充電日記     

オフな話で一息を。

『出版興亡五十年』

2023年05月04日 | 
・グーグルブックスで検索していて、たまたま出会った本。国会図書館の個人送信サービスに登録しているとカラー写真で見られます。出版史は、ほんと勉強中なので、助かる一冊です。

・ところが、この本、小川菊松(誠文堂新光社会長)の著書となっているんですが、実は、中山泰昌という編集者の作物とのこと。清田啓子「花袋『縁』中の一モデルの証言」(『駒沢短期大学国文』10、1980)にその旨が記されています(クリックするとPDFのダウンロードが始まります)。なお小説『縁』の登場人物のモデルが中山泰昌で、自身で大量に書き込んだ本も残っているそう。

・そのことは、ブログで出版史のエッセイを書き綴っている方の著作を、これまたたまたま岐阜県図書館で読んだことで知りました。その方も別の方の書き物で知ったそう。その書き物も同館にあったので、清田論文にたどりつくことができたというわけです。

・今日、京都の勧業館みやこめっせの古本祭で出会ったのが、『出版興亡五十年』の復刻版(1992)。で、真の著者のことに触れてるかといえば、どうも記されてないようでした。巻末の文章ほか、原本から省かれた記事もあるとのことなので、私には価値がありません。購入しませんでした(800円くらいだったかな。買ってもよかったかな)。

・また、次のような論文に接することができました。
羽原清雅「続・ある編集者の軌跡 ― 「中山泰昌(三郎)」の豊かな苦闘」『帝京社会学』22(2009年3月)
羽原清雅「ある編集者の軌跡-明治・大正・昭和三代「中山泰昌(三郎)」を追う」『帝京社会学』19(2006年3月)

Aタイプ書評のお手本

2022年10月01日 | 
・昨日は軽めの論文を仕上げたので一服したい気分。でも、軽めの書評が待っている。学会誌のではないので、楽しみ。お手本は井波律子氏の『書物の愉しみ』(岩波書店)

・「ああ、この人は、本を読むのが好きなんだなあ」と素直に思わせる文章が魅力。「読書」じゃなくて「本を読むこと」と書きたくなる、そう書かないではいられない雰囲気あり。

・「読書」だと、こう、どこか乙に済ました気取りがある気がする。「本を読むこと」は、もう、そうじゃないですね。ただただ好き、「楽しくてしかたがない感」がある。そしてそれは、作品への愛情や、作家への敬意の現れにつながるであろうもの。

・結果、井波氏の書評を読むと、こちらも対象書を読みたくなってくるという寸法。井波氏のような書き方はとてもできないが、せめて「いいなあ」と思った本を、「読みたいなあ」と思わせてみたい。できる範囲で。そこが「楽しみ」。

なぜ再版が嫌われるのか・・・

2022年07月03日 | 
・長友千代治編『重宝記資料集成』には、次のような編集方針がある。
 
 底本選定にあたって留意した点は、以下の通りである。
 ①印刷本では、初版よりも後版・増補版・改正版によることとし、(以下略)

・なにゆえ、そのような方針を採るのかの説明はない。したがって、その本意を知ることもできない。だから想像するほかないのだが、修訂が加えられた、よりよいテキストを選んだということなのだろうか。もちろん、誤りが訂正されることもある。

・一方では、初版や、同じ版のなかでも初刷りには、編集サイドの当初のもくろみが現われるのが普通だろう。ただ、版権に抵触するなどして、当該箇所を削除・差し替えなどすることもある。社会的な正義につくことができたとも言えるが、「もくろみ」は覆い隠されることになるのだ。

・もちろん、初版の方が未熟なこともある。で、単なる再版というより再編集をほどこしたものが、よりバランスのとれた、優れた書籍に様変わりする例もまたある。

・『詩文重宝記』(元禄7)なんかは、明らかに編集破綻していて、前半部が詳しく、後半部は端折られている。『増補詩文重宝記』(享保18)はその点立派。ちゃんと克服できている。

これ、手書き? 木版印刷?

2022年06月30日 | 
って、いい加減、すぐに分かるものなんですが、一瞬、わからなかった。『錦囊外療秘錄/濕毒古方後世方經驗良方』。

・丁寧に書こうとはしているが、とても拙な感じ。だから、印刷じゃなくて、手書きなんだろうなと。

・でも、よくよく見ると、筆を使ったときの濃淡とかが見当たらない。やっぱり印刷か。

KINCHO キンチョー CM 蚊に効く虫コナーズプレミアム

2022年05月16日 | 
KINCHO キンチョー CM 蚊に効く虫コナーズプレミアム 出演:長澤まさみ シソンヌじろう「いい夏」篇 30秒


・なぜ古本屋が舞台になのか分からないけれど、商店街が500mあったら1軒はほしいな。

・岐阜では多くの古本屋が店を畳まれました。記憶にあるのは・・・
 金神社西
 市役所南
 長良北町2軒。1軒は1年前までやってた。
 市民病院近く。2軒あったかも。
 岐阜大学附属義務教育学校近く。
 柳ヶ瀬の自由書房の別館みたいなの。2015年まではあった
 柳ヶ瀬のドンキホーテ東に2軒(ドンキも別場所に。あ、1軒は駅前繊維問屋街に)。


・このCM、別バージョンはよく見かけるんですが、これは初めて。

みやこめっせで古書即売会

2022年05月05日 | 
・京都市勧業館(みやこめっせ)は、広井催し場所のあるところ。なので、イベントがないと行かないという人も多いと思いますが、地下には京都地場産業の紹介やグッズ販売、ときには実演作業もしているところです。平安神宮もよいのですが、すぐそばの勧業館に行かれることをお勧めします。

・で、年に1度、古書即売会が催される場所でもあるんですが、COVID-19のため2年お休み。やっと今年再開となりました。

・うー、初日(1日)から行きたかったのですが、諸般の事情でパス。3年間、たまりにたまったお宝が出るのだから、行きたかったなあ、行っちゃってればよかったかなあ。あろうことか最終日に参加という・・・

・ただ、COVID-19対策のためか、各書店の出陳ブース間の間隔は通常の3倍。きっと、出陳数も抑えられたんでしょう。だから、売れたら補充を繰り返したんじゃないかな。つまり、1日しか行かなかった人は、補充分には出会えない仕組み。最終日しか行かなかった私にも拾いものがありました。





・今回も三密堂さんのブースで拾い物。新増早引節用集は、どうということのないものですが、割とお目にかからない。京都の古書即売会では、不思議と三密堂さんのおかげでボウズを回避できてます。ありがとう。

・真草倭玉篇は、けっこうよく出るものです。私自身はこれで3冊め。前の2冊があちこち欠けてたりするので、全部備わるものは買わざるをえません。これは別のブースで。新人さんかもしれません。初めて目にする店名でした。が、和本がブースの半分にどーん! 初日から、いや毎日通って拾ってもよかったかもしれません。むぅ、残念。

・今回は、混み合いがちな集中清算もやめて、ブースごとの清算。ブース間も広々悠々。精神的に集中しながら、つまりは探書を楽しめた感じです。これまでは、多数のブースで狭められた通路を、押し合いへし合いして動くことになりがちだったし、清算を1か所に集中させるため、各ブースを買いまわらざるをえませんが、そのためのカゴ(スーパーマーケットでおなじみのアレです)を入口でもらって、ますます通路が狭くなる。。。。 今後は、今回の形でお願いしたいなあ。


そしてリベンジな晴天で四天王寺

2022年04月30日 | 
・さすがに昨日のメンタルでは、見逃しがあるはず。で、今日もまた四天王寺・・・ 何してんのう?







・『誹諧おだまき』をゲット。ほかにも『誹諧をだまき綱目』やら『〔誹諧/漢和〕をだまき綱目大成』(だったかな?)やら、をだまき旋風(??)で5・6セット出てました。そのなかで、一番プリミティブなのを買ってきました。元禄4年刊。300円。これじゃあ領収書もお願いしづらい。(^_^;

・最近は、CD・DVDはおろか、Nゲージ車両まで出るんですが、今回はサンダルまでありました。1足買いましたが、研究室用にもう一足あってもよかった。ていうか、昨日、気付いていればこれでがんばって、靴は保護しておくという手があったのに。むぅ。



・こちらもお手頃価格。左2冊は各200円。白いのは定価18000円だけれど、こういうのが祭りらしいところ。



四天王寺は雨の中

2022年04月29日 | 
・春の古本祭りで四天王寺(大阪)。雨。大阪には雨が合うのだろうか。「雨の御堂筋」とか。





・幸い、テントを張っての営業なので、まずまず濡れずに買えました。が、水たまりは発生。知らぬ間に靴に水分侵入。ぐじゅぐじゅ。そんな中でなんとか獲物をゲット。





NDCナビ

2022年02月18日 | 
便利ですね。ありがとう。

・「自分の関心のある分野には、どのような書籍があるのか」。最近では、なんでもキーワードで検索すれば回答してくれるサイトがいくつもあります。私も普段、そうしたサイトの厄介になっています。

・が、やはり、キーワード検索には限界があるもの。そこで分野別に書籍を一覧できたりするとありがたい。あらかじめ、NDCの番号が分かっているならいいんですが、ちょっと離れた分野の書籍だともうお手上げに近い。たとえば本屋さんのことを知りたいというとき、どうするか。「総記」から行くのか、「産業」か、あるいは「技術」?? 「社史」もありうる・・・

・で、それぞれの番号を知るツールとして、NDCナビが便利そう。