業務&ITコンサルタントのひとり言

コンサルティング活動を通じて感じることを勝手気ままに記載

壊れたニッポンを治す為の処方箋#2:給料(収入)と物価が上がらない理由・原因(その14-改善策のおまけ①:老人介護)

2022年09月02日 17時20分13秒 | 経済
日本人が自立できていない具体的な例として、老後の生き方から垣間見える。自分の子供、まはた介護施設に頼って生きている高齢者が余りにも多い事が、”自立”できていない典型的な例ではないだろうか。介護施設に頼る事は必ずしも悪い訳ではないが、その人の生き方を反映しいてると思う。何等かの施設にお世話になる事で、人との深い繋がりを維持できる事が幸せと考える人も多く居ると思う。それはそれで尊重すべきだと思うが、人との繋がりを維持する方法は他にも色々ある。老後になっても自分でできる事は出来るだけ自分で行う事を選択している人は、その分自立していると云えるのでは無いだろうか。繰り返すが介護施設で老後を過ごす事は決して悪い事ではないし、本当に必要に迫られる人も沢山居る。

高齢者をその子供が世話をする場合、その世話をしている時間は収入を得られる労働をできない時間である。勿論、生まれてから学生になる迄の子供を世話している時も収入を得られる労働をできないが、子供の世話と高齢者の世話とは全く意味が違う。
料理や家事全般を出来ないお年寄り(ほぼ男性か?)は、自立できていない典型例だと云える。選択肢の一つとしてコンビニ弁当を食べるのも良いであろうが、出来るがしないと出来ないとは大きく違う。また介護施設に何年も入って寝たきり状態になっているケースは死生観の問題である。アルツハイマーの様な理由で介護施設に入居するのは仕方がないとしても、ある程度の健康を保っているにも関わらず、介護者に頼って生きる事はどうだろうか?1日30分や1時間程度の支援を受けるだけで、自立して生活できる人も少なからず存在する。但し、これはお金で解決できる事なので、潤沢なお金がある人が適正な費用を介護者(または介護施設)に支払っているのであれば、それはそれで良いであろう。しかし、老衰で自分で寝起きや食事が出来ない状況の場合、特に胃ろうまでして生きる意味を、老人になる前に考えておく必要がある。
因みに、自分の父親は60前後で脳卒中を発症して半身不随になり、その数年後には私の母親が長期入院をしていたが、父は一人で生活していた。流石に半身不随で掃除を行うのは難しく、親戚等の世話を受けていたが、味噌汁や煮つけなどの簡単な料理は自分で作り、スーパーから総菜を自分で買ってきて生活していた。立派である。体の自由が聞かなくなってからは介護施設に入ったが、晩年胃ろうを施し、意思の疎通が出来ない寝たきりの状態で数年を生きた。イヤ”生きた”と云うよりは、生かされたと云うべきであろう。長男の我儘で...。今思うに、これは大きな間違いだったと考えている。自分が将来食べられなくなり、そして会話できない程肉体が弱った状態で、それが改善する見込がなければ、そのまま衰弱死させて欲しいと思っている。

残念ながら、介護従事者の収入は決して良くはない。しかし介護従事者の需要は年々増えている。と云う事は、定収入の労働者が増えているとの事になる。実際、平成12年度には55万人程だった介護従事者が、平成17年には110万人と倍増し、平成31年(2019年)には210万人まで増えているが、厚労省は2040年には280万人必要との試算を出している。この介護従事者の需要増加を解決するために、国として外国人の介護従事者を受入れ様としているが、解決の方向はそこではない。労働条件が悪く、収入も低い仕事を外国人に頼るのは、人として正しい考えではない。
それで本来考える事として、以下を挙げてみたい。
・老後に自分で寝起き出来ない健康状態になり、回復する見込が無い場合の死生観を考える。特に胃ろうまでして生きる事について、我々日本人が考える必要がある。欧米諸国では、自分で食べられなくなったら、死期になったと考えているらしい。
・死生観を考え、介護の需要を多少減らした上で、介護従事者の待遇を改善する。
介護従事者は社会には必要不可欠の存在である。医師や看護師と同等である。しかし介護士の待遇は医師や看護師と比べて決して良くはない。そのためにも”自立”して生活する事の重要性を認識し、寝たきり老人になった場合を想定して、事前に死生観を考えておく必要があるのではないだろうか。それによって社会に必要とされる介護者を大幅に減らし、介護者の待遇の改善する事が社会として重要である事を認識して欲しい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 壊れたニッポンを治す為の処... | トップ | 壊れたニッポンを治す為の処... »

コメントを投稿

経済」カテゴリの最新記事