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壊れたニッポンを治す為の処方箋#2:給料(収入)と物価が上がらない理由・原因(その5-”自立”できていない事が根本原因)

2022年08月17日 19時47分56秒 | 経済
ここまで様々な表面的な問題点を指摘し、それを多少深堀してきた。経済的状況としての供給過多であったり、値下げ要求の原因は、日本人の文化や特性にある事を説明した。そしてその文化や特性とは、”真似る”文化であったり、”チャレンジ精神”が不足している事であったりする事である。そしてその底には、”変化を好まず、安全を求める”であったり、”自分で判断をしない”や、”自分で考えて判断できなく、他人の評価を頼りにする”などがある。
これらの特性の一番奥深くにある事は、我々日本人は日本人は他力本願であり、”自立”出来ていない事にある。”自立”できていない事は戦後間もなく、GHQの日本占領下で云われた事であるが、未だに変わっていない。変わっていない原因は、”自立”ができていないと云われても、何が他国と違うのか、ピンと来ないからであろう。そして”自立”できていない事によってどんな問題が表出しているのかを把握している人も大変少ない。だから”自立”できていない事が問題点とは殆どの人は感じていないし、感じていないから変わろうとする事もない。そして”自立”していなくても、それなりの生活は送れている事も事実である。なので究極的な論点として、”自立”する事は必要な事であろうか...、等々。因みに、この”自立”の定義は「他の援助を受けずに自分の力で身を立てること」とある。

”自立”していない事による不都合(デメリット)を何点か挙げて見よう。
例えば職場が居心地の悪い環境であったり、給料が悪い仕事であっても、転職する考えがる人は海外と比べて少ないと云われている。欧米人は、各人がより良い収入を得られる職に付ける様に努力し、自分自身の能力を高める事に努力を惜しまないし、アメリカでは社会人を経験した後に大学に入り直す人も多くいる。一方我々日本人はより良い環境に転職する考えを持つ人が少ないから、自分自身を向上させる努力もあまりしない。そもそも4年間の大学は学ぶ場と云うよりは、遊ぶ仲間を見つける場となっている。また若い人が仕事を探す時に、自分を向上できそうな仕事を探す人が少なからず居るが、それは企業が教育に力を入れているかどうかが大きな判断材料になっていて、自ら学ぶと云った姿勢の若者は少ない様に感じる。自ら学ぶのではなく、教えてもらえるかどうかが判断基準になっているのではないだろうか。

仕事の中身として、日本人は上司から云われたことのみを愚直に粛々と遂行する人が多いのが現状である。非効率であったり仕事のやり方に不満を持ったりしても、小言は云っても仕事のやり方を変える程までは進言しない。上司も不効率な業務を変えるための努力はしたくないと考えている。悪い云い方をすれば、傷の舐め合いを行っている状況である。今居る環境に甘んじ、その職場に依存している訳で、その結果、日本の多くの企業から活力が無くなってきている。話が少し飛躍するが、社会に問題が起こった場合は、”水戸光圀”が登場しないと解決しないのである。

”居心地の悪い職場”だが、これの殆どが自立できていない事の産物である。その社会に依存し、自立できていないから職場と深い関わりを持とうとする。または相手にそれを求めてくる。仕事た単に収入を得る場所であって、より良い収入を得られる場所があれば、さっさと転職する...と云った気構えがある人であれば、人間関係や居心地の善し悪しは二の次であろう。

最近は変わりつつ有るが、転職する人の少なさは既に述べた。そして起業する人も少ない。仮に起業するとしても、既存のビジネスに新規参入する場合が多い。その一例として美容院を挙げているのだが、何も美容院を悪者にする積りは全くない。コンビニ、ドラッグストア、不動産、の他にも新規参入が絶えない業界が存在し、過当競争をしている。例えば、パン屋(全国で約1万店)、ラーメン店(約2.5万店)などがある。日本人は既存のモノを切磋琢磨して良くする事に大変長けているので、日本の食文化には元々無かったモノでも、世界的に誇れるレベルまで進化している。しかし、全く新しいモノを作り出す意欲に欠けている感がある。
かなり広まっている既存のビジネスに参入する事は、ある程度想像の範囲内のビジネスをしているので、悪い云い方をすれはチャレンジしていない事であり、自立できていない事が根本の理由ではないだろうか?それで過当競争をより一層激化させ、値下げ合戦を行う事になっている。

この”自立”できていない事による弊害を、次回にも続けたい。

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