しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「悪魔の眼」 アレックス・カーヴァ 

2007年10月14日 | 読書
ネブラスカ州リンカーン。
ロナルド・ジェフリーズは3人の少年を殺害した罪で死刑となる。
しかし、ロナルドは自分が殺したのは1人だと最後まで言っていた。
死刑執行から3ヶ月。
ネブラスカ州の田舎町プラットシティで、行方不明だった新聞配達の少年が遺体で発見される。
父親、アントニオ・モレリ保安官の後を継いだニック・モレリ保安官が捜査にあたる。
アントニオはロナルド・ジェフリーズを逮捕し町で人望のある保安官だったが、父親の希望で保安官になったニックは捜査に関しては素人だった。
FBI特別捜査官、プロファイラーのマギー・オデールが捜査に加わる。
そして新たな少年が行方と絶つ。


登場人物の性格や家庭環境、心の動きなど丁寧に書かれていてすんなり物語も世界に入っていくことが出来る。
保安官としては情けないがプレイボーイとしては優秀なニックや、過去の事件の傷を心身に抱えているマギー、ジャーナリストとして伸し上がりたいニックの姉のクリスティン、そして犯人。
対立する立場の人物の両方ともに平等な目で見ている感じがする。
それも柔らかい優しい視線で。
ニックのプレイボーイとしての手口が分かるのは、ちょっとした息抜きになっている。
なんとなくこんな事件にそぐわない感じで、今までにない人物だけれど、そこがユニーク。
事件は悲惨なのだけれど、事件を離れた人間ドラマも重く展開されている。
ラストがなんとなくすっきりしないのは「羊たちの沈黙」のようだ。
この中の事件は一応解決がついているのだが、結末がついていないことがあり、その後どうなるのか気になった。
そうしたら、やはり続編があった。
続編も気になる。

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