しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「プラチナデータ」  東野圭吾  

2011年01月04日 | 読書
「プラチナデータ」  東野圭吾    幻冬舎

警視庁特殊解析研究所では、DNA情報から犯罪者の詳しい身体の特徴や、モンタージュまで作れるシステムを開発。
犯罪防止を目的とした個人情報の取り扱いに関する法案が国会を通過する。
国はDNAの登録を呼びかける。
DNA捜査システムは、三等親以内の者が登録していれば有効だと言う。
犯罪の検挙率は上がるが、そんな中、高い一致率を判明出来ないサンプルが出る。
そのサンプルを『NF13(NOT FOUND)』と登録した。
それから少しして、DNA捜査システムの開発に携わった蓼科耕作と早樹兄妹が殺害される。
殺害に使われた銃は、『NF13』が使った銃と同じだった。




『プラチナデータ』とは何かは、読み進めていくと出てくる。
DNA管理については、そのような近未来はあるかと思っていた。
が、プラチナデータについては、そんなことまで考えたことはなかった。
しかし、考えて見れば当然か。嫌な世の中だ。
物語は、ゆっくりテンポで、少々まどろっこしい。
テーマの大きさに対して、少々軽い感じ。
もっと深く追求しなければならない、何かがあるような。
ラストで、DNA捜査システムの裏も分かる。
そこから物語が進展するのを、読みたかった。
ラストが、負けたままで終った感じで、すっきりしない。
「人間、平等なんてことはありえない」と言うことに、対抗する手段はないのか。
神楽は自分だけ平穏ならそれでいいのだろうか。
蓼科兄妹の「懺悔」の思いで作った『モーグル』は無駄になってしまった。
それが現実なのかも知れないが。
物語の上では権力者に一泡吹かせるような、何か痛快な思いで終りたい。
DNA捜査だけには頼らない、浅間警部補に期待すればいいのだろうか。

面白かったのだが、途中で終った印象。
重い雰囲気の物語ならば、世の中そういう事なのだろうと、割り切って思えるかも知れない。
割と軽い雰囲気なので、すっきりしない。
DNA捜査と『プラチナデータ』はその後どうなっていくのか、続編はないのだろうか。
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