しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「マスカレード・ホテル」  東野圭吾 

2012年01月11日 | 読書
「マスカレード・ホテル」  東野圭吾        集英社

東京で起きた連続殺人事件。
現場に残された数字の暗号から、次の事件現場が特定される。
そこは、ホテル・コルテシア東京。
警視庁は、ホテルに捜査員を潜入させることにする。
フロントオフィスを担当するのは、頭脳明晰でプライドが高い新田浩介警部補。
新田をホテルマンとして補佐するのは、山岸尚美。
フロントに立つ以上、ホテルマンしての指導を行う尚美に反発を覚える新田。
しかし、少しずつお互いの立場や考えを理解し、コンビ模様になっていく。





刑事とホテルマン、対人関係でまったく反対の対応をする職業。
人を疑ってかかる刑事と、いかに快適に過ごしてもらうかを考えるホテルマン。
新田と尚美の自分の仕事を優先するために起こる、意見の違いなどが面白い。
そして、ホテルマンの考え方は、興味深い。
お客様がルールということ、その対応の仕方など、なるほどと思う。
尚美の明確な理論に納得させられる。
少々と言うか、かなり出来過ぎなホテルマンという気がするが。
これがイメージされるベストの姿なのかと。
高級ホテルは確かに、接する態度は丁寧。
しかし、表面だけのものは、感覚で分かる。慇懃無礼な人もいる。
プロ意識を持って仕事に取組むことは、どんな職業でもある。
しかし、人と接する職業は、自分だけが頑張ればいいのとは違うので、難しい。
自分がよかれと思っても、相手にとっては違う時もある。
ホテルマンにしても、お客様だけが大事に扱う対象なのだから、反対から見たら気に入らないこともあるのは当然。
そんなことが問題になる物語。
人間関係は難しい、そして怖い。

連続殺人事件の展開は面白かったが、最後は少々無理がある。
あれほど大掛かりにすると、かえって目的達成が難しくなるだろうに。
そんなあたりが少々不自然な気がする。
そして、もっと納得できる理由を期待していた。
結末の付け方も難しい。
登場人物はあまり好感が持てないのだが、シリーズになるのかな。

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