『前回までのあらすじ』
専門科目があたかも満点だったかのような自信たっぷりな態度だった俺。
『本編』
5日の午前中に専門科目が終わって、午後の面接でいよいよ終わりです。受験生約100人が2クラスに分けられ、開始時間になるのを待ちます。試験のこととか友達とわいわい話しながら待っていたのですが、話の流れでとんでもないことが発覚しました。「もう英語と基礎科目は採点終わってて、それを踏まえて話するらしい」「専門の解答用紙を見ながら質疑応答あるらしいよ」
…
…どうしよう、なんだかんだで英語も基礎科目もできてねぇよ。
…どうしよう、専門の答えなんて微塵も自信ねぇよ(急変)
わかってください。試験って、採点者の顔が見えないからおもいっきり書けるもんじゃないですか。「ぷぷwこいつ何書いてんの?wwwwちょwwwイミフwww珍解答ktkrwwww」とか言われてると思ったら怖くて何も書けないですよ!だめだ、心の整理の時間が必要…!
面接までもう少し時間はあるだろうし、とりあえず落ち着こうと思っていた矢先。「じゃぁ67番の人。」100人中真っ先に呼ばれましたよ。そういうことか…ここまでがうまくいき過ぎだったんだ。悪魔はみなやさしいのだ…っ!期待させるだけさせて、最後にどーん(そして落下)ってことか…。
面接室に入ると、なんとそこには生物系の教員がずらり勢ぞろい。面接自体は研究室単位でやるのですが、真っ先に呼ばれたもんだから全員の視線がこちらに集まります。さらに緊張感が…。もうだめだ…。
その時、マツモトに電流走る……っっ!
「おーい、お侍さーん!」
そこにはこちらへ笑いかける生態学研究室の教員方が。
説明しますと、3回生のときに河川の生態学実習に行ったんですよ。そこで生態学研究室の先生と知り合ったんです。光栄にも「侍」というあだ名をつけていただき、とてもフレンドリーに接していただいたのです。そして最終日。プレゼンも終わってテンションが上がった俺は、打ち上げで飲みすぎ、最高にハイ!になってしまって、つまりまぁ大暴れしてしまったわけですよ(パンツ一丁で花火+α的な意味で)。
そんな俺に未だやさしく笑顔をくれる先生たち。正義の力が俺に勇気を取り戻してくれたわけですよ。
元気100倍、アンパンマン!!
生態学研究室の方を不思議そうに見やる人類学講座の教員3人の前に座って、いざ、尋常に勝負!
山極センセ「この1ヶ月、しっかり勉強はできたんか?」
そ、それはどういう意味なんですか先生…。
いきなり、自らの汗で顔が塗れて力が出ない。
俺「はい、それなりには…」
山極センセ「この専門の1番なんやけどな、やっぱりまず地上性と樹上性について書いて欲しかったんやな…」
終わった。院入試終了のお知らせ…。どう聞いても不合格です。本当にありがとうございました。はは、なんか逆に楽しくなってきたぞ。マゾヒスティック全開だ。これぞ自己完結的メシウマ状態!!……違うか……。
山極センセ「でもまぁ捕食圧について書いてるあたりは良かったな。」
!
山極センセ「あとの問題はまぁいいでしょう。」
!!
山極センセ「全体的に、まぁよく頑張ったと俺は思うよ。」
ぎゃぴー!!!俺の人生ハジマタ\(^o^)/!!!
試験についての話は終わって、続いて話題はサークルについて。
俺「京大新聞社では主に科学記事を書いたり、各研究室の研究内容をまとめたりしてました。」
中川センセ「君の研究能力が低いという意味ではないんやけど、サイエンスライターが不足している今、科学をわかりやすく人に伝えられる人材が求められてるわけやな。じゃあなんでマツモトはサイエンスライターにならんと研究者になろうと思うんや?」
しっかり答えるべき質問です。実は幸運にも、これに似た質問を、仲良くなった理学部事務のおっちゃんにもよく言われてたんです。俺に会うたびに「サイエンスライターが今熱いぞ!そこへ行け!」と勧めてくれてたんですよ。そんな経緯があって、ちょっと進路について考えたりした時期が去年くらいにあったんです。
確かにサイエンスを一般の人に広めるような仕事は重要です。サイエンスに対する理解が深まれば、基礎研究にお金が流れにくいといった政治的問題は今よりもっとましになるだろうし、研究者はより高度な、つまりはよりおもしろい話をする機会が増えてうれしくなるでしょう。ただ、サイエンスの魅力を世に伝えられるのはサイエンスライターだけではもちろんなくて、大学の先生でもできるんじゃないだろうか?しかも、それが自分の専門分野だったら、もっとおもしろい話ができるし、何より研究もできて話もできるなんて、2倍楽しいんじゃないか?と思ったんです。
こんな内容のことを、まぁつまりながらも話しました。
その他にもいろんな質問が出て、うまくまとめて話ができたりできなかったりしたんですが、話していくうちに「あー、こういうこと考えながら、今の俺に行き着いたんやなー」と思えてきて、妙な心地でした。自分で考えるより、紙に書いたり誰かに話したりした方が、自分の気持ちってわかるもんなんですね。
そして最後の山極さんの話で、
山極センセ「~~ということを心掛けなあかんよ。まぁ、それは追々話していくとして…」
!!
この言葉の危うさに、助教授の井上さんがいち早く気付き、ふっと笑いをこぼしました。
今、「追々」って言ったか?
「追々」ってのはつまり、「大学院に入ってから」みたいな意味なんじゃあねぇか?
や、待て!落ち着け!その解釈には大きな飛躍がある…!感動は危ない…っ!
そんなことを脳内マツモトA・B・Cが会議している間に、面接は終わりました。
結果発表は来週くらいです。
で、その翌日、研究室でお酒を飲む機会があったんですが、
どうも受かってる気がするんですがどうなんでしょう!?
発表までは断固合否を言わないという姿勢ではあったんですが、
山極さんは「や、まだ一応4回生やったな」と言うし、
井上さんは「うちが誰をとると決めたところで、上の会議でどう言われるかわからん」と言うし、
先輩方は「お前なんか落ちろ!w」「あ、それ来年のための勉強?w」とか笑いながら言ってくるし、
普通に素直に考えたら大丈夫だろうと思う…と思うけど…どうなんだろう。わからん。やっぱり自意識過剰だろうか。でも、これで落ちてたらあまりにひどい!や、でもそこは敢えて受かってるように振舞ってくれているのかもしれないし…。
とりあえず、おとなしく発表を待つことにします。
もし合格してたら、ただ叫ぶだけの日記を書きますね!(ぇ)
専門科目があたかも満点だったかのような自信たっぷりな態度だった俺。
『本編』
5日の午前中に専門科目が終わって、午後の面接でいよいよ終わりです。受験生約100人が2クラスに分けられ、開始時間になるのを待ちます。試験のこととか友達とわいわい話しながら待っていたのですが、話の流れでとんでもないことが発覚しました。「もう英語と基礎科目は採点終わってて、それを踏まえて話するらしい」「専門の解答用紙を見ながら質疑応答あるらしいよ」
…
…どうしよう、なんだかんだで英語も基礎科目もできてねぇよ。
…どうしよう、専門の答えなんて微塵も自信ねぇよ(急変)
わかってください。試験って、採点者の顔が見えないからおもいっきり書けるもんじゃないですか。「ぷぷwこいつ何書いてんの?wwwwちょwwwイミフwww珍解答ktkrwwww」とか言われてると思ったら怖くて何も書けないですよ!だめだ、心の整理の時間が必要…!
面接までもう少し時間はあるだろうし、とりあえず落ち着こうと思っていた矢先。「じゃぁ67番の人。」100人中真っ先に呼ばれましたよ。そういうことか…ここまでがうまくいき過ぎだったんだ。悪魔はみなやさしいのだ…っ!期待させるだけさせて、最後にどーん(そして落下)ってことか…。
面接室に入ると、なんとそこには生物系の教員がずらり勢ぞろい。面接自体は研究室単位でやるのですが、真っ先に呼ばれたもんだから全員の視線がこちらに集まります。さらに緊張感が…。もうだめだ…。
その時、マツモトに電流走る……っっ!
「おーい、お侍さーん!」
そこにはこちらへ笑いかける生態学研究室の教員方が。
説明しますと、3回生のときに河川の生態学実習に行ったんですよ。そこで生態学研究室の先生と知り合ったんです。光栄にも「侍」というあだ名をつけていただき、とてもフレンドリーに接していただいたのです。そして最終日。プレゼンも終わってテンションが上がった俺は、打ち上げで飲みすぎ、最高にハイ!になってしまって、つまりまぁ大暴れしてしまったわけですよ(パンツ一丁で花火+α的な意味で)。
そんな俺に未だやさしく笑顔をくれる先生たち。正義の力が俺に勇気を取り戻してくれたわけですよ。
元気100倍、アンパンマン!!
生態学研究室の方を不思議そうに見やる人類学講座の教員3人の前に座って、いざ、尋常に勝負!
山極センセ「この1ヶ月、しっかり勉強はできたんか?」
そ、それはどういう意味なんですか先生…。
いきなり、自らの汗で顔が塗れて力が出ない。
俺「はい、それなりには…」
山極センセ「この専門の1番なんやけどな、やっぱりまず地上性と樹上性について書いて欲しかったんやな…」
終わった。院入試終了のお知らせ…。どう聞いても不合格です。本当にありがとうございました。はは、なんか逆に楽しくなってきたぞ。マゾヒスティック全開だ。これぞ自己完結的メシウマ状態!!……違うか……。
山極センセ「でもまぁ捕食圧について書いてるあたりは良かったな。」
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山極センセ「あとの問題はまぁいいでしょう。」
!!
山極センセ「全体的に、まぁよく頑張ったと俺は思うよ。」
ぎゃぴー!!!俺の人生ハジマタ\(^o^)/!!!
試験についての話は終わって、続いて話題はサークルについて。
俺「京大新聞社では主に科学記事を書いたり、各研究室の研究内容をまとめたりしてました。」
中川センセ「君の研究能力が低いという意味ではないんやけど、サイエンスライターが不足している今、科学をわかりやすく人に伝えられる人材が求められてるわけやな。じゃあなんでマツモトはサイエンスライターにならんと研究者になろうと思うんや?」
しっかり答えるべき質問です。実は幸運にも、これに似た質問を、仲良くなった理学部事務のおっちゃんにもよく言われてたんです。俺に会うたびに「サイエンスライターが今熱いぞ!そこへ行け!」と勧めてくれてたんですよ。そんな経緯があって、ちょっと進路について考えたりした時期が去年くらいにあったんです。
確かにサイエンスを一般の人に広めるような仕事は重要です。サイエンスに対する理解が深まれば、基礎研究にお金が流れにくいといった政治的問題は今よりもっとましになるだろうし、研究者はより高度な、つまりはよりおもしろい話をする機会が増えてうれしくなるでしょう。ただ、サイエンスの魅力を世に伝えられるのはサイエンスライターだけではもちろんなくて、大学の先生でもできるんじゃないだろうか?しかも、それが自分の専門分野だったら、もっとおもしろい話ができるし、何より研究もできて話もできるなんて、2倍楽しいんじゃないか?と思ったんです。
こんな内容のことを、まぁつまりながらも話しました。
その他にもいろんな質問が出て、うまくまとめて話ができたりできなかったりしたんですが、話していくうちに「あー、こういうこと考えながら、今の俺に行き着いたんやなー」と思えてきて、妙な心地でした。自分で考えるより、紙に書いたり誰かに話したりした方が、自分の気持ちってわかるもんなんですね。
そして最後の山極さんの話で、
山極センセ「~~ということを心掛けなあかんよ。まぁ、それは追々話していくとして…」
!!
この言葉の危うさに、助教授の井上さんがいち早く気付き、ふっと笑いをこぼしました。
今、「追々」って言ったか?
「追々」ってのはつまり、「大学院に入ってから」みたいな意味なんじゃあねぇか?
や、待て!落ち着け!その解釈には大きな飛躍がある…!感動は危ない…っ!
そんなことを脳内マツモトA・B・Cが会議している間に、面接は終わりました。
結果発表は来週くらいです。
で、その翌日、研究室でお酒を飲む機会があったんですが、
どうも受かってる気がするんですがどうなんでしょう!?
発表までは断固合否を言わないという姿勢ではあったんですが、
山極さんは「や、まだ一応4回生やったな」と言うし、
井上さんは「うちが誰をとると決めたところで、上の会議でどう言われるかわからん」と言うし、
先輩方は「お前なんか落ちろ!w」「あ、それ来年のための勉強?w」とか笑いながら言ってくるし、
普通に素直に考えたら大丈夫だろうと思う…と思うけど…どうなんだろう。わからん。やっぱり自意識過剰だろうか。でも、これで落ちてたらあまりにひどい!や、でもそこは敢えて受かってるように振舞ってくれているのかもしれないし…。
とりあえず、おとなしく発表を待つことにします。
もし合格してたら、ただ叫ぶだけの日記を書きますね!(ぇ)