充電日記     

オフな話で一息を。

一向にリポジトリに登録されないので・・・・

2023年06月15日 | 学問・大学
・暫定的に論文2本をリンクしておきます。リサーチマップにあげだものですが、どなたさまもダウンロードできるものかどうか。

紀要)岡本かの子『落城後の女』における「饅頭屋本の節用集」+再校。書いてるうちにヒートアップしてきて(=最高の執筆状況)、紀要ではもったいなかったかなと思いました。質がよい、ということでは必ずしもなくて、面白く書いてみたので、より多くの皆さんにおすそ分けできれば、という意味ですけれども。

紀要)学習具としての近世節用集+再校。これもヒートアップした(以下、同文)。

『国語語彙史の研究』四十二 原稿募集

2022年07月08日 | 学問・大学
HP本家が不調のようなので、要点をば臨時掲載します。また、『国語語彙史の研究』投稿・編集規程もご一読ください。

『国語語彙史の研究』原稿募集
 『国語語彙史の研究』四十二(二〇二三年春発行予定)の特集テーマを「学術用語」と 定めました。日本語の研究をめぐる学術用語には、その定義や適用範囲が揺れることが ままあります。一意に定まるかに見える用語でも、研究者の数だけ多様なものもあり そうです。学術用語となった現象・事象でも、研究者の立場によっては、認知しない といった事態もありましょう。
 こうした例にかぎらず、「学術用語」とのテーマから想起される事柄について論じて くださればと思います。日本語の問題として興味深い事例であれば、他の研究分野の 用語もお採り上げください。
 このようなテーマですと、一語だけで一本の論文の体裁を採ることは難しいことも ありましょう。複数の語を対象として採り上げてくださってもよいものとします。
 また、特集テーマにかぎらず、広く国語語彙史に直接・間接にかかわる投稿も お待ちしております。
 どうか御高論をお寄せ下さいますよう、お願い申し上げます。

一、書名 『国語語彙史の研究』四十二(国語語彙史研究会編)
一、内容 国語語彙史に関連する研究論文
一、締切 締め切りは、2022年8月末日を予定しています。が、病禍などの事態によりましては、適宜、延長などの措置を講じる予定です。国語語彙史研究会ホームページなどで情報を提供していきますので、お気にとめていただければと存じます。(締切厳守。完全原稿であること)
一、送付先 編集主任  佐野宏(京都大学) 

(投稿・審査)
一、原稿は、原則として縦書き、1行50字×19行・18頁以内(注・図・表を含む)で作成したワープロソフト形式・PDF形式の電子ファイル2点を、編集主任宛にメール添付にて投稿願います。
 横書きの場合は、1行35字×28行・18頁以内(注・図・表を含む)で作成してください。
 縦書き・横書きいずれの場合も、注は本文の後にまとめ、脚注方式は避けてください。
 上の原則によることが困難な場合は、締切の2週間以上前に編集主任に御相談下さい。
 これまでに投稿のない方についても、締切の2週間以上前に編集主任に投稿予定の旨、ご連絡くださるようお願いします。
一、図版等、許可を要する事項がある場合は、原則として執筆者が手続き願います。
一、原稿の採否決定は、幹事・委員からなる編集委員会の審査に一任願います。審査結果は執筆者に通知しますが、その他の問い合わせには応じられません。

(印刷・校正)
一、校正段階で索引用データ(索引カード)の作成をお願いします。また、執筆者校正は再校までとします。
一、掲載の場合は、原則として本誌一部を贈呈します。
一、掲載論文の著作権は執筆者に帰属します。『国語語彙史の研究』の再版、電子化等については、執筆者の許可を得ないで国語語彙史研究会が行うことができるものとします。

オープンキャンパスでした。(ネット開催)

2021年08月19日 | 学問・大学
・第1ラウンド、教育学部国語講座学生との質問会。はじめ質問が出ないので、学生諸君に入学後の様子とか受験勉強の工夫とか話してもらってスタート。Zoomが1チャンネルだけなので20分で打ち切り、次の講座へ。雰囲気に慣れたころに終わってしまうので、国語講座のZoomで延長戦をやってもらうようにすればよかったかな。

・私も国語の受験勉強の仕方で、ちょっとしゃべった。「解答にいたるプロセスというか、解き方を丁寧に説明した問題集を選ぶこと」。いまでも、解答だけ示した問題集ってあるんでしょうか。むしろ多数派? とある学生は、解説がない問題集でも先生に聞けばいいとか言っていたが、それはやはりうまくはない。専属の家庭教師ならいざしらず。また、「分かりたい時に分かる」が、受験勉強を効率よく進めるための秘訣。時間はないのだし。

・第2ラウンドは模擬授業(14時~)。国語辞典を素材に、辞書対照学(?)・濁音減価・アクセント・音韻論初歩とかを話す。そだそだ、「「属性表現」 をめぐって ーツンデレ表現と役割語との相遺点を中心に」も紹介。英文要旨がどーんとあると、何だか格調高い。



構内散歩

2021年04月01日 | 学問・大学


・天地生死の境を結べ切り木株  意味夫
 あ、気がついたけど季がつかない。木だけに?



・たしかに木が一本あったような気がする。倒木したので切ってみた? その割には、根が綺麗に浮き上がっていて、残骸なのに「生」の痕跡を確からしく感じさせる。いや、だからこそ、人間の故意の、つまりは作品としての匂いを感じさせるけれども。



・教育学部の1階ピロティは模様替えしてました。





日本語学会公開講演会 金水敏会長「私の日本語研究と学会の役割―「存在表現」研究を中心に―」

2021年03月31日 | 学問・大学
【日本語学会公開講演会】 金水敏会長「私の日本語研究と学会の役割―「存在表現」研究を中心に―」


・スーパーローウィスパーボイスで、ぼそぼそ紹介しとりやす。よろしくお願いしやす。

日本学士院は、ニッポンガクシインと発音してほしいとの要請に従いました。個人的にはニホン~が好きですけれど。

いただきました

2021年03月19日 | 学問・大学


・橋本行洋氏「新語の定着とその条件」。
「気づかない表現・漢語」の諸例をさまざまに検討してきた橋本氏ならではの問題意識と実例からなる、自身の研究の総括。新語が定着するかしないかは、定着するとすれば何がキーとなっているのか・・・ そうした視点は、言語変化過程研究にとって、新語の誕生とともに重要なポイントでもある。単なる流行語として消えて言ってしまう単語もあるし、ブームにすらならない単語もある。そうしたことを考えるためには、人間とことばの関係の種々相に迫らざるをえない。そこに挑んでいくスリリングさ、解明されたときの安堵感。研究だって十分に物語たりうるのだ。知らんけど。

・藤井俊博氏「『伊曽保物語』の助動詞と枠構造 ナラトロジーから見た解釈」。
中世の文語文(古文。和文)の典型が平安時代の文章であるとするならば、中世の文語文はいくぶんか、あるいは大いに変容してしまっていることが考えられる。ならば、どれほど古文らしさを保持し得ているかが一つの注目点たりうるわけだが、どう検討していけばよいか・・・ そこで『伊曽保物語』。元は外国文学だから、中世末期~近世初頭の古典語意識が純粋に取り出せるわけだ! もう少し分かりやすく言おう。日本産の物語だったら写本写本で伝えられていくわけですね。だから、原本の古典語らしさが、そのまま伝えられてしまうわけで、それは古い時代の残滓ともいいうるわけです。そうではなくて、中世末期・近世初期の教養層がどれほど古典を咀嚼していて、古典語を再現できるものなのか、そうした点に回答するには、書写されつづけた日本古典作品ではふさわしくないわけですね。『伊曾保』じゃないとできないことがあるわけだ。いい着眼点だなあ。

とある研究会の代表幹事

2020年12月05日 | 学問・大学
・てなものを、とある年齢に達したために引き受けている。

・4・9・12月に研究会が開かれるんだが、COVID-19のために4月の会は延期。どの学会・研究会も、このころはそうだった。日本語学会は、要旨集の公刊をもって発表したものと見なすこととした。

・9月になって、多くの研究会・学会は、ネット開催の道を採ることになった。ただ、そうした会の場合、みずから手を挙げて発表させてくれ、という場合が多いし、会費を取っているところもある。ならば何らかの形で開催しないわけにはいかなかろう。

・が、「とある研究会」では、そうした体制にはなっていない。二重の意味で。一つは、会費なるものを徴収していていないこと。一つには、今回の発表者は名乗りを挙げるタイプではなく、お願いしてお話をしてもらう、というスタンスであること。

・COVID-19関係による、大学での講義形態が、周到に準備されたとはとても言えないようななか、通信講義にせざるを得なかった。その連続が
4~8月まであった。そんな状況下で、9月の会を開くことは躊躇された。再延期。もちろん、つらい講義続きだったので、本来の研究者としてのありようを実感したくて、学会・研究会に参加したい、という気分もあったことだろう。が、そこには蓋をしてもらうしかなかった。個人の、そうした思いのために、研究会を強行することはできなかった。発表をお願いした人たちも、同じ苦労をしている。そこに、他の人のために労力を割かせることは出来なかった。

・やっと今日、開催。ちょっと感慨ぶかい。それにしてもシメの挨拶は、いつも気が重い。こういうのは何度やってもうまくやった、と思えることがない。


語彙史 ・ 語構成史上 の 「よ る ご は ん」

2020年11月24日 | 学問・大学
という題名の論文あり。今日の3年生のゼミで読み合わせます。「これなら自分でも読めるかな」というのから論文にアタックするのはよいと思います。私もそんな理由で読み始めた論文があるなあ。て

・金田一春彦「不変化助動詞の本質」
 助動詞なのに「不変化」とはこれいかに。あやしい、とか思って。『日本の言語学』(大修館書店)というアンソロジーに入っているので読みやすいかも。

山口佳紀「古代日本語における語頭子音の脱落」
 たとえば、日本語の歴史を記した書物などの説明で、「春」と「雨」とで複合語を作るとき、ハルサメの形をとるから、子音の〔s〕が挿入されたのだ、と説く場合がありますというか、いまだにそう説明するものの方が多いかもしれません。だから、「子音挿入」は聞いたことがあるけれど、「子音の脱落」とは何かな何かなと読み始めた記憶があります。いや、まあお見事な手際で論述されます。

岡崎 正継「「ハッケヨイ」の語源について」
 これも通説になずまず、言語学の問題として真摯に取り組み、あらたな見解を示したもの。大好き。(^o^) 國學院大学のりポジトリには、この論文が掲載されていないようですが、モッタイナイ。

gacco

2020年11月19日 | 学問・大学
gaccoというサイトでは、大学の先生の講義に接することができます。((関連・参考リンク:世界の有名大学や東大の講義を無料で受講できる!YouTubeで簡単に始められる学び直し講座))

・いまのところは、お試しに近い感じでしょうか。出前講義を聞くくらいの規模のものが多いようです。が、今後、どのように展開していくことになるのか。興味津々。

・1つの大学で、とある専門分野にかぎったとしても、そのすべてを学ぶことはまずできません。教員=研究者には、それぞれのさらに先鋭化された専門分野があり、研究者の数だけ課題の設定が違ったり、問題への取り組み型(スタンス)が微妙にあるいは大いに変わ(りう)るからです。

・そうしたありようは、決して、欠陥・欠点ではありません。どうしても、一人の人間のできることには限界がありますから、先鋭化し(≒狭め)なければ何も解決することはできない局面が多々あるのです。全面的に何でも取り組むということはできにくい。

・そうした状況が、大なり小なり、大学の教育方面にも影を落とします。もちろん、是非知っておかねばならない基礎知識・前提など概論部分などは共通して学べるでしょうけれど。

・いや、人文系だと、その概論部分でも、担当教員の専門の影を大きく反映しそうです。方言研究に軸足を置く人、日本語の歴史に重点を置く人、それぞれに違いが出そうです。後者でも、文法史・語彙史・文字史・文体史・・・などと細分される分野のどこかに身を置くのが普通ですが、そうした主専攻の影が概論でも影響するでしょう。

・そうしたわけで、バランスよく学びたいと思う学生に、何らかの手段によって補償する必要が大学側にあるのかもしれません。「かもしれない」というのは情けないのですが、非常勤講師をふんだんに雇える財政的余裕は、年々削られていますし、講義の会場である教室を多数設ける予算もない・・・・ そうした状況を打破するのに、gaccoのような通信を主体とする、さまざまな講義が取り揃えられているツールは便利です。

・もちろん、gaccoの思想がその辺にあるのかどうかは分かりません。ポテンシャルは無限なのかもしれません。軽々に判断はできませんが、でも、さまざまな美点がありそうだとは言えそうです。