充電日記     

オフな話で一息を。

「其扇」

2011年05月09日 | 音声・音韻
 なぜ、「そのぎ」という呼称が一般化したかと言うと、シーボルトの手紙にSONOGIと記されているからである。其扇は本名お滝で、シーボルトは「おたくさ」と呼び、それと同様に「そのおおぎ」を「そのぎ」と呼んでいたのである。(吉村昭「闇の中」『わたしの流儀』)

・1日だけ寝っころがっていた。静養のお供はやはり本。読みさしになってたので読みついでみた(なぜ読みさしになったか、すぐに分かったが)。それにしても、新潮文庫の活字は見やすくも品位がある気がする。

・日本語方言の多くは、一定の時間間隔ごとに一単位(拍)の音を出している。短歌・俳句の字数もこの時間単位で数えている。前の母音を一定時間伸ばしたり(長音)、次にくるはずの音(一部)を一定時間だけ先取りしたりする(促音・撥音)。このため、音波が出てないのに言語音として認知されるものすらある。「マッチ」の「ッ」などがそう。

・が、東北方言(の一部、とすべきか)や英語などでは、音節自体を単位として、時間間隔を単位としないので「小技」は効かない。外国人の発音の「シャチョサン」「チョトマテクダサイ」のようなものも、日本語の一定の時間間隔が把握されていないことによる。

・2種の言語の差を説明するには、より印象的・特徴的な例を示せた方がよい。「そのおおぎ」がSONOGIと記されるのは好例中の好例になりそう。「東奥日報」とともに示してみたい。ただ、好例すぎて余計な誤解を招くかもしれないけれど。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (SKinsui)
2011-05-09 23:10:29
名前つながりだけなんですが、ツイッターで変わった姓の例が出てましたので、ご報告いたします。「五月女」と書いて「そうとめ」です。「ao>oo」ですから一応理解の範囲ですね。
(ツイートのURLを貼り付けたら、サーバから跳ねられました)
返信する
Unknown (satopy)
2011-05-10 15:25:56
これは、ありがとうございます。
語源から離れていく例ですね。しかも固有名でも起こる。
いや、「そうとめ」になった段階で姓として使われたかもしれない、か。
色々思いのふくらむ姓・読みですね。
返信する

コメントを投稿