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壊れたニッポンを治す為の処方箋#2:給料(収入)と物価が上がらない理由・原因(その6-”自立”できていない事が根本原因②)

2022年08月19日 15時56分14秒 | 経済
別の例として、企業における人材の採用に置いても”自立”していない場合が多い。人事担当者が応募者個々の能力を見極める能力が足りていないため、応募者の学歴や前職で働いていた企業の世間的価値を考慮する傾向にある。本来であれば、人事担当者は応募者の経験や能力などの見極める事が仕事であるが、”自立”した考えを持っていないため、学歴や前職での企業の世間的な価値を尺度として頼っているのである。また当たり障りのない人材を求めようとする。
また世間話などの会話で初対面の人に職業の事をする場合、何をしているかよりはどの企業に勤めているかが大きな要素を占めている。誰しもが知っている企業に勤めている事で、世間的な優越感や尊敬の念を抱いているのである。学歴も同じで、偏差値の高い大学には優越感や尊敬の念を抱くのではないだろうか。

要するに、偏差値の優先している事自体が、自立できていない事の象徴である。東大、または早稲田や慶応を出ても、使い物にならない人は沢山居る。それを見抜く能力を付ける事が自立する事にある。また働いている人自身も、偏差値に頼らずに道を切り開く努力を行う必要がある。実際、多くの国家公務員の多くが偏差値のみを頼りにしている自立できていない社会人なので、天下り出来る転職先を作っている。本当に能力のある人、または自立できている人は自らの力で役人を退職後の人生を切り開いているのではないだろうか。または自立できている人は役人になろうとはしないであろう。
また偏差値に依存する為、多くの都会の子供たちは中学受験をする。親がより良い偏差値の大学に子供達を入学させたいからの行動である。そして気の早い親は幼稚園や小学校から”お受験”をさせる。これも子供に”自立”させる教育をできていない親が行う行動である。

全く別の視点で、日本人が自立できていない身近な事を何点か挙げてみよう。例えば、家の修繕を自前で行う日本人は大変少ない。最近、DIYが流行ってきており、昔に比べれば沢山の人がDIYに取り組んでいるが、それらの多くは内装をちょっと変えたりする程度であろう。アメリカでは昔から、家のペンキ塗りやフェンスの作成・修理、その他様々な修理を自前で行っている家庭が多い。当然、車の修理も自分で行っている。アメ車が元々壊れやすい所為もあるが、自分で車を修理する事はよくある事である。壊れた場合の修理だけでなく、定期的なメンテナンス作業を行う人も沢山居る。オイル交換から始まり、タイヤ交換、エアフィルタ、プラグ交換程度は当たり前に行い、エンジンを分解する強者もいる。なので殆どの家庭のガレージには様々な工具が揃っているし、その為のガレージである。
またアメリカ人は狩りが好きである。大物では鹿を狙い、小動物ではリスやウサギを取る。そして当然取った獲物は自分で解体する(さばく)。そしてサバイバルを楽しむ人も多く居る。正に、”自立”する事の大事さを良く分かっているのがアメリカ人ではないだろうか。

また別の”自立”していない事による弊害の例として、”オレオレ詐欺”がある。オレオレ詐欺は至って単純な詐欺で、チョット考えれば変だと云う事は簡単に分かる。しかし、この単純な手口に引っかかる人が日本には余りにも多い。ちゃんと自立できていればこれに引っかかる事はほどないであろう。また最近話題になっている”霊感商法”も同じである。これもチョット考えれば変である事は簡単に見抜ける。また特定の宗教団体に頼っている政治家も、自立出来ていない事の典型である。そしてネズミ講も同じであろう。これらの単純な詐欺に引っかかるのは、”自立”していない事の証ではないだろうか。

コロナ過での反応でも日本の考え方が海外のそれとは大きく違う。日本的な尺度では、海外はトックニ5類になっているのだが、未だに2類相当に据え置き、自由な活動を妨げている。多くの素人コメンテーターが、「感染によるリスクを持っているお年寄りなどを感染させないために、周りの人が気を付けましょう」と云っている。海外では、「自分を守るのは自分である」が一般的な考えであり、他人を守るために自分を犠牲にする事は少ない。但し、誰かが行わなければならない”国を守る”事であったり、火災などの災害から市民を守る様な仕事には積極的に関与し、それらの職業に就いている人達には敬意を払っている。我々日本人はこの様な場合は”誰かがやってくれる”と考える他力本願的な傾向にある。
この様に”他力”と”自立”との違うが良く出ている。これは何方の方が”良い/悪い”では無く、日本人の特性を知り、他国との違いを知る事が重要である。そしてこれらの理由・原因によって、長らく経済が停滞している事を理解する必要がある。

この日本人の特性を変える事は簡単にはできない。何せ、何千年もの年月を経て、出来上がった特性なので、変えたくてもすぐには変わらないし。また悪い面もあるが、日本には誇るべき良い面も沢山ある。それで出来る事として、社会のリーダが望ましい方向を議論し、そして目指したい方向を提示しする事で変えれる事から順次変えていく事が重要である。”変化”を拒む特性の日本人なので、多くの反感やクレームが来るであろう。しかし、変わらないと、日本は確実に潰れる。もうギリギリの所まで来ている。
それで、変わるべき所を次から話していきたい。
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