お店では、州棠さんと色んな話をしましたが、やはり写真屋さんという事で日本のカメラメーカーの話やフィルムなどの話を良くされました。彼は日本のCanonやNikonのカメラの話やコニカの話などをしましたが、コニカがミノルタと合併した事などデジタルカメラの普及で、写真業界には大きな波紋が広がり昔ながらの写真館はデジタル写真現像の業務は増えましたが、収入の面では激減せざるを得なかったそうです。デジカメは撮った写真をその場で見る事ができ、機材さえあれば好きな時に自宅で写真をプリントしたり、PCを使って写真を編集する事も、友達に送る事もできてしまいます。撮った写真をPCやCD-Rに保存して置くことも簡単ですが、一方で簡単にプリント、保存が出来る事で写真屋さんに現像を頼む事も少なくなるので、写真屋さんとしては以前はフィルム写真で得ていた収入の一部がデジタルカメラの普及と共に減ってしまう傾向にある様です。
お店の概観
店の看板には、漢字と満族文字が使われている。
以前、『八旗相館』はコニカのフィルムやプリント紙を取り扱っていましたが、コニカとミノルタの合併後はコダックの製品を扱う様になったそうです。元々、九龍の繁華街での店舗経営、維持にはお金がかかる上、デジカメの普及で収入が減った事もあり、以前は13人もいたスタッフを削減し、今ではご夫婦二人で店を切り盛りしなくては行けなくなってしまったとか。話の中で、州棠さんは、これ以上経営状態が悪化したら23年間続けた店を売って、郊外に店を移転するつもりだと語っていましたが、そうならない事を祈るのみです。
この日は平日でお客さんが少なかった為、州棠さんが中国茶を淹れてくれました。お茶は数種類有って、金木犀、薔薇、菊、ジャスミンなどの花茶を烏龍茶や鉄観音に混ぜて飲みます。
桂花茶とお茶請けの「薩其馬」。
桂花+烏龍茶、とても良い香りがします。
今回、お店に立ち寄った記念にと、写真館の奥さんから、こんなに可愛い中国風の小物入れを頂きました。どちらも同じ様に見えますが、男の子と女の子だそうです。夫婦円満で幸せになる縁起物だそうです。
こんな素敵な出会いが有るのも旅の醍醐味ですよね。
やはり、外国語を話せる強みと言うのは日本人以外の人や、外国の文化に接触できる事であったり、違う文化を理解しようとする事、感じる事で考え方が柔軟になって行くんじゃないかと思います。
もし、香港に立ち寄る機会があれば漢口道にある小さな写真館『八旗相館』を探して見るのも面白いですよ。