ひょうごの在来種保存会

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保存会通信17号(25年春)在来種と土の関係  保存会会員 西山 雄太

2013年06月10日 | 保存会通信17号
在来種と土の関係
              保存会会員 西山 雄太

「種採りの際に、どういう土の状態を作っていけば良いのか?」
これは悩ましいテーマです。

種採りの技術書はあっても、良い種をとるための土の状態については、ほとんど記載はありません。
在来種も種だけで、その味や形ができてきた訳ではなく、その地方の風土(気候や環境、土)が育んできたものです。
その種の個性を残していくためには、昔からその種を育ててきた人と同じような土づくりも一緒にしなければ、本来の個性を引き出すのは難しいのではないでしょうか。

種採りと土の状態について、先日の講演会の後の懇親会で、岩崎政利さんから話を伺っていると、
「関東の土は耕土が深くて羨ましい、うちは30センチほどしかないから」という話がありました。
岩崎さんの畑は、種採りに向いた万能で理想的な土なんだろうと、漠然と思っていましたが、やはり合わないものもある個性のある土だという事でした。
岩崎さんはその環境の中で、合う作物を育て、より本来の特性を持った状態を残されています。
在来種も、それを育む土も、良し悪しの2択で判断することはできず、その個性や特性を、発揮させる環境を用意することが、大切であると改めて気付きました。

その種に合う土、そこに普遍的な答えはなく、元々の土の状態、種採りをしてきた方の土づくりの方法など、様々な要因を組み合わせてできる個性の上に、成り立っているようです。
自分の育てる土や環境を知って、種の個性を育める土の状態をつくっていくことが、これからのテーマの一つです。

 

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