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中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

高齢者の運転

2007-11-26 08:33:42 | 身辺雑記
 74歳の男性が運転する軽乗用車が高速道路を逆走して、避けようとしたワゴン車が横転して7人が重軽傷を負ったという記事を読んだ。男性の車はそのまま逆送を続け、現場から8キロの地点でパトカーに制止されてやっと止まったと言う。

 74歳と言えば私と同い年である。高齢者が運転しているのはよく見かけるが、いつも内心では危ないのではないかと思う。もちろん70歳を過ぎても運転の上手な人はいるだろうが、一般的には加齢とともに反射神経も鈍ってくるのが普通ではないか。以前も農作業に出た80代の男性が運転する車が道路わきから転落し、同乗の奥さんともども死亡したという痛ましいニュースを読んだことがある。止むを得ない事情もあるだろうが、やはり高齢になれば運転は控えた方がいいと思う。先日ある会で会った私より5歳年上の知人に車のことを尋ねたら、65歳の時に返上したと言っていた。その市では2人目ですと言われたそうだから、この知人は立派だと思うが、年を取っても免許状を手放さない人は多いのだろう。

 この逆走事故で問題なのは運転していた老人が認知症だったことだ。普段は家族が同乗し、その道案内で運転していたそうだが、この日は1人で運転して家を出て、その後行方不明になっていて、家族から捜索願が出されていたという。この男性の認知症がどの程度のものかは不明だが、運転はできるのだからかなり重いということはないのだろう。しかしそれでもこの家族の扱いは疑問に思う。私の高校時代の同窓生の1人は60歳になってからアルツハイマーの症状が出てしだいに進行し、最後はいわゆる植物人間のような状態になったらしいが最近亡くなった。彼も運転はしていたようで、初期の症状の頃に同乗した友人は、信号を無視するなどで怖い思いをしたという。家族は心配して車を処分してしまったそうだ。それが普通の正しい判断だろう。

 私は車の運転はできないが、車の事故の恐ろしさは毎日のように新聞で見る。酒酔い運転は論外で悪質だが、正常な場合でも思わぬ判断ミスで事故を引き起こすことはよくあるようだ。高齢者ならば判断ミスの確率も高くなるだろう。まして認知症の場合は危険の度合いが大きいのではないか。

 認知症の運転免許保有者は全国で30万人以上と推定されているようだが、それが理由の免許取り消しは昨年6月までに僅か192人だそうだ。免許は個人の権利で、家族が返納したいと言っても本人が了承しない限り難しいのだという。今年6月の道交法の改正で75歳以上の高齢者には認知機能検査が義務付けられ、検査の結果で免許更新の可否を判断することになるようだ。しかし公的に可否を判断される前に、私の学友の家族のように車を処分するくらいのことを家族はした方がいい。たとえそのことで本人とトラブルがあっても、他人を殺傷するようなことになるおそれがあることを考えればできないことはないだろう。