いよいよ、待望の新型CTが導入されることとなりました。
2005年の北米放射線学会(RSNA)で発表されたシーメンス社製の「SOMATOM Definition」で、2組のX線収集系を搭載した、Dual Source CT (DSCT)です。
新プロトコールの叩き台を作るように、との命が下ったので(ヒマそうだったのかな?)、秘書さんにお願いして資料を集めてみました。
今日は当直だったのですが、ここまでの所は忙しくなかったので、まずはこのDefinitionがどのような特徴をもった装置なのか、勉強することができました。残念ながら、技術的な事は、理解しきれなかったのですが、分かった範囲でまとめてみます。
・基本構造:A-system、B-systemと呼ばれる2つの収集系が搭載されている。2つの収集系は同一平面上で、90°オフセットする幾何学系を構築している。
・検出器は中心部に0.6mmを32列、両側に1.2mmを4列の配列をもつ総列数40列検出器構造である。ガントリアイソセンタで、28.8mmの体軸方向カバーレッジを有する。
・z-Sharpテクノロジーの採用により、0.6mmの64スライス収集、0.33mmの体軸方向分解能がある。
・SOMATOM Definitionの撮影モード
1.Cardiacモード:心臓検査等;高時間分解能により、β-遮断薬を使用しなくても、撮影可能。徐脈、不整脈にも対応可能。
2.Dual Powerモード:最大出力160kW;S/Nを保ったままで、ピッチを上げることが出来る。救急撮影や、息どめ困難症例に有用。
3.Dual Energyモード:Dual Energy Imaging;A,B-systemから異なったエネルギーのX線を出力することで、組織的情報を抽出する方法。骨と血管とのセグメンテーション、石灰化の分離、肝の仮想単純画像など、アプリケーションにより様々な臨床応用が可能である。
4.Routineモード:通常検査;A-systemを単独で用いる。
個人的には、Dual Energyモードが面白そうなのですが、理論が分からないとダメでしょうね。
Definitionで検索してヒットする文献は、圧倒的に心臓関連(特に冠動脈)が多いです。読んでみると、造影プロトコールすら様々で、やっぱり前世代CTからの造影理論なども勉強しないと、いけないみたいです…
あとは、perfusionを組み込むのかどうか…未知の分野です。これも勉強しないとなぁ
では、今回はこの辺りで。また面白い文献が見つかったら抄読してみようかなと思います。
【参考文献】
・Rad Fan(1348-3498)4巻6号 Page51-55,24(2006.05)
・映像情報Medical(1346-1354)38巻7号 Page174-180(2006.06)
・INNERVISION(0913-8919)22巻4号 Page60-65(2007.03)
・INNERVISION(0913-8919)23巻2号 Page36-38(2008.01)
・INNERVISION(0913-8919)23巻5号 Page67-70(2008.04)
2005年の北米放射線学会(RSNA)で発表されたシーメンス社製の「SOMATOM Definition」で、2組のX線収集系を搭載した、Dual Source CT (DSCT)です。
新プロトコールの叩き台を作るように、との命が下ったので(ヒマそうだったのかな?)、秘書さんにお願いして資料を集めてみました。
今日は当直だったのですが、ここまでの所は忙しくなかったので、まずはこのDefinitionがどのような特徴をもった装置なのか、勉強することができました。残念ながら、技術的な事は、理解しきれなかったのですが、分かった範囲でまとめてみます。
・基本構造:A-system、B-systemと呼ばれる2つの収集系が搭載されている。2つの収集系は同一平面上で、90°オフセットする幾何学系を構築している。
・検出器は中心部に0.6mmを32列、両側に1.2mmを4列の配列をもつ総列数40列検出器構造である。ガントリアイソセンタで、28.8mmの体軸方向カバーレッジを有する。
・z-Sharpテクノロジーの採用により、0.6mmの64スライス収集、0.33mmの体軸方向分解能がある。
・SOMATOM Definitionの撮影モード
1.Cardiacモード:心臓検査等;高時間分解能により、β-遮断薬を使用しなくても、撮影可能。徐脈、不整脈にも対応可能。
2.Dual Powerモード:最大出力160kW;S/Nを保ったままで、ピッチを上げることが出来る。救急撮影や、息どめ困難症例に有用。
3.Dual Energyモード:Dual Energy Imaging;A,B-systemから異なったエネルギーのX線を出力することで、組織的情報を抽出する方法。骨と血管とのセグメンテーション、石灰化の分離、肝の仮想単純画像など、アプリケーションにより様々な臨床応用が可能である。
4.Routineモード:通常検査;A-systemを単独で用いる。
個人的には、Dual Energyモードが面白そうなのですが、理論が分からないとダメでしょうね。
Definitionで検索してヒットする文献は、圧倒的に心臓関連(特に冠動脈)が多いです。読んでみると、造影プロトコールすら様々で、やっぱり前世代CTからの造影理論なども勉強しないと、いけないみたいです…
あとは、perfusionを組み込むのかどうか…未知の分野です。これも勉強しないとなぁ
では、今回はこの辺りで。また面白い文献が見つかったら抄読してみようかなと思います。
【参考文献】
・Rad Fan(1348-3498)4巻6号 Page51-55,24(2006.05)
・映像情報Medical(1346-1354)38巻7号 Page174-180(2006.06)
・INNERVISION(0913-8919)22巻4号 Page60-65(2007.03)
・INNERVISION(0913-8919)23巻2号 Page36-38(2008.01)
・INNERVISION(0913-8919)23巻5号 Page67-70(2008.04)