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「カラマツの下の花畑」・・・・♪

軽井沢での子供時代に作った落葉松の下の花畑ーー心は今も~!「草花」「99歳の軽井沢物語」「葛西スケッチブック」ほか。  

『ひとのあかし』  ~~18年も前に「フクシマ」を・・・・

2013-08-17 | ルピナス♪ノート

   『ひとのあかし』  若松丈太郎 詩  アーサー・ビナード 英訳 齋藤さだむ 写真  
 
    

   
  この本に出合ったのは、2013年7月29日でした。
  2011年3月11日ーーあの日から2年以上も経って、復興もまだおぼつかない現実です。
    

 「フクシマで起きていることをすべて18年も前に見通して歌った」福島在住の詩人・若松丈太郎さん。     

   「みなみ風吹く日 1 2」 「神隠しされた街」 そして新しく書かれた「ひとのあかし」
    
が収録されたこの本は、
   ページごとにアーサー・ビナードさんの英訳が載り、次に、3・11から3か月後のフクシマで撮影された
  齋藤さだむさんの見開き写真という構成。
        
 
  「神隠しされた街」を読んだ人は、そしてビナードさんは、「予言だ」と言い、 若松さんは 
  「わたしは予言者ではまったくない。ただただ観察して、現実を読み解こうとしただけのこと」
  と言います。そして、「わたしの見方が、大きくハズレていたらよかったのにと、毎日考える」 と

  「神隠しされた街」が書かれたのは、あの日よりも18年も前であることに衝撃を受けます。
  その間、私たちは何も考えずにまるで何ごともなかったかのように「平和」に暮らしてきたのでした。
  そして3・11があったーー若松さんの見方は的中した
  言葉の下を流れる冷たいマグマのような重み。
  読み進むうち、腹の底のほうからひんやりとしたものが体中に広がり、固まり、それが消えさらない。
  何度読んでも、ずしりと重く、襲われるのです。
  けっして声高でない、静謐な詩の魂が読む者の腑に沁み入ってくる・・・ 

  
  ―――~~
       セシウムの放射線量が8分の1に減るまでに90年
       致死量8倍のセシウムは
       90年後も生き物を殺しつづける
            人は100年後のことに自分の手を下せない
       ということであれば
       人がプルトニウムを扱うのは不遜というべきか 
                                       (1994年8月  「神隠しされた街」より) 


                            
                                    


                       what Makes US

               若松丈太郎アーサー・ビナード 英訳齋藤さだむ 写真
       

                 定価 1785円〈税込〉
                 サイズ 四六判 上製 144ページ
                 清流出版 刊  
                             

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