・生々しいのがよいか、耳当たりを気にするか。この録音は、後者で成功していると思います。マイクは楽器から放し気味。その分の空間の表現もできている。つまりは、楽器の音色の美味しいところ録りができていて、聞き心地がよい。アラも目立たない。とてもクレバーな録音だと思います。
・なかには、生っぽさを演出しようとしてか、唇に近い位置にマイクをもってくるのもありますが、さて。曲にもよりますか。「タンゴの歴史(物語)」なんかは、楽器の音に成りきらなかった音まで入っていた方がよいでしょう。面白い。民族的な楽曲とかもそうですね。タクタキシビリ「ソナタ」の第一楽章とかもそうあってほしい。
・で、奏者にもよりましょうか。本当にうまくてセンスのある人なら、どんな録音でもいけそう。なので、それ以外の人は、本当に録音に気を使った方がいい。録音したのを自分で確かめるのもいいけれど、信頼できる耳のよい第三者に任せる方がいいとも思います。いや実際、売ってるCDでも、つまりはプロの演奏家でも、ピンからキリまであるんだなーと思いますのでね。
・とりあえず、全部知らない曲だった点で、コスパ(?)も高い。そう、知られている曲を盛り込むのは、一種の戦略なんですが、知ってる曲ばかり入れられてもー。逆に、あまり知られてない曲で構成するのも、これまた戦略なんでしょうが、危険かもしれませんね。「知らない曲ばかりじゃ、いや」という人は少なくなさそうですから。
・実は、最後の曲のテーマ「strawberries and cream」にまず引かれました。どんな曲なんだろ、と。作曲者は、クラシック本流からは離れた、その意味ではアマチュアに近い人かと思いますが、軽い、気分よく聞ける曲を作れる人のよう。