・日経の記事。
「言葉の誤用にどう対応? 市販・国語辞書を徹底比較」。市販中の国語辞典21種を、「情けは人のためならず」「雨模様」「姑息(こそく)」「すべからく」「号泣する」の誤用まで扱っているかどうかを見たもの。ほう、特色はでますね。便利。ただ、いろいろ注文はある。
・10年以上前のものまで対象にするのはいかがか。編集スタンスの比較なら古いものほど不利だろうし。「購買者のことを考えて店頭にあるものを対象にしました」という理由は成り立つが、それなら日経らしく、価格情報も添えたら、読者のためになる。コストパフォーマンスを知らせるわけだ。
・それぞれの辞書の性格ごとに記述してもよかった。20万語を超える中型のものと、10万語未満の「フットワークの軽い」ものとでは違ってくるし。また、中高生向けのものもまじっているようだから、比較としてフェアーなのかどうか。
・あるいはいっそ、学習用のものだけ比較するのもよい。誤用の扱いがどうなっているかを踏まえて、どうすればよりよい辞書になるかを提言する。(まぁ、実際に提言するかどうかはともかく)それくらいのスタンスでいいんじゃない? というか、その方が面白いし、読者のためになる。
・「徹底比較」の「徹底」の使い方も気になる。バラエティ番組などの、掛け声だけのノリを示す使い方だ。こういう部分は記事の品位にもかかわるから、慎重に使ってほしい。