goo blog サービス終了のお知らせ 

「カラマツの下の花畑」・・・・♪

軽井沢での子供時代に作った落葉松の下の花畑ーー心は今も~!「草花」「99歳の軽井沢物語」「葛西スケッチブック」ほか。  

長谷川 潔の銅版画

2006-02-01 | 日常の小さな喜び&こころ便り

Wさんから、お母様が集められていたという、和紙に木版刷りのポチ袋をいただいたことがあった。もう、数年も前のこと。
岩の上で長い髪を梳る人魚の絵。
ちょうど、買ったばかりの「長谷川 潔ポストカードブック」の絵柄に、それと似たものがあった。
「風」(イェーツの詩に寄す)と表題がついている。
お知らせするとWさんは、すぐに版元から取り寄せられた。

長谷川潔は、1891年横浜に生まれ、パリで活躍した銅版画家。
銅版画技術習得のため27歳渡仏。途絶えていた「黒の技法」マニエル・ノワールを再創造して高い評価を得る。その後もあらゆる銅版画技法をマスターし、89歳で没するまで一度も帰国することなく、フランスで活躍した。(「横浜美術館」案内より抜粋)

 それはふしぎな絵であった。カラカラに乾いているはずの秋の野の残骸にも似た
種たちが、しっとりと潤いを持って語りかけてきた。
深みのある漆黒の世界に乾燥した花が、木の実が、独楽が
パチッとした繊細な存在感をもってはめ込まれている。
埼玉県立美術館でも、「二つのアネモネ」を見た。
草花とアカリョムや高い木。はじけた百合の種子殻。不思議なひろがりと深み。
ラ・フォンテーヌ寓話からの、葡萄を見極める藁の狐も好きだ。(右上画像)
最近、長谷川 潔の名を紙面で見ることが、度重なった。
3月26日まで、みなとみらい横浜美術館で、「長谷川 潔展」が開催されている。
藤田嗣治と同時代をパリで過ごしたが、交流はなかったと言われている、その孤高の銅版画家の世界を、ぜひ見てきたいと思う。

Wさんに、イェーツの「風」の詩のコピーをお送りすると、「マジソン郡の橋」に引用されている、同じ詩人の「白い蛾の夕暮れ」部分のコピーをいただいた。

Wさんのお母様は、大正浪漫のセンスを身に付けた方ではなかっただろうか。その長い糸で繋がれた文化のお福わけをいただいた気がした。  (続く)
横浜美術館は、コメント欄をご覧ください。

http://www.enchanteart.com/week/we109b.htm

 

 

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする