槍とは、隻腕の鬼剣・漆戸虹七郎、一丈八尺の槍使い・平賀孫兵衛、皮鞭の使い手・司馬一眼房、鎖鎌の・大道寺鉄斎、3匹の巨大犬を操る・具足丈之進、手刀の・鷲ノ巣廉助、黒髪で作った投網を操る・香炉銀四郎。
女人は、堀主水の娘・お千絵、主水の弟の妻・お紗和。そして家来の妻や娘の、さくら、お圭、お品、お鳥、お笛。
計略を使いながら、七本槍と十兵衛の戦いが始まる。


よく、こんなに色々なことが思いつくと感心しながら読み進めていける。
アイデアの宝庫。
宣伝文句に、「雄大なスケール、あやしいエロス」とあるとおり、エロチックな場面もあるが、あまり直接的には書かれていない。(でも、エロチック)
しかし、ストーリーの面白さは、それ以上。
妖術やエスパーのような人間も登場するが、なんでも来い、と言った感じがする。
それが、ストーリーに違和感なく馴染んでいるからだろう。
1人づつ対決して行くのだが、劇的な対決かと思っていたら、意外とあっさり終わっていたりする事もある。
対決は重いし、残酷に沢山の人が死んで行くのに、飄々とした十兵衛の性格が反映してか、軽快に物語が進んで行く感じがする。コメディ的な要素もあってとても読みやすい。

初出は地方紙連載で「尼寺五十万石」だそうだ。


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