・研究授業で北方町立北方小学校へ。6年生だけ中学校校舎に間借り中。小学校は建て替えなのだ。それにしても、アーチが連続するわたり廊下とか、木材をふんだんに使った教室とか、紫外線カットガラスを大胆に使った体育館とか、今どきの中学校はいいですね。
・授業が終わって、恥ずかしながら「指導」なるものを実習生ほどこす。校長室。板書が今一つだったので、「人間の視覚のなんたるか」の話をする。と、かたわらに川島浩『未来誕生』があったので(未知の写真集です)手にとっていくつか例示する。人間の眼がどういうものかを知り尽くしている人間範疇として写真家があるからだ。
「被写体が右を向いてて、身体もほぼ右に偏ってるよね、まんなかに置かないことで「動いている」と思わせるんだ」
「これ、このポートレイトがまたすばらしい。背景の柱、ガラス戸の桟、わずかに傾いてるだろ? これも「動感」を与えるんだ」
「子どもたちが大勢写ってるけど、左端が切れてるね。「写しきらずに語らる」技法で、見る側の人間が勝手に補足するんだね、略されていると思って。で、たくさんを表現できる。いや、たくさんを「感じさせる」。」
・次々に好都合な写真が出てきてびっくり。乗ってしまう乗ってしまう。
「写真は2次元だろ? だから、3次元をいかに写しこむかが課題なんだ。そして、瞬間しか撮れないね? だからいかに「動いている」感じを演出するかが「腕」なんだ」・・・・分かってくれたかなあ。
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写真展もあったようですね。「カメラ博物館」で採り上げているのも何より。1959年刊行の写真集、1980年代に復刻してくれた人の気持ちがすばらしい。