しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「相剋 警視庁失踪課・高城賢吾」   堂場瞬一 

2013年07月01日 | 読書
「相剋 警視庁失踪課・高城賢吾」   堂場瞬一    中公文庫

捜査一課から失踪課に捜査依頼が来る。
夜半の公園で起きた通り魔事件の目撃者が名乗り出た後、行方をくらましたと言う。
分かっているのは、「堀」と言う名前だけ。
一課の失態の尻拭いはご免だと、高城賢吾はその時相談に来た面会者に会う仕事をする。
それは中学3年生の同級生、里田希が行方不明になったと言う相談だった。
希の父親は、IT会社の社長で裕福な暮らしをしていた。
里田家を訪ねた高城は、家族の態度に違和感を覚え、捜査を開始する。
明神が一課の応援に行っているため、高城は醍醐塁とコンビを組んで捜査を始める。
醍醐は元プロ野球選手という経歴の刑事だった。

警視庁失踪課・高城賢吾シリーズ、第2弾





少しずつ、失踪課の刑事たちの様子が分かって来る。
今回、コンビを組んだ醍醐は、かなり詳しく語られる。
心臓が悪く一線を退いたが、仕事の意欲は失っていない法月大智や、射撃の腕がいい森田純一。
まだ六条舞の出番はないが、彼女にも何か使える所があるのだろうか。

中学生の失踪事件を扱う今回は、何となく筋書は見えるが、それでどうするのだろうと言う犯人の考えは分からなかった。
しかしそれは、最後に解決した後も分からないものだった。
犯人が、明確に考えて実行した訳ではないから。
行き当たりばったりな事件。
そういう事件もあるだろうが、もう少し事件に面白さが欲しかった。

今回は、家族について書かれている。
里田家もそうだが、醍醐家であった事が考えさせられる。
家族の誰かが死んだ時、それをみんなが自分のせいだと思う。
それがあんな状況なら尚更だ。
周りから見たら、誰の責任でもないのだが、それは人間の優しさなのだろう。
高城の娘、綾奈も時々登場するが、こちらの事件もそのうちメインになりそうだ。
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