しましましっぽ

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「18年目の奇跡」 D・L・スミス 

2010年01月23日 | 読書
「18年目の奇跡」 D・L・スミス    光文社
  THE MIRACLES OF SANTO FICO    宇佐川晶子・訳

イタリア、トスカーナ地方の小さな村サント・フィーコ。
どうしてこんな所に町を作ったのだろうと思える、不便な村。
教会の神父エリオ・カプローニの姪のマルタは、教会の隣でホテルを経営している。
マルタが子どもの時、少し年上の12歳の少年3人、レオ・ピッゾーラ、フランコ・フォルティーノ、グイド・パゾリーニ(トポ)がサント・フィーコを観光地にしようと計画。
そして“サント・フィーコの奇跡と神秘”の物語を作り出す。
観光客が来ること事態が奇跡だったが、ハイウェイの看板の向きを変えて奇跡を起こす。
しかし、それはその事が見つかるまでだったが。
6年後、マルタはフランコと結婚するが、同じ時にレオは村を出て行く。
フランコは事故で死に、マルタは2人の娘、カルメンとニーナを育てていた。
そして、レオが村に18年ぶりに帰って来る。
マルタはレオに激しい怒りを見せるが、その理由は誰にも分からなかった。



小さな村の暑い夏の物語。
太陽が照りつける、明るい風景に反して、登場する人物はみんな心にもやもやした秘密を持っている。
心の中の秘密が何だか分からないが、それが少しずつ分かって来る面白さもある。
登場人物がみんな生き生きを魅力的。
女性陣は気性が激しく、男性陣の方が押され気味。
でも、怒りながらも相手のことも考える優しさも持ち合わせる。
ラテン系だからかな。
人と人との繋がりが、面白い。
ある人を助ける為に、奇跡を起こす必要が生じる。
奇跡を考え、右往左往する様は喜劇だけれど、温かい。
ラストもとても素敵だ。

自分の大好きな歌、アルフィーの『ロンサム・シティ』に
「幸せ 不幸せなんて いつも心の持ちようさ」(高見沢俊彦・作詞)とある。
奇跡もそんな感じかも知れない。

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2 コメント

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これは奇跡とはいえませんが (岩井 清)
2010-01-23 22:33:56
これは奇跡とは言えませんが、魁皇が昨日も今日も勝ちましたね。息子は魁皇の大フアンです。
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確かに。 (しましましっぽ)
2010-01-25 22:34:59
岩井さん、コメントありがとうございます。
魁皇は大関だから、白鵬に勝っても大騒ぎしなくてもいいはずですが、勝った時は狂喜乱舞と言う感じでした。
今場所は9勝、嬉しいです。
魁皇ファンは息子さんだけですか?
是非一緒に応援しましょう(笑)

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